« 【千葉うどん旅④】鈴や | トップページ | あれから10年 »

2016年10月 1日 (土)

あの頃のクイーンステークス

今でこそ、秋の中山開催を締めくくるレースと言えばGⅠ・スプリンターズSだが、ちょっと前まではクイーンSが千秋楽を務めていた。芝1800mで行われる4歳(当時表記)牝馬限定のGⅢ戦は、エリザベス女王杯や秋華賞のトライアルレース。あのシンコウラブリイやヒシアマゾンといった名牝たちもここを勝っている。1998年のこのレースを勝ったのは、横山典弘騎手のエアデジャヴーだった。

Dejaview 

桜花賞はファレノプシスの3着。そしてオークスがエリモエクセルの2着。いずれもあと一歩のところで春のクラシックは涙を飲んだ。残された1冠に対する思いは強い。小柄な牝馬で、オークスから体重は4キロしか増えていなかったが、好位から抜け出す競馬で小回りコースに対応できたことこそが「成長」であろう。秋華賞に向けて視界は大きく開けた―――。そんな思いを抱いたのは、ひとり私のみではあるまい。

だが、本番の秋華賞で彼女の前に立ちはだかったのが武豊騎手のファレノプシス。誰もが意表を突かれた大外マクリで、エアデジャヴーの末脚を封じてみせた。「ユタカにすべてを見られていた」。エアデジャヴーを管理する伊藤正徳調教師のあのひと言が、すべてを物語っているように思えてならない。結局、エアデジャヴーはGⅠタイトルとは無縁のまま現役引退を余儀なくされた。

Mesaia 

その7年後にエアデジャヴーの娘エアメサイアが3歳GⅠ戦線に登場する。勝負服も、オークスで2着に敗れたことも、秋初戦の秋華賞トライアルを勝ったことも、その秋華賞では同期の桜花賞馬がライバルとなるところまで、まるで母と同じ。ただ違ったのは、鞍上に迎えた騎手が、かつては母の敵であったはずの武豊騎手であったこと。いろんな意味で注目を集めないはずがない。レースではゴール寸前で桜花賞馬ラインクラフトを首差だけ差し切り、母娘2代に渡る宿願でもあったGⅠ制覇を果たす。

今年の3歳牡馬戦線で活躍するエアスピネルはあのエアメサイアの息子。ということは、エアデジャヴーからすれば孫ということになる。

Supinel 

あのクイーンSはそんな昔の話ではない―――。

そうは思っていても、実は相応の年月が流れたということか。なにせあのクイーンSの翌週に行われたあの毎日王冠を逃げ切ったのはサイレンススズカであり、そこで敗れたのがあのエルコンドルパサー。あの凱旋門賞2着も昔話になった。「あの」という修飾語を駆使して、この辺の年代の話をまるでつい最近のように語れるのも、そろそろ限界に近づいた感がある。悲願と惜敗の歴史に、そろそろピリオドを打ちたい。

 

***** 2016/10/01 *****

 

 

|

« 【千葉うどん旅④】鈴や | トップページ | あれから10年 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【千葉うどん旅④】鈴や | トップページ | あれから10年 »