« そしてレジェンドへ | トップページ | しかとの季節 »

2016年10月12日 (水)

静かなるゴールドシップ

先日、オータムセールのついでに、ゴールドシップを見に行ってみた。繋養されているビッグレッドファームまでは、セール会場から15分とかからぬ距離。せっかくの晴天でもある。なにせ前回会いに行った時は、災害を心配するほどの豪雨だった。

平日だというのに、すでに数人の見学者が来ているようだ。さすが人気者。車を降りてなだらかな坂を降りてゆくと、パドックで青草を食む白い馬が目に入ってくる。それをカップルと思しき男女が眺めていた。

が! よく見れば彼はゴールドシップではない。ふんじゃあ、誰か?

Joh 

答えはジョーカプチーノ。今年最初に行われた新馬を産駒のマイネルバールマンがいきなり勝って、その名を強烈にアピールした。昨年この世を去った父マンハッタンカフェの後継種牡馬として、彼にかかる期待は当然のことながら大きい。でも、今日私が見に来たのは彼ではない。

Ship1 

こちらがゴールドシップ。暑さを避けるようにパドックの木陰を行ったり来たりしている。せっかく晴れているのに……と多少がっかりしつつも、しかしその人間の勝手な期待を裏切るところが、現役当時から変わらぬ彼らしさでもあると思い直した。

今年の種付けは109頭だったという。思ったより少ない。そう思ったのは私だけではあるまい。菊花賞と天皇賞(春)を勝った奥手のステイヤーというイメージが強すぎるのか。あるいは気性の悪い印象がついて回っているのか。あるいはその両方か。

しかし冷静に成績を振り返れば、2歳夏の北海道でデビュー2連勝を飾った馬である。少なくとも父のステイゴールドよりは、はるかに早いうちから活躍していた。「奥手」という表現はあたるまい。

むしろ生産者が心配するのは気性の問題だろうか。大出遅れをしでかした昨年の宝塚記念。あの一戦だけで、良くも悪くも彼の「個性」がクローズアップされてしまった気がする。

ただ、こうして見ている限り、気性の悪さなど微塵も感じさせない。隣の放牧地でロージズインメイが大騒ぎしていても、向こうのパドックでアイルハヴアナザーが走り回っていても、ゴールドシップは平然と足もとの草を食べ続けている。前回訪問時に、集牧時にスタッフから逃げ回って手を焼かせる姿を見たときは、「ああ、これこれ。これぞゴールドシップ」と膝を叩いたものだが、驚くことにこの日はすんなりと口を取らせた。ここまで来るとさすがに心配になってくる。そういえば、見た目にもちょっと細目に映らないでもない……。

Ship2 

ひょっとしたらこっちがジョーカプチーノで、さっきジョーカプチーノだと思った方が、やはりゴールドシップだったのか?

―――なんてワケがない。こうした変化は種牡馬になりたての頃によくあること。仕事や環境の変化に、さすがのゴールドシップも多少のストレスを抱えたのかもしれない。心配は無用。むしろ今の姿を見れば、生産者の方々もゴールドシップに対する印象が変わるかもしれない。

芦毛の活躍馬が増えると競馬が盛り上がるのは周知のとおり。ゴールドシップの2世たちが誕生するのは来年の春。それで種付け頭数が増えるかどうか。プロたちの評価を待ちたい。

 

***** 2016/10/12 *****

 

 

|

« そしてレジェンドへ | トップページ | しかとの季節 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« そしてレジェンドへ | トップページ | しかとの季節 »