« クールビズ縛り | トップページ | 馬着 »

2016年10月29日 (土)

フィーバーの予感

先週土曜の東京アイビーSは、現役時代GⅠ10勝のフランケルと、同じくGⅠ6勝の母スタセリタとの間に生まれ「16冠」と話題になったソウルスターリングが、後続に1馬身3/4をつけて完勝した。馬群から抜け出すの時の大きなストライドは大物感たっぷり。藤沢和雄調教師は明言を避けたが、吉田照哉氏は「阪神JFを見据えて進めたい」とコメント。となれば、同じフランケル産駒で衝撃のデビュー勝ちを飾ったミスエルテとの「フランケル対決」が、GⅠの舞台で実現するかもしれない。

Soulstaring 

現2歳世代のフランケルの初年度産駒は、欧州、米国、豪州、そして日本に散らばっており、その頭数は111頭。欧州では既に多くの産駒が勝ち上がっているばかりか、フェアイーヴァがプリンセス・オブ・マーガレットS(英GⅢ)を、クイーンカインドリーがロウザーS(英GⅡ)を、トリフォーがオマール賞(仏GⅢ)を勝つなど重賞ウイナーも続々誕生しているとあって、早くもフランケル・フィーバーが沸き起こりつつある。

顧みてフランケル産駒の2歳馬10頭を抱える日本ではどうか。

なにせ、フランケルの父・ガリレオ、またその父・サドラーズウェルズと聞けば、「欧州の成績の割に、日本では活躍しない」というイメージが強い。日本の10頭のうち、現時点で勝ち上がってるのはソウルスターリングとミスエルテの2頭のみ。だがその一方で、ソウルスターリングのあの鮮やかな勝ちっぷりを目の前にすれば、そんな固定観念はさっさと捨てるべきなのかもしれない。

社台レースホースの1歳募集ビデオを観た社台会員氏が、ソウルスターリングを絶賛していたことを思い出す。だが、それを私は「この配合は重いですよ」のひと言で一蹴してしまった。今更ではあるが、己の不明を恥じるとともに、相手の慧眼を賞賛するしかない。「5ハロンのGⅠを勝てるスピードで10ハロンを駆け抜けた」と言われるフランケルには、むしろ重い配合の方がフィットするのだろうか。だとすれば、来年デビューするであろうデインドリームやウオッカとの間に生まれたフランケル産駒は超大物の可能性がある。

ソウルスターリングの母・スタセリタは、近年注目を集める奥の深さが魅力のドイツ牝系で、仏米を股にかけてGⅠを6勝した名牝。うち3勝をルメール騎手の手綱で勝利しているのも奇縁であろう。ルメール騎手は「まさか彼女の子に乗れるとは。それも日本で」と言っていた。それでGⅠを取れば素晴らしいストーリーになる。菊花賞を勝った勢いに乗じて、こちらも期待は大きい。

かように日本でもフランケル・フィーバーが沸き起こりそうな気配ではあるのだが、その一方で、フランケルは毎年130頭程度にしか種付けを行っておらず、種付け料も高額なため、選ばれし牝馬にしか種付けされないという事実もまた忘れてはならない。デインドリームしかり、ウオッカしかり、スタセリタしかり。新馬を勝ったミスエルテの母・ミスエーニョにしても米GⅠ勝ち馬だ。ゆえに「フランケルがいいのか、お母さんがいいのか、まだ分からない(藤沢和雄調教師)」という声があるのも事実。とはいえ、牝馬のポテンシャルをそのまま産駒に伝えることも、良い種牡馬のひとつの条件ではあることは周知の事実である。

コンスタンスに勝ち上がり馬を出すのも名種牡馬なら、稀に超大物を出すのも名種牡馬。フランケルの評価を見極めるには、やはりもう少し時間が必要であろう。だがそれは、競馬ファンにとって実に楽しい作業となるに違いない。

 

***** 2016/10/29 *****

 

 

|

« クールビズ縛り | トップページ | 馬着 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« クールビズ縛り | トップページ | 馬着 »