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2016年10月13日 (木)

しかとの季節

秋華賞が誕生して20年。3歳牝馬の秋の目標としてすっかり定着した感がある。エアグルーヴを追い掛けて京都へ飛んだあの当時、私もまだ若かった。

Shuka 

私のスマホの漢字変換でも「しゅうかしょう」と打てば「秋華賞」とただちに表示されるのだから凄い。たしか前の機種では、こうはならなかった。「あき(変換」)、「はな(変換)」、「しょう(変換)」と、一文字ずつの変換を余儀なくされていた記憶がある。なにせ20年前までは、「秋華」という言葉を大半の日本人は耳にする機会がなかった。

中国の詩人・杜甫の「泰州雑詩」の中に「秋華危石底 晩景臥鍾邉」と登場する―――。

JRAの最初の説明はそうだった。が、そう言われて、「ああ、あれか!」と膝を打った日本人が、果たしてどれだけいただろうか。たしかに格調は高そうに聞こえるが、いかんせん普通の競馬ファンには馴染みが薄すぎた。今でも世間一般には、「秋華」という言葉は競馬のレース名でしかない。

本来「秋華」は文字通り「秋の花」の意味を持つ。だが、京都に色づく秋の華と言えば、もみじ(紅葉)を連想する向きも多かろう。実際、「秋華」という品種のもみじもある。黄色地に赤く縁取りしたような色合いが特徴だが、実は最近発見された新種だという。その歴史は15、6年程度だというから、ひょっとしたら競馬の秋華賞にちなんでの命名ではあるまいか。なにせ「秋華」という言葉は、多くの日本人にとって競馬のレース名でしかない。くどいようだけど。

Hanafuda 

「もみじ」には「鹿」が欠かせない。花札に描かれたもみじと鹿の絵柄を持ち出すまでもなかろう。猿丸太夫は「奥山に紅葉踏み分けなく鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき」と詠んだ。鹿肉は別名「もみじ」とも呼ばれる。もみじと鹿の組み合わせは、古くから好まれている日本の秋のイメージそのものだ。

こうなると、秋華賞はビッシュ(=雌鹿)で決まりのような気がしてこないか。

なにせ、ビッシュを管理するのは鹿戸調教師である。花札の「もみじと鹿」は10月の札。その絵柄で鹿がソッポを向いているところから、鹿十(しかとお)つまり「シカト」という俗語が生まれたという説はあまりに有名。もはやビッシュ本命は揺るぎようがない。ただし、的中の女神にシカトされてしまうという不安も併せ持つのだが……。

 

***** 2016/10/13 *****

 

 

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