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2016年10月30日 (日)

馬着

「前に社台さんでもらった当歳用のバチャク、まだあるかな?」

唐突に娘がそう聞いてきた。―――バチャク?

最近では私より彼女の方がウマの専門用語を多く使うので、さすがの私でも戸惑うことが多くなった。

「バチャクって何?」

「ウマのフク」

これは“馬複”のことではない。“馬服”のことである。それくらいは分かる。

「あー、馬着ね。あるよ」。と言ってクローゼットの奥から引っ張り出してきたのが、こちら。

Blanket1 

広げるとこんな感じ。

Blanket2 

今から10年前、社台スタリオンのお土産でいただいたもの。牧場関係者の方は見覚えがあるかもしれない。説明書には「人間用としてにも使える」と書いてはあるが、やはりこの形は馬用であろう。だから、仔馬のいないマンション暮らしの我が家では、一度として使われぬまま10年間クローゼットの奥で眠っていたのである。聞けば、学校で飼っているポニーに着せてあげたいのだという。なるほど。それはイイ。今日の寒さなら、よもやクールビズ云々を言い出すバカ者もおるまい。

Blanket3 

ところで、気になるのは、この社台スタリオンのラインナップカードである。たった10年で種牡馬の顔ぶれはすっかり変わってしまっている。アグネスタキオンやデュランダルは死んでしまったし、ネオユニヴァースもゼンノロブロイもスペシャルウィークも、もう社台にはいない。カードに記載された27頭の種牡馬のうち、10年後の今年も社台スタリオンで種牡馬として在籍しているのは、キングカメハメハ、ゴールドアリュール、クロフネ、そしてフレンチデピュティの4頭だけだ。

この10年間、社台ブランドを守り続けてきた種牡馬4頭のうち3頭までが、サンデーサイレンスとは無縁の血統を持つ種牡馬という事実はなかなか興味深い。ネオユニヴァースやゼンノロブロイといった他のサンデー系種牡馬だって、それなりの結果を出してきたはず。にも関わらず、安閑としていられなかったのは、増えすぎたサンデーの血がもたらした悲劇であろう。特にフレンチデピュティ、クロフネの父子の存在が、それを象徴しているように思えてならない。

French 

社台グループがフレンチデピュティの購入を発表したのは2000年の12月だから、代表産駒のクロフネがNHKマイルを勝つ前のこと。この時点では、ノボジャックの京王杯3歳Sでの2着が目立つ程度の活躍だった。当時の社台グループ会報誌上での吉田照哉氏のコメントは、「日本の競馬に合っている」と力強い。まあ、そう言って連れてきながら成功しなかった種牡馬はたくさんいるが(笑)、フレンチデピュティに関しては素晴らしい先見の明があったと言ってよかろう。

フレンチデピュティは今年25歳。最近ではマカヒキやショウナンパンドラなど、母の父としての存在感を増しているが、サウンドトゥルーのようにGⅠを勝つ産駒もいるから凄い。その特質は芝もダートもこなすパワフルさ。特に時計がかかる開催終盤の芝で真価を発揮する。秋競馬も終盤戦に突入。馬着の季節はフレンチデピュティの血が騒ぐ季節でもある。でも、「馬着」って文字にして書くと、なんだか馬の着順みたいに感じられませんか。私だけかな?

 

***** 2016/10/30 *****

 

 

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