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2016年10月21日 (金)

ネット投票全盛の先に

日曜付のエントリ「金曜日のジレンマ」の中で、「来年のJBCの日程発表が遅い」「11月第1週のJRAは3(祝)、4(土)、5(日)の3日間開催でどうか」と書いたら、その翌日にJRAから来年の日程が発表となり、それを受ける形でJBCの日程も発表された。結果的には、その通りになったわけで、まずは一件落着。あとはその日程に粛々と従うのみである。

だが、いざ決まってみると新たな心配のタネが芽を吹いた。それはJBC3競走の発走時刻。かつての経験からすれば、たとえJRAのメインレースが1000万条件の河北新報杯であったとしても、JBCはそれに負ける可能性が高い。ならばJRAのメインが終わったあとに発走させるのが無難だが、そうなると今度は“ケツ”の問題にぶつかる。翌日にJRA開催がある場合のIPAT発売は17時11分まで。その縛りにはさしものJBCも逆らえない。

JBCが2レースだけならどうにか収まるが、3レースとなるとギリギリ。JBCレディスクラシック15時40分、JBCスプリント16時25分、JBCクラシック17時10分あたりが妥当なセンか。ただでさえ現場がてんやわんやになるJBCである。たった45分のレース間隔では正直心もとない。

かように地方競馬はIPATに振り回されてばかり。JBCの日程問題はその最たる例であろう。だが、ネットに頼らねば今の地方競馬は成り立たない。なにせ全体の売上の3分の2をネット投票が占める昨今である。こうなったら競馬でも、競輪やオートレースのような無観客レースを健闘してはどうか―――。ついに、そんな声さえ聞こえてきた。

2011年に小倉で始まった「ミッドナイト競輪」は、21時からの開催で車券はネット投票のみ。無観客にすることで近隣対策は必要なく、警備や清掃などの人件費も大幅にカットできる。結果、目標を上回る黒字を計上したことから、今では小倉のほか前橋、青森、高知、佐世保などでも行われている。昨年からは飯塚オートレースでも「ミッドナイトオートレース」と題して、無観客レースがスタートした。

競輪やオートが無観客に走った大きな理由は、もっともコストがかかる自場での売上が、そのコストに見合わないからだ。それなら大概の地方競馬も同じこと。JRAとは異なり、その存在理由に「地方自治体の財源寄与」が謳われる地方競馬ではコストの無駄遣いは許されない。ネットでの馬券が売れれば売れるほど、無観客への風は強くなる。交通の便が悪い弥富への移転が噂される名古屋競馬場などは、すでに関心を抱いていたとしても不思議ではない。

Stand 

実は我が国の競馬史においても無観客レースが行われた記録はある。そう、それは戦時中のこと。1944年の第13回日本ダービーも一般客の入場は認められず、わずかな関係者だけが見守る中、「東京能力検定競走」として行われた。そのダービーに所有馬トキノチカヒを出走させていた菊池寛は、このダービーを観戦した数少ない一人。愛馬が9着に敗れるのを見届けたのち、周囲に「歓声がないと馬も走らん」と言ったとされる。たとえ勝っていたとしても嬉しくはなかろう。「無事是名馬」の金言を残した名士の言葉は重い。

 

***** 2016/10/21 *****

 

 

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