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2016年10月10日 (月)

ファミリーヒストリー第4章

ノーザンホースパークの乗馬厩舎前のパドックにポニーと一緒に放牧されているのは、名牝・ウインドインハーヘア。

Wind 

アイルランド生まれの彼女は1994年のエプソムオークスで2着すると、翌年のアラルポカルではアラジの種を受胎しているにも関わらず優勝するという離れ業を演じる。1999年にデインヒルを受胎した状態で日本に輸入され、2002年に不世出の名馬ディープインパクトを産んだ。そして今はこうしてノーザンホースパークでポニーと一緒に放牧を楽しんでいる。彼女を見ていると、人生(馬生)の数奇を思わずにはいらない。

彼女が来日する前年に産んだシーキングザゴールドの牝馬も、日本にやってきて競走馬となった。それがレディブロンド。競走デビューはなんと5歳の夏だから驚く。普通なら繁殖入りしてもおかしくない。しかもデビューの舞台は1000万特別戦である。その格上馬を相手に勝ってしまうのだから、周囲が再び驚いたのも無理はない。そこからわずか3か月の間に怒涛の5連勝。勢いを駆って臨んだスプリンターズSは、デュランダルにコンマ2秒差の4着と初めての敗戦を喫した。しかし、これが重賞初挑戦、デビューから3か月半のキャリアを思えば、むしろ驚くべきであろう。彼女の競走人生は驚きの連続だった。

Lady 

その能力の高さを十分に示したレディブロンドは、この一戦を最後に引退。帝王賞馬ゴルトブリッツなどを送り出したが、2009年にアグネスタキオンの牝駒を産んだ後に死んでしまう。結果5頭の産駒しか残せなかった。しかも3番子のゴルトブリッツと4番子の牝馬アフロディーテも若くしてこの世を去っている。レディブロンドの血を後世に伝えるその糸は、この時点で2本のみ。いつ切れてしまっても不思議ではない。

Ladorada 

ラドラーダ(父シンボリクリスエス)はその細い糸を担う1頭。それでも、競走能力の高さや、「黄金の女性」を意味するその馬名には、母レディブロンドの面影が感じられた。JRAで4勝の成績を引っ提げて引退・繁殖入りしたのは5年前のことだ。

5r 

昨日の東京5レースの新馬戦を勝ったレイデオロ(父キングカメハメハ)は、そのラドラーダの2番子である。道中は馬群の中で折り合い、直線では重馬場を苦にせず力強い伸び脚を繰り出した。「落ち着いている」「良馬場の方が良い」「(距離は)もっと延びても大丈夫」。手綱を握ったルメール騎手も賛辞を惜しまない。馬名のレイデオロは「黄金の王」の意。ウインドインハーヘアから始まるファミリーヒストリーの第4章は、もう始まっている。

 

***** 2016/10/10 *****

 

 

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