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2016年10月31日 (月)

12144通り

明日はカレンミロティックが出走するメルボルンカップ。先日の凱旋門賞に続き、今回もネットで馬券が買えると話題になっているが、今回は平日のため即PAT会員のみが対象となる。A-PATでは買えない。注意しよう。

JRAは凱旋門賞の売り上げ目標を明言していなかったが、関係者の話を総合すれば「20億に届けば上出来」という感触だった。それが、いざフタを開けてみれば41億8599万5100円。GⅡやGⅢの総売り上げに匹敵する金額である。これが、メルボルンカップではどうなるだろうか。

さすがに、凱旋門賞とメルボルンカップとではファンの認知度が違う。凱旋門賞はダービー馬のマカヒキが参戦する日曜夜のイベントで、地上波が生中継した。一方、メルボルンカップに出走するカレンミロティックは金鯱賞を勝った程度。しかも発走は平日の昼過ぎで、地上波による中継もない。凱旋門賞のような爆発的な売り上げを期待するのは酷だろう。

とはいえ注目すべきポイントはある。なにせ、JRAが18頭を超えるレースの「馬連」「馬単」「ワイド」「3連複」「3連単」を売るのは、これが初めてのこと。我が国の上限である18頭立てでは、3連単の組み合わせは最大でも4896通りだった。それが24頭立てでは倍以上の12144通りにも達する。これなら相当の高配当が期待できよう。しかも、舞台は「世界一難解なGⅠ」として名高いメルボルンカップである。

Gate

JRAは1991年の馬番連勝複式(馬連)導入と同時に、フルゲートの上限を18頭と定めた。レースの安全への配慮や射幸心の抑制など、いくつが理由が並べられたが、その中にはシステム上の都合もあったはずである。2002年には新馬券としてファン待望の3連勝単式(3連単)が認可されたが、農林水産省の省令で「9頭立て以下のレースに限る」という制限が設けられていた。一時期の南関東において、終盤4レースがことごとく9頭立てだったのを覚えている方も多かろう。当然のことながら使いたいレースに使えない馬も出てくる。馬よりも売り上げを優先した悪例。ちなみに9頭立ての3連単の組み合わせは504通りでしかない。

3連単に対する頭数制限の理由にも「射幸心の抑制」が使われたが、裏では「コンピューターシステムへの不安」も囁かれていた。システムの不具合やネットワーク負荷の増大などで、投票システムが一時停止する障害が問題視され始めた当時のこと。システム障害が原因で、開催そのものが中止に追い込まれた地方競馬場もあった。「馬」でもなく「売り上げ」でもない。「システム」こそが競馬開催の成否を握る時代に突入したのである。

JRA初の24頭立ての3連単の発売が間もなく始まる。果たしてシステムは悲鳴を上げたりせぬだろうか。もちろん相応の準備とテストを積み重ねてきてはいると思うが、その網をすり抜けるように、予想だにせぬシステム障害が起きるものだ。

3連単発売直前の非開催の某地方競馬場でのこと。朝の調教が終わってひと息付いた頃合いに、主催者の関係者がぞろぞろスタンドに集まってきた。本来なら彼らは休日のはず。それで、いったい何が始まるのか?と聞けば、新システムのテストだという。新たに導入するマークカードに買い目と金額を塗って、3連単対応のソフトを導入した券売機に突っ込む。これを延々と繰り返す。もちろん当たりもハズレもない。いやはやたいへんですね。我々が安心して馬券を買うことができるのも、こうした皆さんのご苦労があってこそ。これからは心してマークカードを塗ろう。

 

***** 2016/10/31 *****

 

 

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2016年10月30日 (日)

馬着

「前に社台さんでもらった当歳用のバチャク、まだあるかな?」

唐突に娘がそう聞いてきた。―――バチャク?

最近では私より彼女の方がウマの専門用語を多く使うので、さすがの私でも戸惑うことが多くなった。

「バチャクって何?」

「ウマのフク」

これは“馬複”のことではない。“馬服”のことである。それくらいは分かる。

「あー、馬着ね。あるよ」。と言ってクローゼットの奥から引っ張り出してきたのが、こちら。

Blanket1 

広げるとこんな感じ。

Blanket2 

今から10年前、社台スタリオンのお土産でいただいたもの。牧場関係者の方は見覚えがあるかもしれない。説明書には「人間用としてにも使える」と書いてはあるが、やはりこの形は馬用であろう。だから、仔馬のいないマンション暮らしの我が家では、一度として使われぬまま10年間クローゼットの奥で眠っていたのである。聞けば、学校で飼っているポニーに着せてあげたいのだという。なるほど。それはイイ。今日の寒さなら、よもやクールビズ云々を言い出すバカ者もおるまい。

Blanket3 

ところで、気になるのは、この社台スタリオンのラインナップカードである。たった10年で種牡馬の顔ぶれはすっかり変わってしまっている。アグネスタキオンやデュランダルは死んでしまったし、ネオユニヴァースもゼンノロブロイもスペシャルウィークも、もう社台にはいない。カードに記載された27頭の種牡馬のうち、10年後の今年も社台スタリオンで種牡馬として在籍しているのは、キングカメハメハ、ゴールドアリュール、クロフネ、そしてフレンチデピュティの4頭だけだ。

この10年間、社台ブランドを守り続けてきた種牡馬4頭のうち3頭までが、サンデーサイレンスとは無縁の血統を持つ種牡馬という事実はなかなか興味深い。ネオユニヴァースやゼンノロブロイといった他のサンデー系種牡馬だって、それなりの結果を出してきたはず。にも関わらず、安閑としていられなかったのは、増えすぎたサンデーの血がもたらした悲劇であろう。特にフレンチデピュティ、クロフネの父子の存在が、それを象徴しているように思えてならない。

French 

社台グループがフレンチデピュティの購入を発表したのは2000年の12月だから、代表産駒のクロフネがNHKマイルを勝つ前のこと。この時点では、ノボジャックの京王杯3歳Sでの2着が目立つ程度の活躍だった。当時の社台グループ会報誌上での吉田照哉氏のコメントは、「日本の競馬に合っている」と力強い。まあ、そう言って連れてきながら成功しなかった種牡馬はたくさんいるが(笑)、フレンチデピュティに関しては素晴らしい先見の明があったと言ってよかろう。

フレンチデピュティは今年25歳。最近ではマカヒキやショウナンパンドラなど、母の父としての存在感を増しているが、サウンドトゥルーのようにGⅠを勝つ産駒もいるから凄い。その特質は芝もダートもこなすパワフルさ。特に時計がかかる開催終盤の芝で真価を発揮する。秋競馬も終盤戦に突入。馬着の季節はフレンチデピュティの血が騒ぐ季節でもある。でも、「馬着」って文字にして書くと、なんだか馬の着順みたいに感じられませんか。私だけかな?

 

***** 2016/10/30 *****

 

 

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2016年10月29日 (土)

フィーバーの予感

先週土曜の東京アイビーSは、現役時代GⅠ10勝のフランケルと、同じくGⅠ6勝の母スタセリタとの間に生まれ「16冠」と話題になったソウルスターリングが、後続に1馬身3/4をつけて完勝した。馬群から抜け出すの時の大きなストライドは大物感たっぷり。藤沢和雄調教師は明言を避けたが、吉田照哉氏は「阪神JFを見据えて進めたい」とコメント。となれば、同じフランケル産駒で衝撃のデビュー勝ちを飾ったミスエルテとの「フランケル対決」が、GⅠの舞台で実現するかもしれない。

Soulstaring 

現2歳世代のフランケルの初年度産駒は、欧州、米国、豪州、そして日本に散らばっており、その頭数は111頭。欧州では既に多くの産駒が勝ち上がっているばかりか、フェアイーヴァがプリンセス・オブ・マーガレットS(英GⅢ)を、クイーンカインドリーがロウザーS(英GⅡ)を、トリフォーがオマール賞(仏GⅢ)を勝つなど重賞ウイナーも続々誕生しているとあって、早くもフランケル・フィーバーが沸き起こりつつある。

顧みてフランケル産駒の2歳馬10頭を抱える日本ではどうか。

なにせ、フランケルの父・ガリレオ、またその父・サドラーズウェルズと聞けば、「欧州の成績の割に、日本では活躍しない」というイメージが強い。日本の10頭のうち、現時点で勝ち上がってるのはソウルスターリングとミスエルテの2頭のみ。だがその一方で、ソウルスターリングのあの鮮やかな勝ちっぷりを目の前にすれば、そんな固定観念はさっさと捨てるべきなのかもしれない。

社台レースホースの1歳募集ビデオを観た社台会員氏が、ソウルスターリングを絶賛していたことを思い出す。だが、それを私は「この配合は重いですよ」のひと言で一蹴してしまった。今更ではあるが、己の不明を恥じるとともに、相手の慧眼を賞賛するしかない。「5ハロンのGⅠを勝てるスピードで10ハロンを駆け抜けた」と言われるフランケルには、むしろ重い配合の方がフィットするのだろうか。だとすれば、来年デビューするであろうデインドリームやウオッカとの間に生まれたフランケル産駒は超大物の可能性がある。

ソウルスターリングの母・スタセリタは、近年注目を集める奥の深さが魅力のドイツ牝系で、仏米を股にかけてGⅠを6勝した名牝。うち3勝をルメール騎手の手綱で勝利しているのも奇縁であろう。ルメール騎手は「まさか彼女の子に乗れるとは。それも日本で」と言っていた。それでGⅠを取れば素晴らしいストーリーになる。菊花賞を勝った勢いに乗じて、こちらも期待は大きい。

かように日本でもフランケル・フィーバーが沸き起こりそうな気配ではあるのだが、その一方で、フランケルは毎年130頭程度にしか種付けを行っておらず、種付け料も高額なため、選ばれし牝馬にしか種付けされないという事実もまた忘れてはならない。デインドリームしかり、ウオッカしかり、スタセリタしかり。新馬を勝ったミスエルテの母・ミスエーニョにしても米GⅠ勝ち馬だ。ゆえに「フランケルがいいのか、お母さんがいいのか、まだ分からない(藤沢和雄調教師)」という声があるのも事実。とはいえ、牝馬のポテンシャルをそのまま産駒に伝えることも、良い種牡馬のひとつの条件ではあることは周知の事実である。

コンスタンスに勝ち上がり馬を出すのも名種牡馬なら、稀に超大物を出すのも名種牡馬。フランケルの評価を見極めるには、やはりもう少し時間が必要であろう。だがそれは、競馬ファンにとって実に楽しい作業となるに違いない。

 

***** 2016/10/29 *****

 

 

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2016年10月28日 (金)

クールビズ縛り

あれは毎日王冠当日のことだっただろうか。自宅を出て駅に向かう途中で、ネクタイを締め忘れていることに気が付いた。

ネクタイ1本のために引き返すのもアホらしいし、そもそも忘れたのは急いでいて慌てたせいだ。戻る時間はない。馬主受付に置いてある「貸しネクタイ」に手を付けることも考えたが、こっそりネクタイを借りているところを誰かに見られたりしたらなんとなく恥ずかしい気もする。さあ、どうしたものか。

あれこれ悩んだ挙句に、駅の売店でスポーツ紙と一緒に購入しましたよ。1本千円。SUICAでネクタイを買ったのは初めてだ。

Tie 

んで、今日はそのネクタイを締めて仕事場へ出かけた。せっかく買ったのだから、なるべく使わないともったいないですからね。ともあれ、一昨日は夏日だったのに、一転して今日は冬の陽気である。街中にはコートを着ている人も珍しくない。

なのに、仕事場でそのネクタイを咎められた。

仕事場においては10月末までをクールビズ期間と定めている。だから今月いっぱいはネクタイをするなという。呆れて声も出ない。この寒さのどこでクールビズが必要だというのか。

ただ、周りにネクタイをしている連中がいないのも事実。それで思った。この国では、いいトシした大人が、誰かに決めてもらわなければネクタイの一本も締められないのである。

以前、ジャパンカップに訪れたフランス人カメラマンが「日本のオッズは極端過ぎる」と言い放った。16頭立てなのに1番人気の単勝が2倍以下というレースが続くのは、結果はともかくおかしい。もし、そんなに能力差があるのなら番組に問題がある。あるいは日本の競馬は勝つ馬が決まっているのか―――?

と言う具合に出来レースまで匂わせた彼だが、もちろんそこは本気で言ったものではない。だが、競馬とは予測不能なことが起こるもの。仮にアクシデントがないとして考えても、馬の能力差とオッズが見合っていないと彼が思っていたことは確かであろう。たしかに海外の多頭数競馬で2倍を割るオッズはあまり見たことがない。

その時に私は言った。日本人は周囲に流されやすい。誰かが「この馬を買う」と言えば、同じ行動を取らずにはいられないんだ―――と。

評価サイトに頼り、皆の評価が高い店に行き、皆の評価が高いものを食べ、皆の評価が高いものを買い、皆の評価が高い映画を見て、由来も知らずに「皆がやっているから」とハロウィンを叫ぶ。これをして、田植えから刈り入れまで何をするにも隣近所の様子を見ながら行動する農耕民族丸出しの日本人気質だとは思いたくはない。だが、周囲に流されるまま、自分で考えるということことをしないその姿は、日本人である私からしても奇異に映る。外国人からすればなおさらであろう。たかがネクタイ一本でたいそうなことを考える羽目になってしまった。それというのも季節外れのクールビズのせいだ。

 

***** 2016/10/28 *****

 

 

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2016年10月27日 (木)

府中2000の内と外

発表された天皇賞の枠順を見て眼を剥いた。逃げたいエイシンヒカリが1枠1番を引いた一方で、連覇を目指すラブリーデイは大外の試練である。GⅠの中でも、もっとも枠順が注目される一戦とあれば、人気にも少ならず影響を及ぼしそうだ。

しかし、けなげな穴党は重箱の隅をつつく。エイシンヒカリは果たして本当に逃げられるのか? なにせ昨年のこのレース。エプソムカップ、毎日王冠でいずれも逃げ切り勝ちを収めた同馬は、きっとここでもハナを奪うものと期待されていた。それ込みでの2番人気である。ところが、いざゲートが開いてみれば、なんとクラレントの番手にすっぽり収まってしまったではないか。スタンドがどよめいたのも無理はない。しかも超スローペースの恩恵を受けながら10着大敗である。ファンにしてみれば消化不良の敗戦だった。

実は武豊騎手はJRAのGⅠレースでは滅多にハナを主張しない。GⅡやGⅢ、あるいは地方のダートグレードレースでは何度も逃げ切っているのに、JRAのGⅠでの逃げ切り勝ちは意外にも今年の春の天皇賞が初めてだった。ただし、その春天にしても、直線ではいったんカレンミロティックに半馬身ほど交されたところを、ゴール寸前で差し返して勝ったもの。JRAのGⅠレースを70も勝っていながら、スタートから一度も先頭を譲らずに逃げ切った例はないのである。

ただ、あの事故が無ければ、GⅠの逃げ切り勝ちが彼のキャリアに刻まれていたことは間違いない。言うまでもなく、1998年秋の天皇賞。あの時のサイレンススズカも、そういえば1枠1番からのスタートだった。果たして今年のエイシンヒカリはどうか。

Hikari 

東京の芝2000mはスタートして100mほど走っただけで2コーナーを迎えるため、外枠は不利が定説となっている。外枠に先行馬が入った場合、騎手とすれば内側に進路を取らざるを得ない。その距離のロスが不利だというのである。ただし、その場合、もともと内側にいた馬も進路が狭くなったり、前後の馬と接触する可能性もある。しかもコーナーに入ったところでは、急速にペースが落ちるもの。渋滞を引き起こした馬群の中では、内も外も関係なくアクシデントが起きる。

かように東京の2000mでは内枠だって不利を被る可能性は高いのである。いや、場合によっては外にいることで、却って不利を受けずにすむこともあるかもしれない。ただひとつ言えることは、内枠を引いた逃げ馬に枠順上の不利がないこと。とはいっても隣近所に同型の逃げ馬がいれば、多少無理してでも前に行かなければならない。果たして今年のクラレントはどう動くか。

Symbori_2 

「東京の2000mは外枠不利」はファンの間では枯れた格言だが、これは下級条件も含めた話。「総じて」のエクスキューズを忘れてはならない。その証拠に過去10年の秋天のうち、12番枠と14番枠からそれぞれ2頭ずつ計4頭の勝ち馬が出ている。シンボリクリスエスは大外18番枠から連覇を成し遂げた。そも一般レースと古馬最高峰の戦いでは、レースの激しさからして違う。枠順にとらわれることなく、天皇賞馬の名に相応しい、強い一頭を選びたい。

 

***** 2016/10/27 *****

 

 

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2016年10月26日 (水)

きしめんの日

人形町界隈を歩いていたら、唐突に「きしめん」の4文字が目に飛び込んできた。実は、先週名古屋競馬場に行く予定だったのが、つまらぬ仕事のせいでキャンセルさせられたばかり。きしめんを食べて、せめて“名古屋感”だけでも味わっておきたい。

Suzukiya 

きしめんは単なる平たいうどんだが、国によってちゃんと規格が定められている。幅は4.5mm以上で厚さは2mm未満。これを満たしていなければ「きしめん」と呼ぶことはできない。その呼び名の由来には、江戸時代に紀州藩から贈られた「紀州めん」がなまったという説や、尾張藩主が好んで食べた、キジの肉を入れた「きじめん」が転化したなど様々。ともあれ、江戸時代には現在の形が完成されていたという。

本場名古屋のきしめんは、削り節とたまり醤油で独特の味付けがなされているが、こちらの『寿々木屋』のきしめんは、薄口醤油の透き通ったダシ。できれば本場感を味わいたかったのだが、こればかりは仕方あるまい。トッピングの天ぷらにはむしろこちらの方が合う。うん、美味い。

Kisihimen 

続いてビックカメラに立ち寄るため有楽町へ。

そんでなんとなく交通会館をウロついてたら、地下街の『おかめ』という甘味処に「おでんきしめん」なるメニューを見つけた。なんだ、そりゃ?

Okame1 

他にも「おでん焼きそば」「おでん焼きうどん」なんていうメニューもあるが、これらは単にそれぞれを別皿にしたいわゆるセットメニュー。しかし、注文したおでんきしめんは、ちゃんとおでんときしめんが一杯の丼の中で融合していた。つまり、きしめんの具として、はんぺん、ちくわ、ゴボウ巻きといったおでん種が入っている。いや、ひょっとしたらその逆だろうか。ツユだくのおでんの中に、茹でたきしめんが投入されているのかもしれない。

Okame2 

逆を疑う余地があるということは、特段のキワモノではないということでもある。実際、味は想像の域を出なかった。特筆するほど美味いというわけでもない。ただ「おでんきしめん」という語感にはなんとなく惹かれるものがないか。これが「おでんうどん」や「おでんそば」であれば、メニュー名だけを見て食べよう気には、きっとならないと思う。

ちなみに、今日10月26日は「きしめんの日」なのだそうだ。たまにはきしめんも悪くない。立て続けに2杯も平らげた私としては、しばらく遠慮したいけど(笑)

 

***** 2016/10/26 *****

 

 

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2016年10月25日 (火)

縁ある馬たち

自分の馬や知り合いの馬がことごとく回避してつまらん!……とか言いながら、なんだかんだ今日も大井に来ております。

Ooi 

すると5レースの出走馬に見知った血統を見つけた。3番人気コントロールタワーの母・コーブライミーの母系には馴染みがある。南関ファンなら重賞2勝のミヤサンキューティの牝系と聞けば、身近に感じるのではあるまいか。さらに同じレースの2番人気アルーリングトーンは、社台での1歳募集時に買うか買うまいか私がギリギリまで悩んだ1頭だ。「知ってる馬がいない」などとふて腐れても、注意深く見れば縁のある馬はいくらでもいるのである。ダテに何十年と競馬を見てきたわけではない。

Control 

中でも嬉しい一頭を見つけた。メインの準重賞・スターバーストカップに出走するウマノジョーは、かつて私が一口持っていた馬の妹の産駒。つまり甥だったりする。

「なんだ。一口持っていた馬の“子”じゃないのかよ!」

そんな突っ込みが聞こえてきそうだ。だが、直接の産駒となれば、私だって普段からチェックしているから、その動向を見逃すことはない。“甥”くらいの間柄だからこそ、こういう不意の邂逅に驚くこともできるのである。さらにこのレースをウマノジョーがあっさり勝ったものだから、驚きも2倍に膨れ上がった。

Joe 

こうなるとウマノジョーの今後が気になって仕方ない。なにせこのレース、2年続けてダービーグランプリの優勝馬を送り出しているのである。一昨日ドラゴンエアル。昨年はストゥディウム。果たしてウマノジョーは「3年連続」の記録に挑んでくれるのだろうか。

ウマノジョーの父・ウイングアローは、圧倒的人気を背負って臨むはずだったダービーグランプリで、よもやの降雪中止の憂き目を見た。レースは順延。だが、一度ピークに仕上げられた体調を維持するのは簡単ではない。実際、1か月後に仕切り直されたレースでは、早めに動いたナリタホマレをわずかに捕え切れず、GⅠタイトルを逃した。その悔しさを息子が晴らしてくれるかもしれない。

2012年のウイングアローの種付け実績は6頭のみ。うち1頭の配合相手・トランスパランスが産んだのがウマノジョーである。もし彼がダービーグランプリを制することがあれば、なかなかの奇跡であろう。そこに私に縁のある牝系が関わるかもしれない。そう思えただけで、今宵は満足。ぶつぶつ文句を言いながらではあったが、競馬場に来ればなんだかんだ良いことはある。

 

***** 2016/10/25 *****

 

 

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2016年10月24日 (月)

逆輸入騎手の挑戦

今日と明日は大井に行こうと思って、前々から予定を空けておいた。

今日は知人の所有馬が2頭。明日は知人の馬1頭に加え、なんと久しぶりに私の所有馬の登録もある。そうなれば2日間とも大井に行かねばなるまい。そのために、この土日はつまらない仕事に時間を費やし、遊びの誘いも徹底して断り、この月火に賭けてきたのである。それで、念のために確定枠順を確認したら、

4頭とも出馬表に名前がない……。

まじ?

除外ではない。よりによって4頭とも回避である。

疲れが抜けない。追い切り後の息の戻りが悪い。歩様が硬い。除外の理由は様々だが、まあこのあたりの理由なら理解もできる。だが、残る1頭は「血液検査をしたら肝機能の数値が悪かったから」だという。

なんじゃそりゃ? 前の晩に飲み過ぎたんじゃないのか?

γ-GTPの数値が常に200を行ったり来たりの私からすれば、多少数値が悪くても、「ウコンの力」飲んどきゃ大丈夫だろ?―――なんて軽口を叩きたくもなるのだが、聞けば競走馬としてはあまり笑える話ではないそうだ。馬主に話を聞いたら「引退も」という言葉が出てきてドキッとした。そりゃ失礼しました。ちなみに現時点では体調も回復して、乗り運動も再開したとのこと。深刻でないことを願う。

Dsc_000007 

一方、深刻なのは私の2日間である。目当ての馬はいないが、秋晴れの一日を、自宅で飼い犬と一緒にTV番組を観ながらゴロゴロして過ごすわけにはいくまい。それでムキになって、1レースに間に合うようにやって来たら、出馬表に藤井勘一郎騎手の名前を見つけた。

Fujii1 

藤井騎手は日本人だがJRA所属でもNAR所属でもない。主な拠点は豪州やシンガポール。現地ではなぜか「Joe(ジョー)」の愛称で知られる。韓国での騎乗経験も豊富で、コリアダービーの優勝経験もあるれっきとしたダービー・ジョッキー。先月のコリアカップでは日本のクリソライトの手綱を取って優勝したばかりだから、名前を知っているという人も多いかもしれない。

日本初参戦となった昨年は、道営で119戦18勝。.151という高い勝率をマークした。果たして南関東ではどこまれやれるのか。その記念すべき初騎乗。これは見ておいて損はあるまい!―――なんて、無理やり盛り上げてます(笑)

そんな競馬ファン必見(?)の大井1レースは、1番人気のワイルドファイアが持ったまま後続に2馬身半をつけた。パイロの産駒で、ダーレーの生産馬で、馬主はモハメド殿下。もともとJRAでデビュー予定だった素質馬だと思えば、この相手なら勝って当然。せっかく見届けた身としては、ここから20連勝くらいして連勝記録を作って欲しい。

Wild 

藤井騎手の南関初騎乗は3着だった。内々で折り合って、直線で抜け出しを図ったまでは良いが、逃げ馬と勝ち馬に前が塞がれる痛恨の展開。あれがなければ2着はあっただろうか。ちょっと大事に乗ろうとしすぎたかもしれない。

Fujii2 

今日の大井のハイライトはこの1レース。ならば、これ以上居ても仕方ないから帰るとする。さて、明日はどうしようかなぁ。

 

***** 2016/10/24 *****

 

 

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2016年10月23日 (日)

GⅠ馬の除外

以前からちょいちょい報じられていたから驚きはなかったが、産経大阪杯が来年からGⅠに昇格することが正式に発表となった。むしろ驚いたのはその名称である。その名も「大阪杯」!

強調したのには理由がある。かつてのNHK杯は「NHKマイルカップ」に、そして高松宮杯は「高松宮記念」に。「~杯」と名の付く重賞は、GⅠ昇格と同時に名称変更されてきた。「大阪カップ」や「大阪記念」でなくてよいのか。レースの名前がコロコロ変わってはファンの愛着が……云々。そんなことを先日も書いたばかりだが、今回JRAは「大阪杯」の名を敢えて残した―――。心優しい競馬ファンなら、きっとそう捉えてくれるに違いない。

そんなことはさておき、もうひとつGⅠ昇格が有力視されるホープフルSも含めると、JRAの平地GⅠレースは年間23競走。これに障害とダートグレードを加えると、年間36ものGⅠレースが乱立することになる。ひと月あたり3レース。このまま増え続ければ、GⅠが毎週行われるようになる日もそう遠くあるまい。

グレード制導入後のGⅠレースはチャンピオン決定戦だった。牡馬ならそれは種牡馬へのパスポートを意味する。しかし今ではGⅠをひとつ勝ったくらいでは、種牡馬入りは約束されない。なにせ下手すりゃ毎月3頭のペースでGⅠ馬が誕生する時代である。GⅠをいくつ勝ったか。そこに異なるカテゴリのGⅠは含まれるか。それが今後の評価のポイントとなろう。なんのことはない、グレード制導入以前の昔の競馬に戻っただけだ。

折しも生産頭数漸減の昨今である。種牡馬の需要だってそんなにあるわけでもない。競走年齢は伸びる一方。GⅠタイトルを持つ現役馬は当然のごとく増殖し、「GⅠ馬10頭の豪華メンバー」といったフレーズは陳腐なものに成り下がる。

さらにはGⅠ馬であっても目標とするレースを除外されるケースも出てこよう。実際、過去には皐月賞馬ダイワメジャーが、天皇賞秋を除外されるという事態も起きている。たとえGⅠ馬でもトライアルからメイチ勝負。これはファンには朗報かもしれないが、関係者にすればたまったものではあるまい。

Mornin 

選定馬が発表されたばかりのJBCでは、クラシックにおいてJRAのモーニンとキョウエイギアが補欠の憂き目を見た。JBCに関してはJRA枠問題も絡むので、根本の部分は異なるのだが、「GⅠ馬の除外」という観点に絞れば同じこと。今年のJRA最優秀ダートホースの最有力馬と、今年の統一ダービー馬が出られないことは、とてつもなく理不尽に思える。だが、どちらも手にしたGⅠのタイトルはひとつだけ。それでは足りないのである。だからたとえGⅠ馬でもトライアルを勝つしかない。

Kyouei 

トライアルを負けて目標レースを除外濃厚なGⅠ馬が、適鞍を求めて仕方なく海外GⅠを目指す―――。

そんな日も近いかもしれない。時代はどんどん変わってゆくのである。

 

***** 2016/10/23 *****

 

 

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2016年10月22日 (土)

イクスクルーシヴが気になって

今から17年前、1999年の富士Sを勝ったのは、芦毛の牝馬・レッドチリペッパーだった。最後方から一気の末脚爆発。先頭に躍り出てから、さらに後続を3馬身突き放している。2着ブロードアピール、3着エイダイクイン。切れ味に勝る牝馬が上位を独占した。

Redchili 

レッドチリペッパーの血統表を見ると、4代母に Exclusive の名前が登場するが、一昨年の富士Sの覇者ステファノスは、実は6代母が Exclusive。15年を隔てて共に富士Sを勝ったこの2頭は、実は遠い親戚だったりする。

Stefanos 

一般的に Exclusive は、1978-79年に北米リーディングサイアーを獲得した Exclusive Native の母として語られることが多い。その名前は我が国では Exclusive Native の代表産駒である Affirmed を通じてかろうじて登場する程度。2010年の富士Sを勝ったダノンヨーヨーにも、2代母フローラルマジックの父・Affirmedを通じて Exclusive の血が流れている。

Yoyo 

かように Exclusive が気になって仕方ないのは、日本でそれほどメジャーな血統ではない割に、なぜか過去の富士Sの優勝馬の血統表にその名前を良く見かけることに加え、今年の富士S出走馬11頭の中にExclusive の血が流れる馬が2頭もいるからだ。しかもそれがロードクエストとフルーキーという有力馬なのだから、気になるのも無理はない。

Exclusive は「排他的な」という意味で使われることが多いが、「唯一の」とか「孤高の」というニュアンスに訳されることもある。そういう意味では唯一にして孤高な存在である「富士」の名を戴くこのレースに、何かしらの縁があったとしても不思議ではない。

……と、勘の良い読者諸氏はもうお気づきであろう。ロートクエストとフルーキーが、揃って大敗を喫したのは、私がこんな馬券を買っていたから……かもしれない。いや、きっとそうだ。

Baken 

それにしても、秋華賞のビッシュといい、今日のロードクエストといい、あそこまで負けるはずのない馬を負けさせてしまう私の馬券は、いったいどんな力を持っているのだろうか。以前は冗談で言ってたつもりが、ここまでくると冗談ではなくなってくる。人気馬に迷惑をかけたくはないが、かといって当たる見込みのない馬券は買いたくない。秋の競馬シーズンはこれからが佳境だというのに、困ったもんだ。

 

***** 2016/10/22 by SP *****

 

 

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2016年10月21日 (金)

ネット投票全盛の先に

日曜付のエントリ「金曜日のジレンマ」の中で、「来年のJBCの日程発表が遅い」「11月第1週のJRAは3(祝)、4(土)、5(日)の3日間開催でどうか」と書いたら、その翌日にJRAから来年の日程が発表となり、それを受ける形でJBCの日程も発表された。結果的には、その通りになったわけで、まずは一件落着。あとはその日程に粛々と従うのみである。

だが、いざ決まってみると新たな心配のタネが芽を吹いた。それはJBC3競走の発走時刻。かつての経験からすれば、たとえJRAのメインレースが1000万条件の河北新報杯であったとしても、JBCはそれに負ける可能性が高い。ならばJRAのメインが終わったあとに発走させるのが無難だが、そうなると今度は“ケツ”の問題にぶつかる。翌日にJRA開催がある場合のIPAT発売は17時11分まで。その縛りにはさしものJBCも逆らえない。

JBCが2レースだけならどうにか収まるが、3レースとなるとギリギリ。JBCレディスクラシック15時40分、JBCスプリント16時25分、JBCクラシック17時10分あたりが妥当なセンか。ただでさえ現場がてんやわんやになるJBCである。たった45分のレース間隔では正直心もとない。

かように地方競馬はIPATに振り回されてばかり。JBCの日程問題はその最たる例であろう。だが、ネットに頼らねば今の地方競馬は成り立たない。なにせ全体の売上の3分の2をネット投票が占める昨今である。こうなったら競馬でも、競輪やオートレースのような無観客レースを健闘してはどうか―――。ついに、そんな声さえ聞こえてきた。

2011年に小倉で始まった「ミッドナイト競輪」は、21時からの開催で車券はネット投票のみ。無観客にすることで近隣対策は必要なく、警備や清掃などの人件費も大幅にカットできる。結果、目標を上回る黒字を計上したことから、今では小倉のほか前橋、青森、高知、佐世保などでも行われている。昨年からは飯塚オートレースでも「ミッドナイトオートレース」と題して、無観客レースがスタートした。

競輪やオートが無観客に走った大きな理由は、もっともコストがかかる自場での売上が、そのコストに見合わないからだ。それなら大概の地方競馬も同じこと。JRAとは異なり、その存在理由に「地方自治体の財源寄与」が謳われる地方競馬ではコストの無駄遣いは許されない。ネットでの馬券が売れれば売れるほど、無観客への風は強くなる。交通の便が悪い弥富への移転が噂される名古屋競馬場などは、すでに関心を抱いていたとしても不思議ではない。

Stand 

実は我が国の競馬史においても無観客レースが行われた記録はある。そう、それは戦時中のこと。1944年の第13回日本ダービーも一般客の入場は認められず、わずかな関係者だけが見守る中、「東京能力検定競走」として行われた。そのダービーに所有馬トキノチカヒを出走させていた菊池寛は、このダービーを観戦した数少ない一人。愛馬が9着に敗れるのを見届けたのち、周囲に「歓声がないと馬も走らん」と言ったとされる。たとえ勝っていたとしても嬉しくはなかろう。「無事是名馬」の金言を残した名士の言葉は重い。

 

***** 2016/10/21 *****

 

 

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2016年10月20日 (木)

変わり続けるレース名

浦和競馬場は夏を思わせる陽気だが、見上げる空は秋晴れ。昨日はここで埼玉新聞栄冠賞が行われた。

Urawa 

JRAのレース名には季節感を意識したものが多い。秋の代表例は先週の秋華賞であり、今週の菊花賞。日本の競馬が海外のそれと決定的に異なる点をひとつが、競馬に四季の移ろいを感じることができることにあろう。

顧みて、我が南関東ではレース名そのものから季節感を感じることはほとんどない。重賞ではニューイヤーカップ、桜花賞、スパーキングサマーカップの3鞍程度。秋を思わせるレース名は皆無である。秋華賞と菊花賞との間に挟まれた「埼玉新聞栄冠賞」が、そんな現状を象徴しているように思えてならない。

とある南関関係者が事情を説明してくれた。南関東の重賞は構成4場の思惑と相まって、施行時期の変動が珍しくない。そのたびにレース名に変更が生じていては、レース名に愛着が湧かないじゃないですか―――と。

実際、埼玉新聞栄冠賞も、創設当初は5月に行われていたのが、1998年に年末に移動となり、なぜかその1か月後の99年1月にも実施され、「今後は月イチで実施か?」などと騒がれた過去を経て、現在の10月に落ち着いている。これでは季節感を持たせたネーミングなど怖くてできない―――。なるほど。そう言われると「そうですか…」と返すしかない。

それでも、重賞以外の特別戦のネーミングは季節感満載なのである。この浦和の開催から拾ってみただけでも、錦秋特別、金木犀特別、神無月特別、女郎花特別、秋嶺特別、秋風特別、メープル特別、陽月特別、秋陽特別、オパール特別、紅葉特別、という具合に、「秋」や「10月」にちなむレース名がズラリ並んだ。秋に関連するワードをネットで検索して、そのまま使ってるのではないかと思わせるほど。ここまで出揃うと逆に“やっつけ感”さえ漂う。

そもそも主催者はレース名にどれくらいの思い入れを持つものだのだろうか。埼玉新聞栄冠賞は、もともと「埼玉新聞杯」として91年に創設された。サクラハイスピードやマキバスナイパーも、その勝ち馬に名を連ねている。

ところが08年、埼玉新聞杯は突如「埼玉栄冠賞」へと名称変更された。同じ年には、テレビ埼玉杯も「オーバルスプリント」に呼び名が変わっている。その背景には、「冠社名+杯」という安易なレース名への反対意見が主催者側にあったとされるが、11年にオーバルスプリントが「テレ玉杯オーバルスプリント」に、12年には埼玉栄冠賞は「埼玉新聞栄冠賞」と変更されたことで、テレビ埼玉と埼玉新聞の名は、再びレース名にその姿を現した。ボランタスは「埼玉栄冠賞」の優勝馬で、ガンマーバーストは「埼玉新聞栄冠賞」の優勝馬。同じレースなのに、あー、ややこしい。

Eikan 

浦和に関しては―――ということになるが、どうもレース名に関する一貫性が感じ取れない。そう思うと、前出の関係者が語った「理由」も話半分に聞いておいた方がよさそうだ。次開催の重賞は浦和記念。そういえば、この浦和記念も突然「彩の国浦和記念」と呼び始めたかと思ったら、いつの間にか元に戻っていた経緯がある。理由は知らされていない。レース名への愛着を云々する以前の問題であろう。

 

***** 2016/10/20 *****

 

 

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2016年10月19日 (水)

栄冠の行方

埼玉新聞栄冠賞は、3頭出しの地元小久保厩舎勢に、社台&サンデーのクラブ所有馬3頭が対峙する構図。小久保厩舎の3歳馬ベルゼブブが1番人気。一方、2~4番人気は社台&サンデーが占めた。

本来なら社台のタイムズアローが抜けているはずなのである。報知グランプリカップを勝ち、マーキュリーCでJRA勢を抑えて2着した実績は明らかに格上。だが今回は主戦の真島騎手がカカトの手術を受けるため騎乗できない。普段から調教パートナーを務める西村騎手へのスイッチが不安視されたのだろうか。2番人気。

クラージュドールは東京記念に出走予定だったのが、直前に右前球節が腫れて急遽ここへ予定変更。アウトジェネラルも不調を理由に大井記念をパスしてから、北海道のノーザンファームで一から立て直しを図ってきた経緯がある。社台&サンデーの3頭とも、どこかしらに不安を抱えていることが、3歳馬に1番人気を譲った理由かもしれない。

ところが、レースは思わぬ展開を見せた。

ゲートが開くなり、ベルゼブブが出ムチ連発でハナに立つと、そのまま後続をどんどん引き離してゆくのである。浦和1900mには珍しい縦長の展開。「もう一周あるの分かってんのかな?」。1周目のゴール前では早くもそんな声が聞こえてきた。案の定、ベルゼブブは3コーナー手前でいっぱい。1着タイムズアロー、2着クラージュドール、3着アウトジェネラル。終わってみれば社台&サンデーが表彰台を独占した。

勝ち時計2分02秒0は、奇しくも去年のこのレースと同じである。ただ、去年はカキツバタロイヤルの逃げ切り勝ちだった。馬場状態も同じ良馬場。そこで昨年と今年のスタートからのラップを比較してみる。

【2015年 カキツバタロイヤル】
6.5- 11.3- 13.8- 13.3 (上がり37.7)

【2016年 ベルゼブブ】
6.5- 10.6- 12.1- 12.9 (上がり42.7)

テンの100mは両者同じ6秒5。ただ、出ムチを振るって勢いのついたベルゼブブは、そこからの3ハロンで35秒6という猛ラップを刻んだ。逃げ切りを狙うならば、カキツバタロイヤルのように38~39秒くらいに落としたいところ。これでは大差しんがり負けも仕方ない。

結果的に勝ったタイムズアローには願ってもない展開となった。縦長のバラけた展開なら進路が塞がることもない。いずれ前は止まる。慌てず、ゆっくり。バテた馬を一頭一頭交わしていけばよい。

Timesarrow 

かつて所属していた荒尾のみならず、韓国でも重賞を勝っている西村栄喜騎手も、実はこれが嬉しい南関東重賞初制覇。名前に「栄」の一字を持つ西村騎手にとって、初重賞が栄冠賞になったのも何かの縁であろう。ゴール板をかなり過ぎてから飛び出たガッツポーズに、荒尾廃止からの時間を感じた。

 

***** 2016/10/19 *****

 

 

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2016年10月18日 (火)

GⅠ当日の最強馬を目指して

今日の浦和7レースを勝ったのは野沢憲彦騎手のアミフジタイカン。5番人気ながら後続を4馬身千切る圧勝だった。

Urawa 

父・ファルヴラブ、母・セドゥクティーバ(母の父・アグネスタキオン)。

出馬表にはそこまでしか書いてない。だが、調べてみると母の母、すなわちお祖母さんはゴールデンチェリーとある。地方名古屋所属ながら、2000年のクラスターカップを制した快速牝馬だ。

ゴールデンチェリーは Crafty Prospector 産駒の外国産馬として1996年の秋にデビューを果たしている。2戦目の新馬を勝ち上がったが、芝での勝利はこれが最後。通算7勝のうち6勝はダートでのものだ。

Cherry 

ダートで活躍し、しかも関西馬である彼女がなぜ私の印象に残っているのか?

思い当たる理由を二つ挙げることができる。ひとつは、勝つときは実に強い勝ち方をすること。そしてもうひとつは、なぜかGⅠ当日のレースに滅法強かったことだ。

たとえば初勝利の新馬戦はファビラスラフインが勝った秋華賞当日の京都3R。5馬身差圧勝の天王山特別はマチカネフクキタルの菊花賞当日の京都8R。武豊騎手の手綱で勝ったウェルカムSは、ピルサドスキーのJC直前の東京9Rだった。GⅠ当日の競馬場に漂う、あの独特の雰囲気を馬自身が喜んでいたのだろうか。ともかく、私がたまたま京都に行っていた日のレースを勝つのだから、印象に残るのも無理はない。

スピードを持つ母系からは、いつか大物が出る―――。

これは私の持論でもある。アミフジタイカンにも今日の勝利を飛躍のきっかけにしてもらいたい。GⅠに出てくれとまでは言わない。GⅠ当日のレースで結構。そうすれば、お祖母ちゃん譲りの激走が見られるかもしれない。

 

***** 2016/10/18 *****

 

 

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2016年10月17日 (月)

見えにくい節目

先月18日の阪神4R。勝ったメイショウヤクシマの手綱を取った武豊騎手にとって、これが通算4000勝目の節目の勝利となった。

セレモニーでは「デビュー時からというより、父の代からお世話になっているオーナーの馬なので、父も喜んでいると思う」とコメント。直前に亡くなった父の邦彦氏を引合いに出すあたりが、いかにも武豊騎手らしい。しかし、私が「おや?」と思ったのは、その直後の言葉である。

「次はJRAの4000勝もしたい」

JRA4000勝?

それを、たったいま達成したんじゃないの? そのセレモニーじゃないのか?

ひょっとしたら「5000勝」と言うべきところを間違えたのかもしれぬ。だが、武豊騎手に限って、そんなしょうもない間違いをするはずがない。

そんな具合にひとり混乱していたら翌日の新聞紙面が答えを教えてくれた。JRA主催競馬場での通算勝利数にJRA所属馬の手綱を取って参戦した地方や海外の勝利数を加えた数字が「4000」だというのである。なーんだ。

つまり、JRAが主催する競馬の勝利数は4000に達していない。あの4Rを終えた時点で3835勝である。それにJRA所属馬で臨んだ地方での154勝と海外の11勝を加えると「4000」だというわけ。

ところが、JRA所属でない馬で掴み取った地方での29勝と海外の102勝はここでは加算されない。シーキングザパールで勝ったモーリス・ド・ゲスト賞はカウントするけど、スキーパラダイスで勝ったムーラン・ド・ロンシャン賞はカウントしない。一般のファンには分かりにくい話であり、コアなファンには理解しがたい話であろう。こんな意味不明なことをやっているのは、世界でも日本だけではあるまいか。

Kizuna 

主催者ごとに馬のレベルが大きく異なる地方や外国の競馬の、競走馬の勝利数記録を同じ土俵で論じることに慎重であるべきことは分かる。だが、どのようなレベルの競走であれ、勝利を目指して馬を操るという騎手の評価において、JRAと地方・海外との間にさほどの差異があるとも思えない。いやむしろ、JRAを上回るレベルの争いが展開されている競馬場もあるではないか。だからこそ、武豊騎手は鞭一本で世界中の競馬場を飛び回っているのである。

Uchida2 

先々週土曜、内田博幸騎手が通算1000勝を達成した。これはJRA競馬場だけの数字のはず。しかし、彼は地方所属時代にJRA所属馬に乗っていくつもレースを勝っている。先日の武豊騎手と同じ計算法なら、もっと早く「1000勝」を達成していたことにならないか。「1000」とか「4000」という節目の数字は誰もが分かりやすい。だからそれを祝うのである。それを様々な条件で分かりにくくするくらいなら、無理して祝う必要もない。

武豊騎手のセレモニーで掲げられていたプラカードには、「祝 武豊騎手 JRA・地方・海外通算 4000勝達成」と書かれていた。だが、これはウソである。JRAと地方と海外の勝利数を単純に合算すれば、あの時点で4133勝を彼は挙げていた。「JRA式計算やね」と武豊騎手は苦笑いしたそうだが、こういうおかしな問題が沸き起こるのも、世界を股にかけて活躍する第一人者ゆえであろう。

 

***** 2016/10/17 *****

 

 

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2016年10月16日 (日)

金曜日のジレンマ

おとといの金曜日のこと。明るいうちから大井競馬場に足を運んだ。上空は絵に描いたような秋の空。ナイターの季節もそろそろ終わりですね。

Sky 

ただし、この日は大井のレースが目的ではない。目の前のレースは眺める程度に留めて、私がやってきたのはこちらのモニタ。

Monitor 

歴史と伝統を誇る笠松の重賞・岐阜金賞は、東海地区3歳3冠路線の最後の1冠。JRAで言えば菊花賞ということになる。過去の優勝馬にはミツアキサイレンスやオオエライジンなど全国レベルの強豪も名を連ねると思えば、やはり馬券を買って参加したいもの。しかし、今日は金曜日だからIPATの地方発売は行われない。となれば、こうして大井までやって来るしかないのである。

そういう客が多いのか、モニタの下には意外に大勢の人垣ができている。ジャパンダートダービーや黒潮盃のような交流レースが普通になり、聞いたことがある馬が出走しているせいもあるのだろう。私も、JDDに遠征してきたキタノアドラーブルを買ってみたが、エイシンニシパの強さには歯が立たなかった。

この日は園田でも重賞が行われた。今年56回目を迎える姫山菊花賞は、その名の通りJRAで言えば菊花賞……ではない。古馬の地方交流戦。地元馬7頭に加え、笠松から3頭、名古屋から1頭、船橋からも京浜盃馬オウマタイムが出走して、総勢12頭が1700mを競う。私が買ったのは笠松のディーセントワーク。ジョッキーは名古屋の岡部誠騎手である。ディーセントワークはJRA時代に園田に遠征して、8馬身差の圧勝を収めた。それをみんな知らないんだな。単勝は21倍もつくゾ。へっへっへ……。

Baken 

なんてほくそ笑みながら眺めたレースは地元園田のサウスウインドが逃げ切ってしまった。鞍上は高知の赤岡修次騎手。よほど余裕の勝利だったのか、来月の名古屋の東海菊花賞を使って、年明けは川崎の報知オールスターカップというローテーションまで発表された。

こうして書いてみて、あらためて思う。かつてに比べて、地方競馬間の垣根は格段に低くなった。馬は適鞍を求めて全国各地を転戦し、騎手もムチ一本で全国を飛び回り、我々は大井にいながら他地区の馬券を買って、その映像を見ることができる。もはや目の前のレースだけに汲々とする時代ではない。

むろんIPAT会員なら大井に来る必要さえないのだが、金曜日に限ってはそうもいかない現実がある。JRAの事情で、金曜日にIPATの地方発売が実施されることはない。その縛りが、金曜に重賞を開催することの多い笠松や園田を悩ませる。

実は同じ悩みを、ここ大井も抱えているのである。来年のJBCが大井で実施されることは今年の2月に発表済み。例年ならそのタイミングで日程も発表となるはずのに、来年の日程はいまだに発表が無い。なぜか。有力候補日の11月3日が来年は金曜日にあたるのである。金曜日ではIPATによる発売は期待できない。だからと言って、水曜あたりのナイターにすると今度は各地の競馬場での場外発売に支障をきたす恐れがある。いやはや困った。

個人的にはJRAが福島&京都、福島&東京、東京&京都の3日間開催としてIPAT発売とすればよいと思うのだけど、それにしたところで各方面との調整は必要だ。11月の1週目はJRAも何かと忙しい時季でもある。金曜日の重賞を楽しみながら、金曜日のジレンマを思った。

 

***** 2016/10/16 *****

 

 

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2016年10月15日 (土)

とり天の愉悦

東京競馬場は先週から本場開催が始まっているから、入場時に200円を支払う必要がある。ただ、9時半に競馬場を出なければならない私は、レースはおろかパドックさえ見ることが許されない。馬券を買うだけなら場外発売日と同じはず。いつもの如く、ぶつぶつ文句を吐きながら、入場門をくぐった。府中の空はまごうことなき快晴だが、私の心は薄雲がかかっている。

Stand 

馬券を買うだけは癪なので、食事もしていこう。それで例によって『馬そば深大寺』に立ち寄ると、新メニューが用意されていることに気付いた。

それがこちらの「とり天そば」(500円)。

Soba 

以前、別のお店が「鶏天そば・うどん」を出した時は、衣が柔らか過ぎる一方で、鶏肉は固く、まるで一体感に欠けていたことを思い出す。だが、さすが「とりそば」をウリにする『深大寺』だけのことはある。鶏肉はとことん柔らかく、衣はしっかりとツユを抱えており、添えられた柚子胡椒のピリッとした香りを伴って、三位一体の美味さを見事に具現化させているではないか。新メニューとしては久々のヒットかもしれない。

調子に乗ってもう一杯。今度はうどん。

Udon 

本来、鶏天にはうどんが合うはず。ところが、先程の一杯と比べてみれば、そばの方が明らかに美味い。この辺りがまた不思議。そもそもここのダシがそばに向けて作られているのだから、それも当然と見るべきか。むろん、ここは好みの問題でもある。個人的には「とりそば」と「とり天そば」を融合させた「とりとりそば」の登場を待ちたい。

Ticket 

注文のたびに、レジのお姉さんがこんなチケットをくれた。この「とり天そば・うどん」は、恒例となったグルメグランプリの対象メニューだそうである。となれば、抽選に参加すれば少なくとも無料入場券がもらえるはず。これで入場時に払った200円がチャラになるのなら、入場料問題についてはそれでヨシとしよう。あとは馬券が当たれば言うことなし。「取り」に通じる鶏は競馬場の縁起物。これだけ鶏を食べたのだから、さきほど購入した秋華賞の馬券もきっと的中であろう。そう信じて明日のレースを待ちたい。

 

***** 2016/10/15 *****

 

 

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2016年10月14日 (金)

名騎手への登竜門

毎日王冠が行われた東京競馬場の最終レース終了後、今年も全国ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」が行われた。

詳細については、例によって田中哲実氏のコラム(第8回ジョッキーベイビーズ)をお読みいただきたい。そこで田中氏も触れられているが、今年の大会ではレース後も含めて落馬がなかったことがまず印象に残った。この決勝では、地区予選を戦った馬とではなく、抽選で割り当てられたJRA所属のポニーと急造のコンビを組むことになる。限られた時間の中で馬を手の内に入れ、信頼関係を築くことは容易ではない。

そもそもポニー自体が競走に慣れていないという側面もある。一所懸命に走るポニーもいれば、まっすぐ走れなかったり、急に走るのを止めたりするポニーも。だから、決勝での着順は気にするまい。最終レース後も競馬場に残って、ジョッキーベイビーズを観戦するお客さんは年々増えている。ファンファーレに合せた手拍子。ゴール前の歓声。そしてウイニングランへの拍手。どれも本物のレースと遜色ない。子供たちにとっては夢のような時間であろう。

それでも優勝者の紹介はしておこうか。今年は九州地区代表の上薄龍旺君(12歳)が優勝を果たした。好スタートを決めるや内ラチ沿いを一直線に加速。まっすぐまっすぐ走り続け、4馬身差で逃げ切って見せた。

Jb1 

「まっすぐ走れてよかったです」

まっすぐ走ったのも素晴らしいが、最後まで馬をしっかり追えていたことが凄い。御実家は、鹿児島県薩摩川内市内で馬と牛を飼う牧場を経営されているそうだ。毎日仕事の手伝いをする中で、牧場や畑の中で馬に乗ってきたという。将来の夢を聞かれて「牛飼いかジョッキーか迷っています」と答える姿に驚かされた。こんな立派な12歳がいるんですね。自分の12歳の当時は、遊ぶことしか考えてなかった気がする。あぁ、恥ずかしい。

Jb2 

さて、ジョッキーベイビーズも今回が迎えて第8回目。当初は、東京以外の予選は北海道や長野など、乗馬が盛んな地域のみで行われていたが、回を重ねる度に規模が拡大し、今年ついに沖縄予選が加わった。これでようやく「全国選手権」の名に相応しい大会になったと言えよう。

と同時に、優秀な「騎手の卵」の登竜門的な大会にもなりつつある。今年デビューした新人ジョッキーの中でトップの勝ち星を挙げている木幡巧也騎手は、第1回のジョッキーベイビーズに出場していたし、3年前のこの大会優勝の斎藤新君はこの春JRA競馬学校騎手課程に入学したばかり。武豊Ⅱ世がこの中にいるかもしれない。誰よりも早く将来の名ジョッキーを見出したいという向きには、ガチンコの争いが繰り広げられる予選からジョッキーベイビーズに注目することを強くおススメする。

 

***** 2016/10/14 *****

 

 

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2016年10月13日 (木)

しかとの季節

秋華賞が誕生して20年。3歳牝馬の秋の目標としてすっかり定着した感がある。エアグルーヴを追い掛けて京都へ飛んだあの当時、私もまだ若かった。

Shuka 

私のスマホの漢字変換でも「しゅうかしょう」と打てば「秋華賞」とただちに表示されるのだから凄い。たしか前の機種では、こうはならなかった。「あき(変換」)、「はな(変換)」、「しょう(変換)」と、一文字ずつの変換を余儀なくされていた記憶がある。なにせ20年前までは、「秋華」という言葉を大半の日本人は耳にする機会がなかった。

中国の詩人・杜甫の「泰州雑詩」の中に「秋華危石底 晩景臥鍾邉」と登場する―――。

JRAの最初の説明はそうだった。が、そう言われて、「ああ、あれか!」と膝を打った日本人が、果たしてどれだけいただろうか。たしかに格調は高そうに聞こえるが、いかんせん普通の競馬ファンには馴染みが薄すぎた。今でも世間一般には、「秋華」という言葉は競馬のレース名でしかない。

本来「秋華」は文字通り「秋の花」の意味を持つ。だが、京都に色づく秋の華と言えば、もみじ(紅葉)を連想する向きも多かろう。実際、「秋華」という品種のもみじもある。黄色地に赤く縁取りしたような色合いが特徴だが、実は最近発見された新種だという。その歴史は15、6年程度だというから、ひょっとしたら競馬の秋華賞にちなんでの命名ではあるまいか。なにせ「秋華」という言葉は、多くの日本人にとって競馬のレース名でしかない。くどいようだけど。

Hanafuda 

「もみじ」には「鹿」が欠かせない。花札に描かれたもみじと鹿の絵柄を持ち出すまでもなかろう。猿丸太夫は「奥山に紅葉踏み分けなく鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき」と詠んだ。鹿肉は別名「もみじ」とも呼ばれる。もみじと鹿の組み合わせは、古くから好まれている日本の秋のイメージそのものだ。

こうなると、秋華賞はビッシュ(=雌鹿)で決まりのような気がしてこないか。

なにせ、ビッシュを管理するのは鹿戸調教師である。花札の「もみじと鹿」は10月の札。その絵柄で鹿がソッポを向いているところから、鹿十(しかとお)つまり「シカト」という俗語が生まれたという説はあまりに有名。もはやビッシュ本命は揺るぎようがない。ただし、的中の女神にシカトされてしまうという不安も併せ持つのだが……。

 

***** 2016/10/13 *****

 

 

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2016年10月12日 (水)

静かなるゴールドシップ

先日、オータムセールのついでに、ゴールドシップを見に行ってみた。繋養されているビッグレッドファームまでは、セール会場から15分とかからぬ距離。せっかくの晴天でもある。なにせ前回会いに行った時は、災害を心配するほどの豪雨だった。

平日だというのに、すでに数人の見学者が来ているようだ。さすが人気者。車を降りてなだらかな坂を降りてゆくと、パドックで青草を食む白い馬が目に入ってくる。それをカップルと思しき男女が眺めていた。

が! よく見れば彼はゴールドシップではない。ふんじゃあ、誰か?

Joh 

答えはジョーカプチーノ。今年最初に行われた新馬を産駒のマイネルバールマンがいきなり勝って、その名を強烈にアピールした。昨年この世を去った父マンハッタンカフェの後継種牡馬として、彼にかかる期待は当然のことながら大きい。でも、今日私が見に来たのは彼ではない。

Ship1 

こちらがゴールドシップ。暑さを避けるようにパドックの木陰を行ったり来たりしている。せっかく晴れているのに……と多少がっかりしつつも、しかしその人間の勝手な期待を裏切るところが、現役当時から変わらぬ彼らしさでもあると思い直した。

今年の種付けは109頭だったという。思ったより少ない。そう思ったのは私だけではあるまい。菊花賞と天皇賞(春)を勝った奥手のステイヤーというイメージが強すぎるのか。あるいは気性の悪い印象がついて回っているのか。あるいはその両方か。

しかし冷静に成績を振り返れば、2歳夏の北海道でデビュー2連勝を飾った馬である。少なくとも父のステイゴールドよりは、はるかに早いうちから活躍していた。「奥手」という表現はあたるまい。

むしろ生産者が心配するのは気性の問題だろうか。大出遅れをしでかした昨年の宝塚記念。あの一戦だけで、良くも悪くも彼の「個性」がクローズアップされてしまった気がする。

ただ、こうして見ている限り、気性の悪さなど微塵も感じさせない。隣の放牧地でロージズインメイが大騒ぎしていても、向こうのパドックでアイルハヴアナザーが走り回っていても、ゴールドシップは平然と足もとの草を食べ続けている。前回訪問時に、集牧時にスタッフから逃げ回って手を焼かせる姿を見たときは、「ああ、これこれ。これぞゴールドシップ」と膝を叩いたものだが、驚くことにこの日はすんなりと口を取らせた。ここまで来るとさすがに心配になってくる。そういえば、見た目にもちょっと細目に映らないでもない……。

Ship2 

ひょっとしたらこっちがジョーカプチーノで、さっきジョーカプチーノだと思った方が、やはりゴールドシップだったのか?

―――なんてワケがない。こうした変化は種牡馬になりたての頃によくあること。仕事や環境の変化に、さすがのゴールドシップも多少のストレスを抱えたのかもしれない。心配は無用。むしろ今の姿を見れば、生産者の方々もゴールドシップに対する印象が変わるかもしれない。

芦毛の活躍馬が増えると競馬が盛り上がるのは周知のとおり。ゴールドシップの2世たちが誕生するのは来年の春。それで種付け頭数が増えるかどうか。プロたちの評価を待ちたい。

 

***** 2016/10/12 *****

 

 

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2016年10月11日 (火)

そしてレジェンドへ

先週土曜のサウジアラビアロイヤルカップは、柴田善臣騎手のブレスジャーニーがダンビュライトを差し切ってゴール。馬はもちろん、管理する本間調教師にとっても、これが嬉しい初タイトルとなった。

Royalcup 

一部ではブレスジャーニーの出身牧場が話題となったが、そんなものは社会面に任せておけばいい。競馬面で扱う必要はない。競馬面で伝えられるべきは善臣騎手の手綱捌きである。道中は離れた7番手。雨上がりの渋った馬場(発表は稍重)を思えば「ちょっと後ろ過ぎでは?」とやきもきさせたが、外野の心配をよそに、直線では見事に弾けてみせた。新馬戦から手綱を取り続けて3戦目。すっかり手の内に入れているのであろう。7月に50歳になったばかりのベテランは、「60歳まで頑張っちゃおっか!」とおどけてみせた。

―――
岡部幸雄 54歳1か月 ステイヤーズS(ホットシークレット)
増沢末夫 53歳11か月 セントライト記念(ストロングカイザー)
安藤勝己 52歳5か月 キーンランドC(パドトロワ)
―――

50代でJRAの平地重賞を勝った騎手は過去に3人しかいない。しかも、その3人ともが日本競馬史に名を残すレジェンド。50歳を迎えてなお現役ジョッキーを続け、しかも重賞レースを勝利するというのは、これまでなら極めて稀な出来事だった。

だが、時代は変わりつつある。

なぜそう言えるのか。JRAの騎手ランキングを見て欲しい。6位・内田博幸(46歳)、8位・武豊(47歳)、9位・蛯名正義(47歳)。若手、あるいは中堅だと思って応援してきた彼らにも、気づけば50歳の大台が近づいているのである。私もトシをとるわけだ。

加えて横山典弘(19位・48歳)、小牧太(26位・48歳)らも健在。勝ち星は減らしても、こと重賞となれば存在感を感じさせる。野球やサッカーで48歳の現役選手は、その存在だけでレジェンド足り得るが、少なくともジョッキー界ではもはや珍しいことではない。彼らはまだまだ第一線で活躍する。数年後には50代の重賞勝利記録は次々と塗り替えられるに違いない。

先日のオータムセールでは「武豊は60歳を超えても乗ってんじゃないの?」という話題も出た。そうなってこそ本物のレジェンドである。本人が狙っているかどうかはともかく、今は引退のことなど微塵も考えてはいまい。昨日の京都大賞典の騎乗ぶりも見事だった。驚くべきことだが、いまだ進化を続けているように思えてならない。

そういう意味では、南関東には本当のレジェンドがいる。石崎隆之騎手と的場文男騎手。ともに60歳。彼らからすれば47、8歳の騎手など、まだまだ若造であろう。そんな二人の対決が、明日の東京記念で実現する運びとなった。これは見逃せまい。もしワンツーフィニッシュなんてことになれば、我が国競馬史に残る歴史的な出来事だ。

 

***** 2016/10/11 *****

 

 

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2016年10月10日 (月)

ファミリーヒストリー第4章

ノーザンホースパークの乗馬厩舎前のパドックにポニーと一緒に放牧されているのは、名牝・ウインドインハーヘア。

Wind 

アイルランド生まれの彼女は1994年のエプソムオークスで2着すると、翌年のアラルポカルではアラジの種を受胎しているにも関わらず優勝するという離れ業を演じる。1999年にデインヒルを受胎した状態で日本に輸入され、2002年に不世出の名馬ディープインパクトを産んだ。そして今はこうしてノーザンホースパークでポニーと一緒に放牧を楽しんでいる。彼女を見ていると、人生(馬生)の数奇を思わずにはいらない。

彼女が来日する前年に産んだシーキングザゴールドの牝馬も、日本にやってきて競走馬となった。それがレディブロンド。競走デビューはなんと5歳の夏だから驚く。普通なら繁殖入りしてもおかしくない。しかもデビューの舞台は1000万特別戦である。その格上馬を相手に勝ってしまうのだから、周囲が再び驚いたのも無理はない。そこからわずか3か月の間に怒涛の5連勝。勢いを駆って臨んだスプリンターズSは、デュランダルにコンマ2秒差の4着と初めての敗戦を喫した。しかし、これが重賞初挑戦、デビューから3か月半のキャリアを思えば、むしろ驚くべきであろう。彼女の競走人生は驚きの連続だった。

Lady 

その能力の高さを十分に示したレディブロンドは、この一戦を最後に引退。帝王賞馬ゴルトブリッツなどを送り出したが、2009年にアグネスタキオンの牝駒を産んだ後に死んでしまう。結果5頭の産駒しか残せなかった。しかも3番子のゴルトブリッツと4番子の牝馬アフロディーテも若くしてこの世を去っている。レディブロンドの血を後世に伝えるその糸は、この時点で2本のみ。いつ切れてしまっても不思議ではない。

Ladorada 

ラドラーダ(父シンボリクリスエス)はその細い糸を担う1頭。それでも、競走能力の高さや、「黄金の女性」を意味するその馬名には、母レディブロンドの面影が感じられた。JRAで4勝の成績を引っ提げて引退・繁殖入りしたのは5年前のことだ。

5r 

昨日の東京5レースの新馬戦を勝ったレイデオロ(父キングカメハメハ)は、そのラドラーダの2番子である。道中は馬群の中で折り合い、直線では重馬場を苦にせず力強い伸び脚を繰り出した。「落ち着いている」「良馬場の方が良い」「(距離は)もっと延びても大丈夫」。手綱を握ったルメール騎手も賛辞を惜しまない。馬名のレイデオロは「黄金の王」の意。ウインドインハーヘアから始まるファミリーヒストリーの第4章は、もう始まっている。

 

***** 2016/10/10 *****

 

 

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2016年10月 9日 (日)

男まさり

雨上がりの東京競馬場6レースは500万条件のダート1400m戦。水の浮く不良馬場をものともせず、外から2頭が豪快に追い込んでくる。スタンドからはGⅠの如き大歓声が湧き上った。なぜか。大外のラミアカーサを操るのが藤田菜七子騎手なのである。だがペルルクロシュ・柴山雄一騎手も引き下がらない。結局2頭は鼻面を並べてゴールした。

Nanako1

スタンドのざわめきは収まらない。内か? 外か? クビの上げ下げだな、こりゃあ。

ターフビジョンにストップモーション映像が流れると、その喧騒が静まり返る。内ペルルクロシュ、外ラミアカーサ。外がわずかに早くゴールラインを捉えていることが分かると、一転して拍手喝采が湧きあがった。

「実況席からはラミアカーサ優勢、とお伝えします!」

写真判定にも関わらず、場内実況がその優劣に言及するとは珍しい。それもこれも藤田菜七子の為せる業である。

Nanako2

検量に戻ってくるまで勝っているかどうかは分からなかったそうだ。「節目の5勝目です」。そう言って笑う菜七子騎手のその言葉には実感がこもっている。一方で「ずっと勝つことができずに苦しかった」と涙ぐむ場面も。4勝目を挙げてから4か月半。長かったに違いない。

Nanako3

だが、今日の勝利はこれまでとは違う。同じレースには戸崎圭太騎手と武豊騎手が出場していたのである。彼女はこれまで4勝を挙げているが、そのレースに彼らの姿はなかった。この2人を相手に初めて勝った。大きな自信となるに違いない。男どもを相手に颯爽とトップを取る姿は見ていて気持ちの良いもの。競馬場の「女傑」は馬だけを指す言葉とは限らない。

今日はメインの毎日王冠でも紅一点が輝いた。

11r

勝ったのはただ一頭の牝馬ルージュバック。牝馬の優勝はシンコウラブリイ以来23年ぶりだが、そもそも翌週に府中牝馬Sがあるのだから、毎日王冠に牝馬が出走すること自体が少ない。シンコウラブリイが勝った1993年当時、府中牝馬Sに外国産馬の出走は認められていなかった。だから、敢えて牡馬相手の毎日王冠に挑み、しかも勝った牝馬ということで言えば1987年のダイナアクトレス以来ということになる。

ルージュバックはこれが重賞3勝目だが、そのいずれもが牡馬相手。牝馬路線が整備された昨今では珍しい。男相手の方が力が出るタイプなのだろうか。

実はダイナアクトレスもそうだった。通算7勝。5つの重賞タイトルは、すべて牡馬相手に挙げたもの。あの年、毎日王冠を勝った彼女は、天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念と牡馬相の王道路線を走り抜いている。あれから29年を経た今年、果たしてルージュバックの進む道はどこか? 「女傑」とは「男まさり」の意。女同士でトップに立っても、それだけでは「女傑」とは呼べないのである。

 

***** 2016/10/09 *****

 

 

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2016年10月 8日 (土)

敗因

凱旋門賞から1週間が経つ。あの日、私はフジテレビのTV中継を見ていた。

発走直前、「1969年 スピードシンボリ 着外」というテロップが流れる。初めての挑戦から47年。するとなぜか「強いから勝つのではない。勝った馬が強いのだ」というナレーションが入って、スタート地点の映像に切り替わった。間もなく凱旋門賞のゲート入りが始まる。

Arc 

先日のオータムセールでも凱旋門賞が話題となった。勝つのは難しいと思ってたという意見が大半。その一方で、「14着は負け過ぎ」という声も少なからずあった。「何かあったのか?」と私に聞いてくる人までいる。

残念ながら私はマカヒキの敗因を知らない。知る人などいないのではないか。騎手も、オーナーも、調教師ですら首をかしげた。ニエル賞からの中2週のローテを敗因に求める声もある。だが、それなら勝った馬も同じ。ディープインパクトが負けた時は、前哨戦を使わなかったことが敗因だと叩かれた。

札幌の寿司屋の主人は「競馬にもチームプレーがあるんですね」と言う。1着~3着はチーム「バリードイル」が独占。たしかに今回のレースは彼らが思い描いた通りに進んだのであろう。他の客が「日本もチームで遠征しなきゃ勝てないよ」と言うので、私が「それならフルゲートの18頭で遠征すれば絶対勝てる」と返したら店中大笑いである。あながち冗談で言ったつもりもないのだけれど。

静内に戻る車でラジオを聞いていたら、たまたま凱旋門賞の話になった。マイクの向こうの専門家は「シャンティイの馬場は日本馬に合わなかった」と指摘している。「時計の速いシャンティイでなら日本馬に有利」とか「シャンティイでの代替開催は千載一遇のチャンス」などと、メディアはこぞってシャンティイの馬場を歓迎していたはずなのに、いざ終わってみればこのざまか。「時計が速い=日本馬に有利」という図式は必ずしも当て嵌まるものではない。

「もう凱旋門賞への遠征はやめたらどうか」

ついには、そんな声まで聞こえてきた。

しかし、日本馬の資質の向上を欧州に知らしめるためにも、凱旋門賞への挑戦はぜひ続けて欲しい。簡単なミッションではない上に、実は凱旋門賞が「世界最高峰」のレースではないことも承知の上で敢えて言う。47年間も続けてきたチャレンジを途中で諦めては、日本人の名がすたるではないか。これは矜持の問題でもある。

その47年前に日本人として初めて凱旋門賞に挑んだ野平祐二氏から、何度もこう聞かされていたことを思い出す。

―――
日本では勝つためにどうしたら良いかということばかり考えていたのに、向こうの競馬では「強い馬が勝つ」んです。私はミルリーフと対戦したことがありますが(※下注)、強い馬はどう乗っても強い。それを嫌というほど思い知らされました。本来、競馬は「強いから勝つ」と言わしめるものでなければならないのです。理屈ではなく実質的な強さ。有無を言わせぬ圧倒的な強さ。それを見せつける競馬をしなければ、勝ったことにはなりませんよ。
―――

馬券発売があったのだから、マカヒキの敗因を求める議論が盛り上がるのは当然だと思う。でも、一歩下がって日本代表としてのマカヒキを思ったとき、細かな敗因に固執するのは良くない。オルフェーヴルは中2週で2年続けて結果を出したのだし、エルコンドルパサーは相手の作戦などお構いなしに逃げた。シャンティイの馬場にしても、エイシンヒカリがイスパーン賞をぶっちぎったばかりではないか。本当に強い馬は、ローテーションも、展開も、馬場の違いも無関係に強いのである。

Longchamp 

だから「現地の馬場に合いそうな馬を選んで連れていく」という意見には反対だ。誰もが認める日本のチャンピオンが行くからこそ意味がある。普段の競馬であれば、フジテレビが言うように「勝った馬が強い」でも構わない。だが、凱旋門賞は事情が異なる。たまたま行ったら勝っちゃった、では意味がない。強いから勝つ―――。そんな日本の馬の姿を、いつか彼らに見せつけてやりたい。

(注:1972年のガネー賞でロンバートに騎乗し11着。ミルリーフが10馬身差で優勝)

 

***** 2016/10/08 *****

 

 

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2016年10月 7日 (金)

夏か、秋か

おととい終了したオータムセールの3日間の売上総額は15億2870万円(税抜/前年比1億6120万円増)、売却率71.8%(同5.9%増)。いずれも過去最高の数字を記録した。詳しくは私があれこれ書くより、「netkeiba.com」内のコラム「生産地便り(10/6付・オータムセール終了)」の中で、田中哲実氏が現場ならではの視点から詳述されているから、そちらを参照されたい。ともあれたくさんの売れたのは良かった。

巷が好景気に沸いているわけではない。ではなぜ売れたのか?

2011年から、サマーセールには上場されない「新規申込馬」をオータムセールの前半日程に固定し、サマーセールで売れなかった「再申込馬」を後半に回した。この日程改革が功を奏したのであろう。オータム前半日程のセリ名簿が早い段階で確定することで、購買関係者も早目に動き出すことができるようになったのである。

おかげで新しい馬主やJRA調教師らの来場数も増加。これまでなら落札しても一声が多かったのが、期せずして活発な競り合いが展開されるシーンも目につくようになった。それが落札額を押し上げ、その金額がさらに注目されてまた人が集まる。今回のオータームセールには、昨年を10%も上回る735人の購買者登録があった。そりゃあ駐車場も満車になるわけだ。

落札額の上昇は、予定頭数を買い揃えられぬバイヤーも生み出す。今回も「思うように買えないよ~」という嘆き節があちこちから聞こえた。「300万の予算で目を付けた馬が500万に競り上がってなって手を引いた」。「売れ残りを狙ってるのにぜんぜん残らない」等々。そういう人たちが、最終日まで残ってサマーセールからの転戦組を買ってくれる。この好循環が今のオータムセールの活況を支えている。

Sale 

思い返せば2005年の売上総額は5億3773万円。売却率も26.8%に留まっていた。4頭に1頭しか売れないのである。「売れ残り馬一掃セール」と揶揄されたあの当時から10年余り。オータムセールの様相は大きく変わった。

その変容ぶりについて行けてなかったのは、実は私だったりする。実は、サマーセールで主取に終わった生産馬を今回のオータムセールへ上場するにあたり、「この馬は最初からオータム狙いの方が良かったのでは?」という指摘を3人からいただいていたのである。それが、生産者、スタリオン関係者、育成業者というそれぞれのプロフェッショナルであるから、余計にその言葉が胸に刺さった。

売れるものなら早く売りたい。サマーセールからオータムセールまでの経費だってバカにならない。オータムセールなんかに出されたら買い叩かれるに決まっている―――。

そういう考えは捨てるべきなのである。1歳馬の成長速度は思いのほか速い。サマーからオータムまでの1か月半の間に馬は大きく変わる。もっとも良い状態の馬をバイヤーに見てもらう―――それも生産者の務めのひとつ。そこに思いの至らぬ私は、まだまだ勉強不足であろう。オータムセールは売れ残り馬のバーゲンセールなどではない。期せずして生産に対する思いを新たにした。

さらに嬉しい出来事がひとつ。セール会場で田中哲実氏に久しぶりにお会いできたことを書き添えておかねばなるまい。例によってキャップを前後逆にかぶり、望遠レンズを装着した一眼レフを抱えながら、忙しそうに撮影に走り回られている姿を見て、「ああ、私ももうちょっと頑張らなければなぁ」と、ここでも思いを新たにした次第。私は日高に行くたびに別の人間になって帰って来る。日高自体が私にとって良い薬のような場所なのであろう。

 

***** 2016/10/07 *****

 

 

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2016年10月 6日 (木)

新天地にて

秋の東京の開幕を飾るのは土曜の2歳重賞・サウジアラビアロイヤルカップ。

頭数は9頭と少ないが、新種牡馬の産駒2頭が興味をかきたててくれそうだ。ルーラーシップ産駒のダンビュライトと、リーチザクラウン産駒のセイウングロリアス。それぞれファーストシーズンサイアーランキングでは1位と4位だが、重賞レースが本格化するこれからの成績次第で、順位などいくらでも変動する。

初年度から200頭を超える相手と配合したルーラーシップの活躍はある程度見込まれていたが、リーチザクラウンの種付け数はその4分の1の53頭に過ぎない。初年度産駒はわずか34頭。だが、そこからJRAで既に12頭がデビューを果たし、5頭が勝ち上がっているのだから、生産界がざわめいたのも仕方あるまい。オータムセールに上場されたリーチザクラウンの産駒6頭はすべて落札。その人気ぶりを裏打ちしている。

もともと西山茂行氏の個人所有だったが、既に報じられている通り、同馬の権利の半分を社台グループが買い取った。ここ社台スタリオンにやってきたのは先月のこと。新天地での馬房がルーラーシップの隣だというのも、何かの縁であろうか。

Rearch1 

まだ、移動して間もないせいか、放牧中でもきょろきょろと落ち着かない。人が通ると、頭を上げてこっちを見る。そしてゆっくり近づく。こちらを見つめるその瞳は、まるで品定めでもしているかのようだ。微妙な距離を保ったまま、じぃーっと見ている。悪い奴らではなさそうだ。そう思ってくれたのだろうか。ふと、思い出したように突然ゴロンと寝ころび、豪快に砂浴びを始めた。なかなか可愛い(笑)

Rearch_2 

スペシャルウィークの代表産駒と言えばブエナビスタとシーザリオの名牝2頭。だが、他の産駒もほとんどが末脚勝負型がほとんどで、先行型は少なかった。そんな中にあって、リーチザクラウンはスペシャルウィーク産駒では珍しい先行タイプ。母の父シアトルスルーの影響もあるのだろう。控えても競馬はできたが、実際は平均ペースを好む逃げ馬に近い。悪く言えばワンペースだが、スピードに乗れば粘れる。あの泥田のダービーだって、いちばんきつい競馬を強いられながら、最後まできっちり粘っていた。

Rearch2 

2代母の父はミスタープロスペクターで、3代母の父がセクレタリアト。どこにでもいそうで、その実なかなかいない血統でもある。これが社台の良血牝馬と配合されて果たしてどんな子を出すのだろうか。いずれ社台RH・サンデーの募集馬にも顔を出してくる。その時に慌てないで済むよう、今のうちに産駒の特徴はきちんと掴んでおきたい。

 

***** 2016/10/06 *****

 

 

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2016年10月 5日 (水)

スタバにて

千歳界隈は雨が落ちてきました。台風が近づいています。昨日、今日とセリが好天に恵まれたことを、感謝すべきでしょう。陽射しは馬を輝かせてくれます。

フライトの時間まで時間があるので、いつものここへ入ろうとしたら……、

Coffee1 

なんとオータムセールのカタログを広げて、大声で盛り上がっているおじさんたちの姿が!

慌てて踵を返し、空港の隅にあるスタバであらためてコーヒー&反省タイムです。

Coffee2 

今回のセリでは、売れて欲しい馬が売れ、買ってもらいたいバイヤーさんも無事落とすことができ、帰途に立ち寄った門別競馬場でも、南関東移籍のためにラストチャンスに臨んだ3歳馬が人気を裏切る激走で、見事賞金加算に成功するなど、私の周りであまりに良いことが起こり過ぎました。帰りのフライトがちょっと心配になります(笑)

ですが、それにも増して嬉しかったのは、久しぶりに会えた人のなんと多かったことか。逆に、これだけの人たちに、多少なりとも不義理を働いていたのかもしれないと思うと、反省の念さえ抱きます。安平あたりでUターンしているようではダメですね。コーヒーを飲みながらの反省とは、つまりそういうことです。

明日からはブログも通常モードに戻ります。今日のところはこのへんで。お疲れ様でした。

 

***** 2016/10/05 by SP *****

 

 

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いずみ三昧

今日の昼食はセリ会場に出店している『いずみそば』の鴨せいろでした。このねじれが独特の食感を生み出します。

Izumi1 

そんで、夕食は門別競馬場に出店している『いずみそば』のゴボウ天そば。急に寒くなって、温かいものが恋しくなったのでしょう。セリの最中は興奮して寒さを忘れてました。

Izumi2 

私の隣のお客さんなんてダウン着てんですから北海道の秋をナメてはいけませんね。さあ、身体が温まったたころで、これから門別5レースです。飛行機まで時間があるから、当たったら門別本町の『いずみ食堂』本店でおそば食べていこうかな。

 

***** 2016/10/05 by SP *****

 

 

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おかげさまで

売れました。happy02

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良かったです。静内までやって来たかいがありました。

いろんな人から祝福されて、まるで大きなレースを勝った時の気分ですが、実際にはスーパー未勝利を勝った感じでしょうか。まさにあとのない勝負。比較展示で社台関係者をはじめ大勢のバイヤーさんが足を止めてくださったので、価格はともかく売れるだろうとは思っていたのですが、それでも直前で評判だった別の馬がまさかの主取になったりして、弱気になっていたことも事実。

売れなかったらどうしよう……。

セリ会場に入る手前で馬と一緒に待機しているときは、そんなことばかり考えていました。

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販売申込者ブースに入る時の不安。ひと声目をいただいたときの安堵感。競り上がっていくときの興奮。そして、ハンマーの音。わずか1分にも満たない時間ですが、こんな高揚感はなかなか味わえるものではありません。愛馬がレースに出る興奮とはまったく別モノです。

ただ、もちろん売れなければ真逆の思いをしていたわけで、そんな勝負を繰り返しているプロの生産者の方々の凄さも身に沁みました。

それにしても……、ああ、良かった。

 

***** 2016/10/05 by SP *****

 

 

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落札記念

落札した馬は、セリ会場から出たところで記念写真を撮りますが、大勢の視線に晒された直後とあって、興奮のあまりなかなかポーズを決めてくれません。

Staff 

スタッフの方が手袋をヒラヒラさせたり、音が鳴るオモチャを使ったりして、馬の顔をこっちに向かせようと必死です。

それにしても、パッと見「札幌記念」みたいなタイトルになっちゃいましたね。

 

***** 2016/10/05 by SP *****

 

 

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今年最後の1歳セリが

さあ、始まります。

Sale 

ラぁストコール! ありませんかっ?!

 

***** 2016/10/05 by SP *****

 

 

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280頭

おはようございます。安平は今朝も晴天です。

この季節、社台スタリオンの種牡馬たちは日中放牧に出されていますが、ツメが痛いルーラーシップだけは、早めに厩舎に連れ戻されます。まだ外にいたいのに……といった顔つきですね。

Rulership 

彼は今年280頭の種付けをこなしました。

280頭ですよ。国内の年間の生産頭数が6千頭余りのこの時代に驚くべき数字ではないですか。いまにディープとルーラーシップの子で競馬場が埋め尽くされやしないかと、心配になります。

 

***** 2016/10/05 by SP *****

 

 

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2016年10月 4日 (火)

ドゥラメンテ放牧中

と言っても、6畳一間くらいのパドックで、ですが。

Dura 

まだ左前は包帯ぐるぐる巻きなので、間違っても走ったりせぬよう、このサイズのパドックが精一杯なんですね。それでも、厩舎に閉じ込められていた日々を思えば大きな進歩。一歩間違えば命にも関わる怪我だったわけですから、慌てずゆっくり治していきましょう。

 

***** 2016/10/04 by SP *****

 

 

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御守り

オルフェーヴルの馬房の御守りが、来る度に増えているような気が……。

Omamori

「あれ? これ今朝は無かったよな」。とはスタッフの言葉。人気ではディープインパクトに負けてません。

 

***** 2016/10/04 by SP *****

 

 

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トウショウボーイの真ん前に

盛況のオータムセールは駐車場も満杯。わずかな隙間にも、植え込みにも、ギッチリ車が停まっています。

Toshoboy 

私が誘導されたのは、なんと天馬・トウショウボーイ像前の芝生の上。なんとなくバチ当たりな気がするものです。いちおう帰りに軽く手をあわせてきました。

Toshoboy2 

陽が落ちたら途端に寒くなってきました。クルマの温度計は11度!

寒いわけです。

 

***** 2016/10/04 by SP *****

 

 

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初ストーブ

静内はどんどん寒くなってきました。とにかく風が強い。バタバタと煽られたテントの音に馬たちが驚いて、あわや放馬というシーンも見受けられます。

Stove_2 

今シーズン初のストーブに当たりながら、頑張って馬見てます。

 

***** 2016/10/04 by SP *****

 

 

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オータムセール

東京は真夏日とのことですが、静内は気温19度。強い北風が吹き付けて、冬を予感させる陽気です。

Autosale 

昨日は社台とダーレーの参戦で盛り上がったオータムセールですが、今日もそこそこ売れている印象です。

 

***** 2016/10/04 by SP *****

 

 

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2016年10月 3日 (月)

【訃報】マキバスナイパー

引退馬名情報サイト「meiba.jp」にて、マキバスナイパーの訃報が伝えられた。地方生え抜きで重賞を11勝もした紛れもない“名馬”。そのハイライトは2001年の帝王賞で異論はあるまい。名手ケント・デザーモの手綱で、ドバイワールドカップにも出走したワールドクリークや、女傑ファストフレンドを寄せ付けなかったあのシーンは今も忘れぬ。

Sniper2 

マキバスナイパーは近年では珍しい千葉県産馬であり、かつペキンリュウエンの代表産駒でもある。

種牡馬ペキンリュウエンを知る人はほとんどいまい。その父ギャラントマンはベルモントSなど26戦14勝。同じ1954年生まれのボールドルーラー、ラウンドテーブルとともに、米競馬史に残る黄金時代の「3強」を形成したが、日本での知名度は今ひとつだった。

その直子のペキンリュウエンを繋養し、マキバスナイパーの生産者兼オーナーでもあったのが千葉新田牧場。かつて隆盛を誇った千葉馬産界の黄金時代を築いた名門牧場のひとつで、生産馬のホシホマレが1939年のオークスを、そして1967年にはアサデンコウが日本ダービーを制した。だが、そんな千葉新田牧場も今現在は「緑の馬牧場」と名を変え、生産も育成も行われていない。

Sniper3 

マキバスナイパーは帝王賞を含めてダートグレードを4勝しているが、敗れたとはいえ、2001年JBCクラシックを忘れてはならない。ノボトゥルーを置き去りにし、ハギノハイグレイドを競り落とし、前を行くレギュラーメンバーを猛然と追い詰めたが、わずかクビだけ及ばなかった。悔しい2着。だが、「地方競馬の祭典」として大々的に立ち上げたJBCで、その記念すべき第1回目から地方馬が勝ち負けに加わった意義は決して小さくはなかった。

Sniper1 

JBCは地方の祭典としてやっていける―――。

関係者にそんな自信を与えたのがマキバスナイパーだったのである。しかし、その後JBCクラシックで地方馬の優勝は未だなく、2着に来たのもアジュディミツオーとフリオーソの2頭のみ。マキバスナイパーから授かった自信が実を結ぶことなく、彼に先立たれてしまったことが申し訳ない。そんなJBCも今年で16回目。そろそろクラシックで地方馬の優勝するシーンを見せてくれないものだろうか。日本馬にとっての凱旋門賞のような存在になる前に。

 

***** 2016/10/03 *****

 

 

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2016年10月 2日 (日)

あれから10年

終わったばかりの凱旋門賞の映像を繰り返し眺めていたら、ブログの更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。

スタート、すぐに左カーブ、向こう正面の長い直線、下り坂、タイトな4コーナー、直線の攻防、そしてゴール。何度見ても同じようにファウンドが1着でゴールする。それを確認すると、またゲートのシーンまで戻して、そこからまたレースを見る。こんなことを何度繰り返しただろうか。気付いたら時計の針は午前1時を指していた。

ちょうど10年前。マカヒキの父・ディープインパクトが凱旋門賞で負けたあの翌日は、会う人会う人から凱旋門賞の話を振られて困った覚えがある。いや、「振られる」というより、実際には「詰め寄られる」という表現の方が正しかった。彼らはこう口を揃えたのである。「なぜ負けた?」。

あの時つくづく思った。日本の馬が凱旋門賞で負けたことに対して、一般の人が敗因を求める時代になったのだ、と。

エルコンドルパサーの時もかなり盛り上がったはずなのだけど、その時の盛り上がりはあくまでも「競馬サークルの一大事」であった。それに対して、ディープの過熱ぶりはまさに「日本の一大事」。結果はどうあれ、日本競馬の歴史の転換点になったことは間違いあるまい。

あれから10年を経て、今回の凱旋門賞も大きな転換点となった。日本国内での馬券発売である。

今回ほど日本馬以外の凱旋門賞出走馬に興味を注がれたことが、過去にあっただろうか。去年まではただやみくもに1頭の馬を応援していた。それが今度は馬券を買って、レースに参加するのである。むろん相手を知らなければ馬券は買えない。とかく馬券となると、真面目に研究するのが日本の競馬ファンの素晴らしさ。これまでは一部のマニアの領域だった海外の競馬が、途端に身近になった。そう思えてならない。

競馬サークル内においても、海外GⅠ出走に際して、かつてのような「挑戦」とか「遠征」という感覚は薄れつつあるように思う。適鞍があるから使う―――。そう公言する調教師が多数派になった。小倉であろうがロンシャンであろうが同じ競馬。それなら見る我々の心構えも普段と変わりなくありたい。すなわち「勝ったら驚く」。その一言に尽きる。

Padock_2 

明日になって、「マカヒキはなぜ負けた?」と私に詰め寄ってくる人はいるだろうか。それよりも勝ったファウンドや、オブライエン調教師の魔法使いのような手腕や、種牡馬ガリレオの凄さを賞賛する声が増えそうな気がする。10年前には優勝馬のことを聞いてくる人などいなかった。今なおレイルリンクを覚えている人が、果たしてどれほどいるだろうか。マカヒキが負けたことはもちろん残念。でも、明日になって、この10年間の進化を実感できることを楽しみにしたい。

 

***** 2016/10/02 *****

 

 

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2016年10月 1日 (土)

あの頃のクイーンステークス

今でこそ、秋の中山開催を締めくくるレースと言えばGⅠ・スプリンターズSだが、ちょっと前まではクイーンSが千秋楽を務めていた。芝1800mで行われる4歳(当時表記)牝馬限定のGⅢ戦は、エリザベス女王杯や秋華賞のトライアルレース。あのシンコウラブリイやヒシアマゾンといった名牝たちもここを勝っている。1998年のこのレースを勝ったのは、横山典弘騎手のエアデジャヴーだった。

Dejaview 

桜花賞はファレノプシスの3着。そしてオークスがエリモエクセルの2着。いずれもあと一歩のところで春のクラシックは涙を飲んだ。残された1冠に対する思いは強い。小柄な牝馬で、オークスから体重は4キロしか増えていなかったが、好位から抜け出す競馬で小回りコースに対応できたことこそが「成長」であろう。秋華賞に向けて視界は大きく開けた―――。そんな思いを抱いたのは、ひとり私のみではあるまい。

だが、本番の秋華賞で彼女の前に立ちはだかったのが武豊騎手のファレノプシス。誰もが意表を突かれた大外マクリで、エアデジャヴーの末脚を封じてみせた。「ユタカにすべてを見られていた」。エアデジャヴーを管理する伊藤正徳調教師のあのひと言が、すべてを物語っているように思えてならない。結局、エアデジャヴーはGⅠタイトルとは無縁のまま現役引退を余儀なくされた。

Mesaia 

その7年後にエアデジャヴーの娘エアメサイアが3歳GⅠ戦線に登場する。勝負服も、オークスで2着に敗れたことも、秋初戦の秋華賞トライアルを勝ったことも、その秋華賞では同期の桜花賞馬がライバルとなるところまで、まるで母と同じ。ただ違ったのは、鞍上に迎えた騎手が、かつては母の敵であったはずの武豊騎手であったこと。いろんな意味で注目を集めないはずがない。レースではゴール寸前で桜花賞馬ラインクラフトを首差だけ差し切り、母娘2代に渡る宿願でもあったGⅠ制覇を果たす。

今年の3歳牡馬戦線で活躍するエアスピネルはあのエアメサイアの息子。ということは、エアデジャヴーからすれば孫ということになる。

Supinel 

あのクイーンSはそんな昔の話ではない―――。

そうは思っていても、実は相応の年月が流れたということか。なにせあのクイーンSの翌週に行われたあの毎日王冠を逃げ切ったのはサイレンススズカであり、そこで敗れたのがあのエルコンドルパサー。あの凱旋門賞2着も昔話になった。「あの」という修飾語を駆使して、この辺の年代の話をまるでつい最近のように語れるのも、そろそろ限界に近づいた感がある。悲願と惜敗の歴史に、そろそろピリオドを打ちたい。

 

***** 2016/10/01 *****

 

 

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