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2016年9月26日 (月)

地方競馬初のTV中継

今週の南関重賞は船橋の日本テレビ盃。JBCクラシック、チャンピオンズカップ、東京大賞典へと続く秋のダート王道路線の幕が開く。

「NHKマイルカップ」「フジテレビ賞スプリングS」「テレビ東京賞青葉賞」など、JRAの重賞に名前を出しているテレビ局は少なくない。そんな中にあって、視聴率3冠王の日本テレビが、なぜJRAではなく、船橋競馬の重賞に社杯を提供しているのか? それを不思議に思っている方もいるかもしれない。―――というか、日テレの社員さんからそういう質問を受けたのである。それだけ不似合いということか。

ことの始まりは、戦後まだ間もない1953年。当時、「金の鞍」という名称で行われていた古馬2000mの重賞レースを、日本テレビが実況中継したことに端を発する。地方競馬のTV中継は国内では初めての試みだった。中継を担当した佐土一正アナウンサーは、この年入社したばかりの日テレアナウンサー第1期生。後に力道山のプロレス中継で名を馳せるレジェンドとはいえ、新人アナが3時間余りの放送時間を繋ぐのだから、さぞ苦労したに違いあるまい。なにせ当時はテレビ放送事業自体が黎明期である。

ともあれ、この翌年から「金の鞍」は「NTV盃」と名を変えて行われるようになった。以来62年間。日本テレビでのTV中継はなくなったが、日本テレビの冠は残されたままだ。

1998年にはJRAとの交流重賞となり、距離も1800mに短縮された。そこに出走してきたのが地元船橋の雄・アブクマポーロ。川崎記念、ダイオライト記念、マイグランプリ、かしわ記念、帝王賞と5連勝中の同馬は、このNTV盃のあとは毎日王冠から天皇賞というローテが発表されていた。単勝オッズは100円の元返し。勝つのは当然。その勝ち方が注目されていたと言っても過言ではない。

Ntv 

結果は想像を上回る圧勝であった。JRAのGⅡ勝ち馬やJRAダート重賞3勝馬が、いずれも55キロに留まるのに対し、ただ一頭58キロを背負わされながら2着に8馬身差である。力が違ったとしか言いようがない。しかし、そのあまりの強さに「この能力をダート以外で使うのはもったいない」として、陣営は毎日王冠回避を表明。次走の南部盃ではメイセイオペラに敗れたものの、グランドチャンピオン2000と東京大賞典を勝って、この年のNAR年度代表馬に選ばれている。

ちなみに、この年の毎日王冠を勝ったのはサイレンススズカ。エルコンドルパサーやグラスワンダーを相手に、圧倒的なスピード能力で逃げ切ったあの伝説のレースだ。そこにアブクマポーロも出走していたかもしれない―――。それを思うと、今でも多少残念な気持ちにもなる。それというのも、NTV盃のアブクマポーロがあまりに強すぎたせいだ。

 

***** 2016/09/26 *****

 

 

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