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2016年7月18日 (月)

競馬場のテロ対策

仏国ニースで起きた大型トラックによるテロ事件の現場すぐ近くに、知り合いの競馬関係者がいたことが分かり愕然としている。幸い当人は無事で済んだが、海の向こうの出来事とはいえ他人事では済まされない。人混みとトラックの組み合わせなら日本でも簡単に起こり得る。実際、秋葉原でも似たような事件はあった。うかうか人混みにも近づけない。

そんなことを別の知人と話していたら「日本の競馬場の警備体制ってどうなんだろ?」という話題になった。競馬場の警備と聞いて、JRA柔道部の屈強なお兄さんをイメージする人も少なくあるまい。JRAの安全保安課の職員には柔道部出身者が多く含まれる。かつてはバルセロナ五輪銀メダリストの小川直也氏が在籍し、最近では来月のリオ五輪で日本代表に選ばれている原沢久喜選手が有名だ。彼らが次々とテロリストをぶん投げて、抑え込んで、送襟絞で仕留めてくれれば問題ないのだが、実際にはそこまで手が回るはずもない。

実際には安全保安化の職員に加え、所轄の警察署員のほか、警察OB、バイトの警備員や整理員、果ては私立探偵までもが動員されて警備にあたっている。その人数は通常開催で約千人。さらに場内のいたるところには監視カメラが設置され、スタンドにはその映像を映し出す数十台のモニタがズラリと並ぶ一室がある。そこで警察のプロが数人がかりで映像を監視。怪しい奴を発見すれば、ただちに現場近くの警備担当に通報し、すみやかに場内から排除もしくは逮捕する。

稀にやたらと制服警官を見かける日もある。そういう日は、VIPの来場が予定されているか、関係者をターゲットにした殺人予告が出されている場合が多い。ぐるりと警察官が取り囲むパドックには一種異様な緊張感が漂う。しいて言えば、これが競馬場のテロ対策ということになろうか。

対テロ訓練が競馬場で行われることも少なくない。洞爺湖サミットを直前に控えた2008年には大井競馬場で、またAPEC首脳会議を控えた2010年には東京競馬場で、大規模なテロ対策訓練が実施されている。参加したのは、警察、消防、そして自衛隊。訓練会場として競馬場の使い勝手が良いという事情もあろうが、それよりもテロリストが狙うターゲットとして競馬場はじゅうぶん可能性があるということであろう。なにせあの人混みである。GⅠレース発走直前ともなれば、逃げ場もない。

Stand 

いずれの訓練も、VXやサリンといった有毒ガスが満員のスタンドに撒かれた上に、スタンドで爆発物が爆発したという想定で実施された。両競馬場で過ごす時間が比較的長い私などには身につまされる話でもある。結局のところ自分の身は自分で守るしかない。

ともあれ心配の種は今後の仏国の動向だ。折しも先日はマカヒキが帰厩。凱旋門賞に向けて来月19日に渡仏するスケジュールが発表になったばかり。ダービー馬の凱旋門賞挑戦となれば応援ツアーも過熱しそうなものだが、さすがにどこも満員御礼には至ってない。それどころか、催行可能人数に届かず中止になるツアーが出るかもしれないと危惧する声も聞こえる。

昨年11月に発令された非常事態宣言はニースでのテロを受けて3度目の延長がなされた。今年の凱旋門賞は史上初めて非常事態宣言下で行われる。空港や国境での出入国管理も一層厳しくなろう。現地に向かわれる関係者ならびに応援の方は、くれぐれもご注意を。繰り返しになるが、自分の身は自分で守るしかない。

 

***** 2016/07/18 *****

 

 

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