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2016年6月15日 (水)

記録にはケジメを

昨年11月、高知競馬のエーシンアクセランは通算49勝の成績を引っ提げて現役を引退した。通算162戦、現役生活は実に9年間に及ぶ。勝てなかった年はないというのも、また素晴らしい。

だが、それを「サラブレッド勝利数の日本記録」と大々的に報じたことには違和感を覚えた。たしかにそうかも知れない。ただ、報じ方として、それは正しいか。

かつて中津競馬のカンテツオーが37勝目を挙げた時にも、「日本記録ではないか?」と騒がれたことがある。少なくとも戦前の中央で活躍したコイワヰは82戦45勝の記録を残していたはず……。いや、それ以前に地方競馬の―――それも中津の―――記録を、「日本記録」と言い切ることに大きな疑問を抱いた覚えがある。

カンテツオーは1986年のオールカマーに招待されるも、勝ち馬から4秒も離されたしんがり負け。そういう事実も手伝って、以来私はこんな信念を抱くようになった。

「国や地域によって、レベルやルールに差違がある競技間の記録を同一視すべきではない」

Dirt 

同じことは野球にも言える。何が言いたいか。そう、イチロー選手によるメジャー最多安打記録へのカウントダウン報道である。

56試合連続安打のメジャー記録を作ったジョー・ディマジオは3A時代に61試合連続も記録しているが、この記録が表舞台で語られることはない。記録にはそれぞれのサークル内でこそすっきり収まるものもある。イチロー選手本人も、「ボクの場合はそういうのが面倒くさい」と違和感を隠そうともしない。そもそも報じる側からして“メジャー”最多安打記録と書いて、それをおかしいと感じないのだろうか。NPBはいつからメジャーリーグになったのか。

News 

相対的レベルの差もあり、かつその開催形態やルールすら微妙に異なるリーグの記録を、陸上や水泳の記録のように扱うべきでない。競馬も同じこと。開催日数や賞金体系が大きく異なる競馬場間の記録を、画一的に扱うのはどう考えても無理がある。

エーシンアクセランの記録も、カンテツオーの記録も、そしてもちろんイチロー選手のNPB1278本、メジャー2977本の安打記録も、その枠内においては、誇るべき偉大な記録であることは言うまでもない。偉大であるからこそ、報じる側にはその扱いにけじめを忘れて欲しくないのである。

 

***** 2016/06/15 *****

 

 

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