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2016年6月 8日 (水)

神の挑戦

今年も東京ダービーの夜がやってきた。1年以上に及ぶ激戦をくぐり抜け、ついに晴れの舞台に辿り着いた15頭に、まずは拍手を送りたい。

Padock 

驚いたことがある。東京ダービーの前日発売オッズ。羽田盃優勝のタービランスと同2着のトロヴァオが共に単勝3.1倍で1番人気を分けた。しかし驚いたというのは、そのことではない。さて3番人気はどの馬だ? 羽田盃3着のジャーニーマンではない。トライアル東京湾カップ優勝のディーズプリモでもない。強いと評判の桜花賞馬・モダンウーマンでもなければ、そのモダンウーマンを東京プリンセス賞で破ったリンダリンダでもない。

前日発売で単勝6.5倍の3番人気は、なんと羽田盃で9着に大敗したアンサンブルライフだったのである。

ダービーは何が起こるか分からないレース。私だってそれを嫌と言うほど味わってきた。波乱の決着は数知れない。しかしそれでも人気の順序というものがある。

なぜそんな現象が起きたのか。理由はひとつしか考えられない。みんなアンサンブルライフの手綱を取る的場文男騎手のダービー制覇を願っている。前売りで単勝を買うほどの熱心なファンならなおさらであろう。先日行われた日本ダービーでも、馬連の1番人気はマカヒキ&サトノダイヤモンドの組み合わせだったのに、単勝1番人気は蛯名正義騎手のディーマジェスティだった。ダービーという特別なレースでなければ、このような現象は起きない。

通算6876勝を誇る“大井の神様”は、今年でダービー挑戦35回目。そのうち2着は9度を数える。その回数からして、既に神がかっている。なのに、なぜか勝ちがない。たとえば大井には大井記念というビッグタイトルもあるが、こちらはなんと9勝もしている。それなのに、なぜ……? みんなが首をひねる。ダービーの神秘。誰もが神が輝く瞬間を心待ちにしている。

だからスタートからタービランスの直後にピタッとつけて1コーナーを回った時は、「おおっ!」と声が出た。だが、それも一瞬のこと。勝ったのはバルダッサーレ。強いダービー馬の誕生にはとりあえず拍手を送らねばなるまい。彼には2000mを2分06秒9で走る速さと、向こう正面から捲り上がっでもバテない強い心臓と、そしてほんのわずかばかりの運があった。一方、的場騎手35回目のダービー挑戦は13着。もとより入着など狙っていないのだから、負けるならこれくらい負けてくれた方がすっきりする。その潔さにいちばん大きな拍手を送りたい。

こうして神の挑戦を見続けられること自体が、ファンの喜びだという声があるのも事実。それを頭ごなしに否定するつもりもないが、的場騎手には通算7000勝、そしてその先にある日本最多勝記録7153勝への挑戦も残されている。そういう意味では来年こそ悲願達成を見たい。60歳でのダービー初制覇となれば空前にして絶後の記録であろう。

 

***** 2016/06/08 *****

 

 

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コメント

店主様
今晩は。思いやり溢れるご回答をありがとうございました。東京ダービーから2日経ち、ウワサノモンジロウ君の馬生を案じつつアルコバレエノ君の久方ぶりの勝利に拍手を送った宵でありました。
ではではm(__)m

投稿: すかどん | 2016年6月11日 (土) 01時25分

すかどん様

あれが実力なのですから、受け入れる以外ないですよね。
4コーナーで必死に手綱をしごくタービランスと持ったままの勝ち馬を見て、切なくなりました。
(>_<)

投稿: 店主 | 2016年6月10日 (金) 15時07分

店主様
こんにちは。私も昨夜は東京ダービーにお邪魔して参りました。ダービーに出走が叶った馬達に賛辞を送りながらパドックを見て2回スタンドから応援しました。バルダッサーレ君は立派でしたね。反面。。。南関ファンとしては辛いリザルト。久々に東京ロティサリーのバターチキンカレーを食べずに帰りました。どよよ〜ん。

投稿: すかどん | 2016年6月 9日 (木) 15時52分

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