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2016年6月11日 (土)

日本ダービーに思う

東京ダービーに続いて日本ダービー当日の話。

フジビュースタンド7階エリアには、馬主席とは別に椅子とソファが配されている。ところが、私が10時前に競馬場に到着すると、椅子という椅子、ソファというソファの上には何かしらのモノが置かれていた。いわゆる「席取り」である。先に到着していた釧路馬主によれば、8時半の時点で既に“満席”だったという。

それでも、鞄のような手荷物が置いてあるというのならまだ分かる。そこに置いてあるのは、レープロ、新聞紙、マークカードの類。ついで、ハンカチやポケットティッシュ。中にはお菓子の箱なんてのもあった。中身は入っているのかしらん。新聞紙などは、ご丁寧に1枚ずつ破ったものを、ひとつひとつの椅子に順番に置いてある。もう呆れて言葉もない。

Chair 

「馬主席」なんて気取って言ってみても、ダービー当日は決められた席を持たぬ人たちでごった返す。むろん私もその一人。だが、私は最初からそのつもりで競馬場に行っている。馬券を買ってレースを見るのに椅子は決して不可欠ではい。昔からそうだった。朝イチで場外に行けば、メインレースまで立ちっぱなしで過ごすことなどザラ。トウカイテイオーのダービーは8時頃に競馬場に到着し、スタンド3Fの“手すり”が確保できて、「良い“席”が取れた」と喜んだ記憶がある。だから、ここでは「座りたかった」などと言うつもりはない。

私はただ「みっともない」と感じたのである。

仮にも馬主席ではないか。晴れのダービーデーにそこに集う紳士淑女の、これがすることか―――。それを思うと、みっとなくて、そして情けないのである。

一般席ではもっといろんなことが起きている。オークス当日から並び続けている人がいるのだから、そりゃあトラブルもありますよ。私が頑張っていた頃は、ガムテープを端から端までびーっと貼って1列分の椅子を確保するツワモノがいた。それが最近では前後2列で席を取る輩がいると聞く。なぜか。前に人がいない方が見やすいから。7晩も泊まれば、こういうことをやっても許されるらしい。ダービーの徹夜組は再び増加の傾向にある。

Derby 

我が国の陸地面積は、地球上の陸地のおよそ1/400でしかない。しかもそのうち7割が山林で、残されたほんのわずかな平地に1億を超える人間がひしめき合って住んでいる。こんなメチャクチャな土地利用をしている国民は、世界中でおそらく日本人のみであろう。その特殊な住環境が、花見でも、花火大会でも、運動会でも、「とりあえず場所取り」という世界でも類を見ない国民性を生み出したのではあるまいか。でなければ、座りもせぬ椅子まで欲しがる理由を説明できない。

アスコットやロンシャンでこのような席取りを目撃したことは一度としてない。誰もいない席に新聞紙が置いてあれば、それはゴミ。当然であろう。なのに日本では、新聞紙を勝手に動かしたりすればトラブルになる。ダービーデーにトラブルは相応しくない。馬主席ならなおさら。それでせっかくの椅子は新聞置き場に成り下がる。ただ、それをJRAの無策となじるつもりはない。なぜならこれは「競馬ファンの」ではなく、どう考えても日本人の問題だからだ。

年間を通してもたかが1日だけの話。されど年間を通してもっとも特別な1日の話でもある。

 

***** 2016/06/11 *****

 

 

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