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2016年6月27日 (月)

3×3問題

社台&サンデー両クラブの第一次募集が終了した。応募を済ませた会員さんにしてみれば、あとは運を天に任せる気分であろう。オルフェーヴルやジェンティルドンナのようなダイヤの原石を見出だし、数百万円の出資金を手元に用意できたとしても、40口の枠に入ることができなければ、その馬を持つことはできない。

あらためて今年のクラブ募集馬(オーナーズを除く)のラインナップを見て思ったことがある。かつては募集馬の大半を占めていたはずのサンデーサイレンス直子の産駒がやたらと少なくないか。実際数えてみると、ネオユニヴァースが2頭、マンハッタンカフェも2頭、そしてゼンノロブロイは1頭である。さすがにディープインパクトとハーツクライ、そしてダイワメジャーはある程度の頭数を保っているが、それ以外のサンデーサイレンス直子の募集頭数は大きく減っている。

思えば2012年には、ゼンノロブロイの募集馬が11頭もいた。ビワハイジもゼンノロブロイ。レーヴドスカーもゼンノロブロイ。ドナブリーニもゼンノロブロイ。まさに「ロブロイ祭り」の様相であった。それが4年後にわずか1頭とは……。ロブロイ産駒を愛する会員さんにとっては切なかろう。

実際、彼らは種付け頭数も減っている。過去5年間(2011年~15年)の実績はご覧の通り。

ネオユニヴァース :181頭→137頭→123頭→106頭→79頭
マンハッタンカフェ:202頭→200頭→164頭→113頭→126頭
ゼンノロブロイ  :207頭→147頭→102頭→103頭→101頭

産駒の成績が下がったわけではない。この間も彼らの産駒たちは相変わらずJRAの重賞を勝ち続けていた。それなのに、なぜ―――?

理由は極めてシンプル。サンデーサイレンス直子を付けられる繁殖牝馬が減っているのだ。

いまや、競走成績の良かった繁殖牝馬にはたいていサンデーサイレンスの血が入っている。社台グループは外国から異系血統の牝馬をじゃんじゃん輸入しているから良いが、大半の生産者にそこまで求めるのは無理。だから、仕方なく非サンデー系の種牡馬を選ぶか、もしくはサンデーサイレンス系でもその影響が少ない種牡馬を選ぶしかない。じゃあどうすれば良いか。そこで注目を集めるのがサンデーサイレンスの孫世代、すなわちサンデー第三世代の種牡馬たちである。

Tokyoderby 

今年の東京ダービーを勝ったバルダッサーレは、父がアンライバルドで母の父はフジキセキ。また、兵庫ダービーの覇者ノブタイザンは、ダンスインザダークの肌にディープスカイという配合。どちらもサンデーサイレンスの3×3。こうした強烈なクロスを持つ仔馬が馬産地では続々と誕生している。なにせお膝元の社台コーポレーションでさえ、桜花賞馬キストゥヘヴン(父アドマイヤベガ)にオルフェーブルを配合するのだから、ただごとではない。しかも、そうして生まれた3×3たちが一定の結果を出してしまった以上、3×3は今後ますます増える可能性がある。

ネオユニヴァースは付けられないけど、アンライバルドかヴィクトワールピサならサンデーの3×3になるからギリ付けられる―――。

実際にこうしたケースが増えているのだという。自身の産駒の台頭が、自らの種付け機会を奪うことになるとは皮肉としか言いようがない。ただ、これが続けば日本の馬は確実に弱くなる。近親配合は稀に強さを補い合う一方で、多くは弱さを補い合うからである。

それを分かっているからこそ、社台グループはチチカステナンゴ、ハービンジャー、ワークフォース、そしてノヴェリストと、次々と種牡馬を導入しては、それを大量に自前の良血牝馬に配合してきた。一時的に成績は落ちるかもしれない。しかし、それでも非サンデーの種牡馬を―――どれか1頭でも―――成功させなければならない。ひとり孤独に先頭を走る巨大グループだけに、背負わねばならぬものも大きいのだろう。社台グループ募集馬のラインナップに、日本の生産界が直面する問題を垣間見た気がした。

 

***** 2016/06/27 *****

 

 

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