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2016年5月10日 (火)

東京でいちばん空いてるGⅠ

東京競馬場では芝・ダートを含めて8つのGⅠレースが行われている。その中で、もっともお客さんが入るGⅠが日本ダービーであることは言うまでもない。では、もっとも空いているGⅠはどれだろうか。

おそらく「フェブラリーS」と答える人が多いのではないか。だが、フェブラリーSに匹敵するほど“入らない”GⅠがもうひとつある。それがおととい行われたNHKマイルカップ。入場者数は49,303人だから、今年のフェブラリーSの入場者数53,315人を4千人余り下回ったことになる。

Tokyo 

天気が悪かったわけでもない。強いと評判の2歳女王の参戦もあった。なのに、GⅠどころか重賞も行われなかった5月1日(59,737人)にまるで及ばず、あろうことか土曜の青葉賞(50,783人)にも届かない始末。実際、場内はレース中でもご覧の通りガラガラ。レストランにも並ばずに入れた。折しも世間は10連休とも言われるゴールデンウイークの最終日。精根尽き果てたお父さんが多かったのかもしれないが、これではGⅠの看板が泣く。

NHKマイルカップとフェブラリーSの入場者数を比較すると、過去10年でNHKマイル4勝に対し、フェブラリーSが6勝。なんとNHKマイルが負け越している。10年間の平均でもNHKマイルはフェブラリーSよりも少ない。そういう意味では、東京競馬場でもっとも空いているGⅠは、実はNHKマイルの方だったりする。

年  NHK  フェブ
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2016 49,303 53,315
2015 47,222 44,861
2014 47,433 47,362
2013 62,079 50,771
2012 50,634 50,900
2011 52,400 53,584
2010 53,855 61,304
2009 56,662 70,014
2008 51,015 53,029
2007 55,166 51,111

平均 52,577 53,625

今年のNHKマイルを勝ったのはメジャーエンブレム。2着はロードクエスト。結果的に桜花賞と皐月賞で敗れた馬同士のワンツーとなった。

メジャーエンブレムの勝利を「リベンジ成功」と評した見出しを見つけたが、これは用法的に間違っている。桜花賞で負けた相手、すなわちジュエラー、シンハライト、アットザシーサイドを負かして初めてリベンジではないか。桜花賞で敗れた相手がいないなら勝って当然。だからファンは彼女を1番人気に推した。ロードクエストにしても同様であろう。「勝ち上がり組」ではなく「負け残り組」同士の勝負に興味が湧かないのも無理はない。土曜のGⅡにも負けるような入場者数が、ファンの気持ちを如実に表している。

そもそもNHKマイルは、海外からの外国産馬へのクラシック開放圧力を緩和させるための、いわば政治判断で創設された経緯がある。開放が進めばその存在意義が危うくなることは、初めから分かり切っていたことだ。

実際、第1回から6年連続して外国産馬が上位を独占するが、外国産馬へのクラシック開放が進むにつれ、NHKマイルカップは外国産馬の最終目標ではなく、ダービーへのステップレースという色合いを強めてきた。タニノギムレット、キングカメハメハ、そしてディープスカイ。彼らのダービー制覇は、NHKマイルカップから「NHK杯」への先祖返りを思わせる。おとといのパドックでも、「2着で足りる」と言う声が聞こえてくる始末。そんなGⅠを果たしてファンは見たがるか。

レースに向かう陣営の思惑が様々なのは仕方ないが、メジャーエンブレムやロードクエストに関する限り、当初からこのレースを3歳春の最大目標にしていたとは到底思えない。だが、そんな2頭が凌ぎを削る姿を見て、逆に胸を打たれた。GⅠにしては少ない歓声の中で、それでも馬たちは必死に走っているのである。彼らはレースの存在意義など気にも留めていない。走れと言われたところで、ただただ全力を尽くすのみ。その姿が愚かな人間の不作為を忘れさせてくれた。

 

***** 2016/05/10 *****

 

 

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