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2016年5月23日 (月)

12頭の三冠馬、3頭の3歳女王

東京競馬場内・JRA競馬博物館では、春季特別展として「三冠馬 ~世代の頂点に輝いた優駿たち~」が開催されている。

Poster 

そこで紹介されているのは12頭の三冠馬たち……いや待て、過去の三冠馬は7頭のはずではなかったか。

セントライト(1938年)
シンザン(1964年)
ミスターシービー(1983年)
シンボリルドルフ(1984年)
ナリタブライアン(1994年)
ディープインパクト(2005年)
オルフェーヴル(2011年)

「三冠馬」とは、3歳馬のみが出走可能なクラシックレース、すなわち、桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞のうち3つのタイトルを制した馬に与えられる称号である。これは我が国が手本とした英国に倣ったもの。ほぼ全世界共通と言っても良い。そのルールに従えば1943年のオークス、ダービー、菊花賞を制した牝馬のクリフジも立派な三冠馬である。なのに、これまでJRAはクリフジを正式な三冠馬として認めようとしなかった。ようやく自らの誤りに気付いたのであろうか。にしても、クリフジ1頭を加えたところで三冠馬は8頭しかいない。残る4頭の「三冠馬」はどこから来たのか?

まあ、もうお分かりですよね。その4頭と言うのは、メジロラモーヌ(1986年)、スティルインラヴ(2003年)、アパパネ(2010年)、そしてジェンティルドンナ(2012年)。彼女らは春の桜花賞、オークスのクラシック2冠に加え、秋の3歳牝馬限定GⅠを勝っているから、この際いっしょに「三冠馬」としてしまえ、ということなのだろう。

クリフジを加えたところまでは良かったが、勢い余って4頭を付け加えたのは正直いただけない。「三冠馬」の称号を安売りしては、クラシックレースの看板はいずれ色褪せる

秋華賞やエリザベス女王杯がクラシックレースではないことは動かしようがない。「歴史が浅いだけで、GⅠであることには変わりない」という声もあろうが、その「歴史」がキモなのである。昨日のオークスは77回目。今週のダービーは83回目。競馬においては、賞金よりも往々にして歴史や伝統が重みを持つ。でなければ、エイシンヒカリが1着賞金2000万円にも満たないイスパーン賞のために、わざわざ渡仏することもない。ちなみにイスパーン賞は1873年の創設。途中、大戦での中止もあったが、それでも今年で139回目を迎える。

Oaks02 

とはいえ、それがクラシックであろうとなかろうと、今年の秋華賞は注目の一戦になりそうだ。なにせ、現3歳世代では3頭の3歳女王が誕生している。桜花賞馬のジュエラー、NHKマイルカップのメジャーエンブレム、そして昨日のオークスを勝ったシンハライト。異なるカテゴリのチャンピオン同士が右回りの2000mで覇を競えば、いったい誰がいちばん強いのか―――?

Mejar 

秋華賞はたしかにクラシックレースではないが、時に重要なレースとなり得る。それで十分ではないか。それでも心配の種は尽きない。もしメジャーエンブレムが秋華賞を勝ったとして 、「二冠馬の誕生」などと騒ぐ輩が表れたりすることはあるまいな。桜花賞もオークスも勝ってない牝馬の「二冠馬」が誕生すれば、それは前代未聞の出来事だ。

 

***** 2016/05/23 *****

 

 

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