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2016年5月17日 (火)

揺らぐ常識

ヴィクトリアマイルを勝ったストレイトガールは、その強さもさることながら7歳という年齢が話題になっている。JRAにおける7歳でのGⅠ優勝は、これが12頭目。だが、過去の11頭は牡馬かセン馬に限られていた。牝馬ではストレイトガールが初めて。しかも今回は昨年よりも強敵を相手にしながら、なおかつ昨年よりも強い勝ち方をしてみせたのだから凄い。7歳にしてますます強さに磨きがかかっている。(写真は一昨年のヴィクトリアマイル出走時)

Straight 

牝馬の7歳といえば大半が繁殖入りしている時期である。実際、ストレイトガールも昨年の香港スプリントの9着を最後に引退するはずだった。だから、広崎オーナーから現役延長を打診された藤原調教師は困ったことであろう。なにせGⅠ牝馬の7歳現役続行は例がない。これには藤原英師も「時間をください」と即答を避けたという。

昔の牝馬のイメージといえば、牡馬より仕上がりが早く、そのぶんピークも早く訪れ、その後はいかに能力を維持できるかが勝負を分ける―――といったものだった。明け6歳ともなれば、さすがに能力低下は避けられない。だから多くのクラブは内規で「6歳春の牝馬は引退」を謳っているのである。だが、そんな古い考えはもはや捨て去る時期に来ているのかもしれない。

ひと昔前なら、7歳はおろか6歳の牝馬が重賞を勝てば、ちょっとしたニュースになった。しかし、調教技術の向上や飼料の進歩などにより、競走馬は以前に比べて長く現役生活を送ることができる。しかも牝馬のレース体系は充実一途。無理のないレース選択が可能となったことで、馬にかかる負担も格段に減った。なにより生産頭数漸減のこのご時世、慌てて繁殖に上がる必要もない。

そう思うと、俄かにこれまでの常識が怪しくなってくる。本当に牝馬がピークを迎える年齢は早いのか。7歳牝馬によるGⅠ制覇が初めてだったのは高齢牝馬が突然強くなったわけではなく、ただ単に6歳や7歳になっても現役を続ける牝馬が増えただけの話なのではあるまいか。

実際、昨年は6歳牝馬が重賞レースを6つも勝っている。しかもそのうち3勝がGⅠレースであった。さらに今年は6歳と7歳が既に重賞を5勝。逆に、これまでの常識では能力のピークを迎えているはずの4歳が1勝、5歳でさえ3勝に留まる。牝馬の能力のピークは実は6~7歳なのかもしれない。だとしたら過去の多くの牝馬たちは、本当の強さを我々に見せてくれる前にターフに別れを告げていたことになる。

Meisho 

GⅠにこだわらなければ、ブロードアピールとジョリーダンスがいずれも8歳時に重賞を勝っているし、ダートグレードではメイショウバトラーが船橋マリーンカップを9歳で勝っている。すべての牝馬がその能力のピークを6歳春までに迎えるとは限らない。6歳12月にチャンピオンズカップを勝ったサンビスタしかり。ストレイトガールによる7歳牝馬のGⅠ勝利は空前の出来事だが、絶後になるとは思えない。それを「高齢だから」と言って切り捨てるようでは、もはや馬券的中など覚束ぬ。我々も意識改革を迫られている。

 

***** 2016/05/17 *****

 

 

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