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2016年4月19日 (火)

「三強」を生んだのは

きさらぎ賞勝ち馬が2.7倍で1番人気。弥生賞2着馬が2.8倍でそれに続き、弥生賞勝ち馬が3.7倍の3番人気。それに次ぐ4番人気馬の単勝オッズは16.1倍だから、上位3頭とそれ以外の15頭との間には大きな溝が横たわっていた。いわゆる「3強」の典型的なオッズパターンである。

日本人は物事を比較したり並べたりするときに、やたらと「3」という数字を好むらしい。「三種の神器」に始まり、「御三家」や「日本三景」は言うに及ばず、「三大夜景」や「三大珍味」のような「三大~」系のくくりは列挙に暇がない。「三」が含まれていなくても、例えば「巨人、大鵬、玉子焼き」といったフレーズも同じ土壌にあろう。競馬における「三強対決」が盛り上がるのは日本文化特有の現象かもしれない。

三強の筆頭格はトウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスのいわゆる「TTG」。だが、クラシックという視点なら、1968年のアサカオー、マーチス、タケシバオーを推す声が多く挙がりそうだし、ウイニングチケット、ナリタタイシン、ビワハヤヒデの93年も捨てがたい。最近ではスペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイローの98年。およびその翌年のアドマイヤベガ、ナリタトップロード、テイエムオペラオーらの争いが、3強のクラシックとして記憶に残る。

とはいえ、上記以外にも「三強」ともてはやされたクラシックは何度もあった。手元にある古新聞は、2002年の日本ダービーを展望する記事の中で、「タニノギムレット、ノーリーズン、テレグノシスの3強の争い」と紹介しているのだが、前述の三強たちに比べれば格落ち感は否めない。日本人が三強という枠組みを好むせいなのかしらんが、こういう記事を目にすると、マスコミが無理矢理に三強を捻り出すこともあるように思える。

1999

マウントロブソン(未勝利→あすなろ賞→スプリングS)
アドマイヤダイオウ(未勝利→梅花賞→若葉S)
ディーマジェスティ(未勝利→共同通信杯)

一昨日の皐月賞には、三強以外にも連勝のまま前哨戦を勝ってきた馬が3頭もいた。しかも、いずれもディープインパクトの産駒。普通なら上位人気になっておかしくない。なのに揃って6~8番人気に留まった。私はひそかに彼らを「裏三強」と呼んで応援していたのだが、そこから勝ち馬が出たことはささやかな痛快事である。

今年の牡馬クラシック戦線では、例年以上に無敗馬の存在がクローズアップされてきたように思う。

無敗のままデイリー杯を制したエアスピネルがまず注目を集め、それを朝日杯で破ったリオンディーズは無敗の2歳チャンプとなり、さらにホープフルSを勝って2戦2勝としたハートレーこそ実力ナンバーワンではないか?と騒がれ、年が明けると、マカヒキ、サトノキングダム、サトノダイヤモンド、ドレッドノータス、レーヴァテインらが新馬~特別を連勝して、無敗のクラシック候補生が次々と誕生した。

最近は、一部の牧場の思惑によりクラシック有力候補が前哨戦を使い分ける傾向にある。しかも有力であればあるほど、早い時期にぶつかることは少ない。背景には、トライアルを使わないでも本番に臨めるプライベートなトレーニングセンターの存在もある。メジャーエンブレムや昨年のルージュバックを思い出してみると良い。こうした事情が「無敗のクラシック候補」をますます増加させている。

しかし、どれだけ強い馬でも一度や二度の負けは本来仕方のないもの。オルフェーヴルは皐月賞を勝つまで(2,2,1,1)だったし、昨年のドゥラメンテにしても(2,2,0,0)だった。むろん敗戦で得るものもある。今年に限れば、みんなの視線が例年以上に厳し過ぎたのではあるまいか。実際、三強と裏三強の実力差はほとんどなかったはず。たとえあったとしても、オッズはそれに見合うものではなかった。そんな現象を生み出したのは、マスコミと言うよりは、三強という枠組みにそこはかとなく落ち着きを感じる、我ら日本人の特性だったように思えてならないのである。

 

***** 2016/04/19 *****

 

 

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