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2016年3月19日 (土)

海外流出を防げ

ドバイミーティングに参戦する日本馬総勢10頭が、無事ドバイに到着したというニュースを聞いたのは17日だったか。翌18日にはヌーヴォレコルトが香港・クイーンエリザベスⅡ世C招待を受諾したと伝えられ、さらにエイシンヒカリの仏・イスパーン賞遠征プランも明らかになった。トーセンスターダムは豪州へ。昨年の年度代表馬・モーリスは香港マイルで始動するらしい。この春海外遠征を目論む日本馬は、判明しているだけで15頭。うち7頭がGⅠ馬という顔ぶれだ。

ここ数年、春になるたび年度代表馬やダービー馬が日本を留守にするのには訳がある。日本国内では春シーズンに芝の中距離GⅠが行われない。天皇賞(春)はその距離3200mが特殊領域。安田記念はマイラーの舞台だし、なにより6月では既に夏競馬ではないか。それなら春は海外に行くしかない。しかも海外の方が賞金は高い。

そんなタイミングで「産経大阪杯がGⅠ昇格か?」というニュースが飛びこんできた。来年春の昇格をJRAサイドが検討しているというのである。むろん、こうした有力馬の“海外流出”を意識した改変であることは言うまでもない。

Dance 

GⅠの新設は2006年のヴィクトリアマイル以来途絶えている。この時も「新設するなら牡馬混合の芝2000mだろ!」という声は大きかった。その根拠のひとつとなったのが、前年の天皇賞(秋)で、皐月賞馬ダイワメジャーがまさかの賞金除外となったあの一件である。この当時から、もっともレベルの高い競馬をファンに提供するために必要な条件が牡馬混合の芝2000mにあることは、誰も目にも明らかだった。

春に芝2000mのGⅠが行われていれば、シンボリクリスエスやゼンノロブロイが宝塚記念まで始動を遅らせることは無かっただろうし、エアグルーヴやサイレンススズカらの活躍の場は、もっともっと広がっていたと思われる。一方で、ハーツクライやヴィクトワールピサのような海外での快挙が生まれなかった可能性も否定できない。

ドバイの結果に一喜一憂するのが春の恒例行事と化した今となっては、わざわざ国内にGⅠを用意してもらわなくても良いよとも思ったりするが、仮に産経大阪杯がGⅠになったところで、条件次第では海外に行く馬は行くのではないか。……そうも思ったりする。

今年の産経大阪杯に出走予定のロゴタイプやイスラボニータは、もともと豪州のクイーンエリザベスS(ランドウィック・芝2000m)への遠征を展望していた。日本ではあまり馴染みのないGⅠレースだが、それでも1着賞金は2億円を超える。ドバイシーマクラシックやドバイターフの1着賞金は破格の4億円。香港クイーンエリザベスⅡ世Cでも1億6千万円だから、天皇賞の賞金より高い。

産経大阪杯がGⅠになったとして、その1着賞金は果たしていくらに設定されるのだろう。仮に1億円程度だとしたら、GⅡレベルのGⅠ馬を徒に誕生させてしまうだけではないか。私の危惧はその辺にある。

(明日付に続く)

 

***** 2016/03/19 *****

 

 

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