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2016年3月 5日 (土)

銀行馬券

「競馬に絶対はない」

古来より幾度となく繰り返されてきた手垢にまみれたフレーズである。その一方で最近では「銀行馬券」とか「銀行レース」という言葉を耳にする機会が少なくなった。

Turf 

1992年春の天皇賞は、無敗の2冠馬トウカイテイオーと春天連覇を目指すメジロマックイーンの一騎打ちが濃厚。敢えて「絶対」と言い切るTV解説者もいた。

2頭の連勝は150円の超低配当。それでも「銀行に預けるよりも儲かる」と言って2頭の連勝に大金を注ぎ込む輩が大挙窓口に押しかけたが、トウカイテイオーがよもやの5着に沈み「銀行馬券」は破綻する。その後、トウカイテイオーの骨折が報じられると、破綻の被害者からは自らの運の悪さを呪う声も聞こえてきたが、馬がレース中に骨折を発症することはそれほど珍しいことではない。

「銀行馬券」とか「銀行レース」という呼び名はずっと昔からあったようだ。

5戦続けて1着と2着を繰り返したトキノミノルとイッセイの当時には、新聞に「銀行レース」の文字が登場している。両馬の最後の対戦となった日本ダービーでは、トキノミノルの永田オーナーがこの2頭の銀行馬券を100万円買って的中を果たした。ちなみに100万円という額は当時の日本ダービーの1着賞金と同額。現在なら2億を突っ込む行為に匹敵する。いったい馬券は何枚になるのだろうか。

過去にもっとも騒がれた「銀行レース」は、1970年の日本ダービーに違いない。タニノムーティエとアローエクスプレスの対決である。普段は馬券など買ったこともない商社マンや主婦までもが2頭の連勝馬券に群がるという社会現象を引き起こしたが、タニノムーティエが優勝を果たす一方で、アローエクスプレスは5着に敗れている。

こうした例に留まらず、社会現象になるほどの銀行馬券には、たいてい破綻が待ち受けているものだ。さらに90年代も後半になると、本物の銀行がリアルに破綻することも珍しくなくなり、「銀行馬券」という言葉自体もどこかへ消えてしまった。

そもそも、投資にしても銀行預金だけでなく様々な商品が巷に溢れ、より投機的な商品に人気が集まる時代である。馬券にしても同じこと。今では枠連以外にも様々な種類が用意されているが、一攫千金が望める3連単の人気がもっとも高い。だいたいがマイナス金利の現代においては、銀行に預けたところで実質的に元返しではないか。これでは「銀行馬券」が死語になるのも仕方がない気がする。

明日の弥生賞はマカヒキ、リオンディーズ、エアスピネルの人気が抜けている。この3頭の3連複の前売オッズは、なんと1.9倍。だからといって、この馬券が絶対確実という保証はどこにもない。それが競馬だ。

 

***** 2016/03/05 *****

 

 

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コメント

私は、春天

ナリタブライアンvsマヤノトップガンの
銀行レースで破綻し学びました。

投稿: tsuyoshi | 2016年3月 8日 (火) 11時32分

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