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2016年3月12日 (土)

船橋・岩手ジョッキーズ

昨日の船橋競馬場では、「東日本大震災5周年復興支援 船橋・岩手ジョッキーズ交流レース」が行われた。船橋と岩手の所属騎手6名ずつが2戦してポイントを争う騎手対抗戦。その馬券売り上げの5%が日本赤十字社を通じて震災被災者の方々へ寄付されるとあって、それならたくさん馬券を買わねば!と馳せ参じたのである。

Jocky 

ここ船橋競馬場は「被災地」である。

激しい揺れに見舞われた馬場はあちこちに亀裂が走り、そこから噴き出した泥水でコースは使い物にならなくなった。厩舎地区の電信柱は傾いて停電。加えて断水のトリプルパンチである。南関東の開催中止のうち、大井、川崎、浦和の3場は自粛の色合いが濃かったが、こと船橋に関して言えばここが被災地ゆえであった。開催したくでもできなかったのである。あの当時を思い出すに、このようなイベントが船橋で行われたことはたいへん意義深い。

シリーズ1戦目を制したのは山本聡哉騎手(岩手)のサンチュータ。直線に向くと、外から豪快に突き抜けた。

8r 

シリーズ2戦目は菅原俊吏騎手(岩手)のクラマサジョーカーが逃げ込みを図るが、それをゴール寸前で捉えたのがシンボリパソドブレ。手綱はまたも山本聡哉騎手である。地元岩手は冬季のオフシーズンに入っており、昨日は2か月ぶりの実戦だったが、その勝負勘に陰りは見られなかった。

9r 

彼は厳密には水沢所属である。水沢競馬場は、3.11の震災およびその1か月後に発生した震度6弱もの余震の影響で、船橋を遥かに上回る被害を受けた。スタンドにはヒビ。併設するテレトラックは天井やモニターテレビが落下。盛岡は5月に再開にこぎつけたのに、水沢の復旧は見通しが立たない。震災前は約500頭だった水沢の在厩馬は300頭近くにまで減った。水沢所属の騎手のひとりとして、当時は若手騎手のひとりだった彼の心中は察するにあまりある。

あれから5年が経ち、彼は岩手競馬の騎手リーディングで首位を快走中。昨年はダービー(ダイヤモンドカップ)も勝った。来週はラブレットで高知・黒船賞にも参戦予定。週末からは春の水沢開催が始まる。今年は忙しくなりそうだ。

Interview 

「競馬をさせてもらえる環境が凄いありがたいと思うので、風化させないという気持ちを競馬場から発信していけたらいいと思います」

シリーズ完全優勝を果たした表彰式でそうコメントした山本聡哉騎手は、今や押しも押されもせぬ岩手のトップジョッキーである。風化を防ぐ一番の手立ては、彼がひとつでも多く勝つことであろう。

 

***** 2016/03/12 *****

 

 

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