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2016年2月19日 (金)

失言

政治家の「失言」騒動が引きも切らない。

高鳥内閣府副大臣の「ブルーチーズ」に始まり、高市総務相の「停波」、丸川環境相の「放射能」、溝手自民参院議員会長の「うらやましい」、丸山参院議員の「黒人」、等々。しかも自民党だけに留まらず、民主党の中川元文部科学相までも「安倍首相の睡眠障害を勝ち取ろう」と発言して物議を醸した。

政治家の失言をいちいち取り上げて辞任や謝罪を求める―――。そんなシーンが繰り返されるたびうんざりする。失言をした側にではない。追及する方にである。メディアにとってはボーナスステージみたいなシチュエーションだから、ここぞとばかりに攻め立てるわけだが、それで発言者が辞めたり、あるいは謝って幕引きというのなら、それは結果として間違っているように思えてならない。

例外はあるけど、私は基本的にはマイクを向けられる人の発言はもっと自由であって良いと考えている。さもないとその人の本心が分からない。政治家はなおさら。好きなようにしゃべらせて、その政治家がウラでは何を考えているかを選挙民に開示する。それこそが文字通り「メディア(媒介)」の仕事であろう。言葉狩りの果てに、相手がしゃべらなくなったら、メディアは食いっぱぐれるしかない。

広辞苑によれば、「失言」とは「言ってはいけないことを、不注意で言ってしまうこと」とある。「放言」や「暴言」に比べて「ついうっかり」のニュアンスが強い。英語にも同じ意味「slip of the  tongue(舌の滑り)」という表現があることを踏まえれば、うっかり口が滑ることは、洋の東西を超えた人間の性(さが)と言えそうだ。それならば失言に対してもう少し寛容であっても良さそうだが、以前なら「言い過ぎだぞ」とたしなめられて終わるケースでも、メディアや情報機器の発達により噂やニュースになってたちまち広範な人に知られてしまう時代状況がそれを許さない。

競馬の世界でも発言には注意が必要とされる。出走する馬の調子を尋ねられて、誰もが判で押したように「良い」と答えるのはその最たる例であろう。うっかり「悪い。とても勝負にならない」なんて正直に答えたりすれば、馬主は怒るだろうし、主催者は故意に負けることを示唆したとして発言者を罰することになる。実際、そういう騒ぎも過去にはあった。

逆に調子の良さをアピールするあまり、「この程度の相手に負けるはずがない」などと口を滑らせてしまえば失言になる。これもたまにありますね。対戦相手を怒らせるだけだし、もし負けてしまえば、自分の馬の関係者やファンをも怒らせる結果になる。ひとつも良いことはない。口は災いの元だ。

Lian 

昔、レース実況中についうっかり「そのまま!」と叫んでしまった解説者もいる。有馬記念で大川慶次郎氏が発した「ライアン!」の声にしても、杓子定規に捉えれば大きな失言に違いない。だが、大半の人は大川氏の声を好意的に捉えた。ゴール前で思わず本音が出るのは、競馬ファンなら誰しも経験があるからであろう。

 

***** 2016/02/19 *****

 

 

 

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