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2016年2月 5日 (金)

頂上遥かなり

なんとなくユングフラウ賞の話のつづき。

このレースが近づくたび、知人から「ユングフラウって馬がいたのか?」と聞かれたエピソードを思い出す。モエレエターナルが勝った年だから、かれこれ7年前の話だ。

Moere 

「ユングフラウ」はたしかに馬の名前にありそうな響きだが、残念ながらこれはセントライトやシンザンのような名馬の名前ではない。スイスアルプスにそびえる山の名前。標高は4158mで、その名はドイツ語で「乙女」を意味する。この時季に行われる3歳牝馬限定戦の名称としては、なるほど悪くない。美しさと気高さを感じさせる。

ところで来週は大井で雲取賞が行われるが、この「雲取」も山の名前に由来する。ユングフラウ賞が桜花賞のトライアルなら、雲取賞は羽田盃の重要なステップレース。そもそも山の名前を頂いた重賞レースは数が少ない。JRAでは富士ステークスのみ。南関東でも、準重賞を含めたところでこの2鞍しかない。それが立て続けに行われるのは、3歳クラシック戦線を登山になぞらえてのことだろうか―――。

よもや主催者にそんな意図があるとも思えぬが、こう続くとそんな勝手な想像もしたくなる。むろん頂上は東京ダービーで異論はあるまい。その頂を遥か遠くに眺めつつ、今はこの先に待ち構える険しい山道に備えて力を蓄えているところ。むろん頂上にアタックできるのは、選ばれた一部のメンバーだけだ。

雲取山にしても、登山をする人でなければ耳にする機会は少ないかもしれない。私自身、この大井の準重賞で名前を聞くことがなければ、その存在すら知ることはなかった。

東京都、埼玉県、山梨県の3県にまたがる雲取山は、実は東京都の最高峰だという。「都内最高峰」と聞いても、たいしたことのないように聞こえるかもしれないが、なんとその標高は2017mもある。ちなみに高尾山は599mだから比較にならない。よって登山者の遭難事故もしばしば。「都内の山」だからとナメてはいけない。

一方で、レースの「雲取」の方も、準重賞だからと言ってナメてかかると痛い目に遭う。過去、このレースを足掛かりにクラシックを制した馬は、グレイドショウリ、ツキフクオー、セントリック、サプライズパワー、ミスジュディ、シーチャリオットと列挙に暇がない。ここ数年はしばらく落ち着いているが、それでも3年前のこのレースを勝ったアウトジェネラルは、その後に羽田盃を制した。いまだメジャーな登山ルートのひとつであることに変わりはない。

Kumotori 

雲取賞は来週火曜日のメインレースで行われる。ぜひとも注目していただきたい。心配された雪も、どうやら降られずに済みそうだ。登山であれ競馬であれ雪は歓迎されない。

 

***** 2016/02/05 *****

 

 

 

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