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2016年2月15日 (月)

申告の季節

社台で一口馬主を続ける知人からのメールに確定申告の話が書いてあった。稼ぎ過ぎも考えもの。気の毒に思うと同時に羨ましくも思う。私の馬はまったく稼いでくれなかった。加えて原稿料収入も昨年はついにゼロに。それなのに私も御多分に漏れず税務署には行かなくてはならないのである。あ~、面倒くさい。

Kanban 

実は昨年、馬券の的中で5億円ほどの一時所得があったので、ほんの僅かだけど国家に貢献するため税金を納めにやって来た……というのはもちろん嘘。まあおわかりでしょうけど諸々の還付申請ですよ、そりゃ。

ともあれ世の中はいずこも同じ確定申告の季節。他のスポーツ選手同様、この時季、騎手たちも頭が痛い。騎手の収入は、賞金の5%と約3万円の騎乗料が主だから、税務署から見れば明朗会計だ。常に命を危険にさらしている割に、騎手の収入の歩留まりは悪い。

1997年春。岡部幸雄、武豊、横山典弘ら東西の有力騎手たちが一斉に国税の税務調査を受け、過去3年間に遡って申告漏れを指摘されるという事態が発生した。追徴税額額はそれぞれ2千万円~5千万円にも及び、新聞・TVは「有名騎手たちが申告漏れ」という見出しで、これを報じたのである。

だが、本来これは税務当局の非が問われるべき案件であった。先ほども書いたように騎手の収入はガラス張りである。申告のポイントは経費算出ということになるが、「35%の経費率を以て算出する」という税務当局が認めた慣例があり、騎手たちはそれに従って申告していたに過ぎない。

だが、この年突然当局は税務調査に踏み切った。その理由は、「騎手によって収入が大きく異なるのに、経費率が同じであるはずない」というもの。

そりゃそうだ。だが、それをいうなら、事前に次の申告からはこの慣例は適用できない旨を通達するべきであった。それなのに、唐突に掌を返して税務調査を行っただけでなく、過去にも遡って税金を搾取するなど話にもならない。他人の申告漏れを指摘する前に、自らの指導漏れが問われるべきだ。

しかももっとひどいのは、それを新聞各社やTV各局にリークして、報道するようそそのかしたことだ。普段、競馬関係者には努めて優しく、役人にはことのほか厳しい姿勢で臨むはずのマスコミも、このときはなぜか国税の言いなりだった。

「中央競馬××騎手の申告漏れが判明し……追徴課税○千万円を……」

なんて記事を平然と掲載して、そして申し訳程度に騎手本人の談話を添えるのである。

「税務署で認められてきた通りに申告してきたので、驚いている」

経費率35%の慣例はマスコミ関係者にしてみれば周知の事実であり、ちょっと調べれば……、いや普通に考えても当局の言っていることのほうがおかしいと気付いたはず。なのに、まるで騎手が意図的に所得隠したかのような印象を与えてしまうような報道姿勢に終始した。

この件に限らず、マスコミは税務当局との対峙を避けたがる。たとえ自らの社が税務調査を受けても、反論記事を掲載したりすることはなく、広報のコメントとして遺憾の意を示す程度だ。

まあ、税務署とイザコザを起こすのは誰だって嫌なもの。大のオトナが寒風の中わざわざやってきて、文句のひとつも言わずに長々と待たされている光景をこうして眺めてみると、分からないでもない。そうこうするうち花粉も容赦なく飛び始めた。つくづく気が滅入る季節だ。

 

***** 2016/02/15 *****

 

 

 

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