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2016年2月21日 (日)

小さな体に大きな夢

「ノンコノユメってオスだったの?」

競馬場へ向かう南武線の車中でそんな会話が聞こえてきた。

誤解をしている人、あるいは最近まで誤解していた人は少なくあるまい。愛情を込めて「ノンコちゃん」と呼ぶファンもいる。それでも牡馬であることは変えようがない。間違ってもらっちゃあ困る。それなのに、フェブラリーSのパドックに現れたノンコノユメを一目見て、あれ? 間違っているのは俺の方か?と一瞬戸惑った。

Nonko 

出走16頭中もっとも軽い馬体にクリッと潤んだ瞳。お尻のサイズもダートの強豪馬にしては小さい。この中から1頭の牝馬を探せ!というお題を出されたら、私は迷わずノンコちゃんを選んでしまいそうだ。

それにしても、この小さな身体のどこに、あの爆発的な末脚を繰り出すエンジンが隠されているのだろうか? ダートの強豪馬と言えば500キロを超すのが当たり前のご時世である。過去10年のフェブラリーSのうち9回までの優勝馬が500キロオーバー。そして今日のレースでも目の前のパドックを周回する16頭のうち15頭が490キロを超えている。ただ一頭だけ、ノンコノユメが454キロと突出して軽い。

Paddock 

ただし、そういう意味では昨日の雨はノンコノユメに味方しそうだ。水分を含んだ馬場はパワーよりもスピードが優先される。実際、午前の3歳未勝利戦では、1分35秒7という破格の時計が飛び出した。これならフェブラリーSは34秒台前半の決着となるに違いない。

一方で調教師は時計が早過ぎることへの不安を隠さなかった。ノンコノユメは追い込み一手。だが、これだけ馬場が早いと1頭くらい止まらない先行馬が出てきてもおかしくない。結果その不安は的中した。ノンコノユメは期待通りに34秒7という芝並みの上がりで追い込んで見せたのに、ひと足先に抜け出したモーニンがゴール板を駆け抜けていたのである。

Feb 

1分34秒0の勝ち時計はレコード。実は前走の根岸Sもレースレコードの1分22秒0という猛時計で勝っていただから、モーニンの陣営にしてみれば時計勝負なら自信があったのかもしれない。でも私はレコードでの快走から中2週では疲労が抜け切らないのでは?と思ってしまった。それが2戦連続の激走だから素晴らしい。思えばデビューからまだ1年も経っていない4歳馬。その若さの前には、中年男の危惧など関係なかった。

Feb1 

ノンコノユメはチャンピオンズCに続きまたも2着。能力は誰もが認めるところだが、将来の種牡馬入りを展望するなら結果が欲しい。ノンコノユメは、亡き父「トワイニングの夢」でもあり、「軽量馬の夢」でもあり、私にとっては「関東の夢」でもある。フェブラリーSでの関東馬の勝利は、1998年のグルメフロンティアを最後に途絶えたまま。悲願は今年も持ち越された。毎年のように馬場貸しを見せつけられて面白いはずがない。ノンコノユメには来年のリベンジを期待しよう。と同時に、同期モーニンとのライバル物語を紡いでいってほしい。

 

***** 2016/02/21 *****

 

 

 

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