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2016年2月10日 (水)

万事塞翁がイナリワン

「平成の3強」と聞けば、ウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンではなく、マヤノトップガン、サクラローレル、マーベラスサンデーでもなく、やはりイナリワン、オグリキャップ、スーパークリークの3頭を思い浮かべる私である。だから先日飛び込んできた訃報に、一瞬言葉を失った。イナリワンが死んだという。その年齢を聞いてまた驚く。32歳。「平成の3強」は遠い昔の話になった。そう痛感せずにはいられない。ひとつの時代が終わったという感慨も募る。

Inari 

3強の中でも私はイナリワン贔屓であった。理由を書く必要もあるまい。なにせもともとは大井の馬である。大井でデビューし、大井の東京王冠賞を勝ってクラシックホースとなり、大井の東京大賞典を勝って地方の日本一となった。それが翌年の天皇賞(春)と宝塚記念と有馬記念を勝ってJRA年度代表馬に選ばれるのだから、これほどの痛快事はない。だから今回、イナリワンの訃報を伝える記事に「重賞2着5回のシグナスヒーローを送った程度」と書かれていることには、多少なりとも憤りを覚える。

イナリワン産駒の稼ぎ頭は東京記念や大井記念など南関東重賞4勝のイナリコンコルドだ。その獲得総賞金は2億4535万円にも及ぶ。「重賞2着程度」と評されるシグナスヒーローにしても2億3939万円を稼いだ。さらに東京王冠賞の父子制覇を成し遂げたツキフクオーも忘れてはならない。彼も南関東重賞2勝で、その獲得賞金は1億1407万円にも達する。獲得賞金が1億円を超える産駒を送り出しているのは、3強の中ではイナリワンだけ。それが3頭となれば差は歴然であろう。さらに付け加えれば、母の父にイナリワンを持つテンケイだって1億円を稼ぎ出しているのである。ミルリーフの血を軽く見ないで欲しい。

ところで、この横断幕をご存じの方はいらっしゃるだろうか。知っているすれば、写真に並んでいる関係者の方か、あるいはよほどのイナリワン・フリークか、そうでなければ熱心な「別冊宝島」の愛読者であろう。

Oudanmaku 

人間万事塞翁がイナリワンじゃ!

今では規定サイズをゆうにオーバーするその大きさもさることながら、なによりそのメッセージが独特であるとして当時話題になった1枚である。が、この横断幕が掲げられたのは89年秋の天皇賞当日の東京競馬場。あろうことかイナリワンは6着に敗れて、ショックのあまり一同アワを吹いた。

ちなみに勝ったのは3強の一角、スーパークリークと武豊。それが私を初めての有馬記念観戦へと奮い立たせた。有馬記念は混むのでできれば行きたくない。それでもスーパークリークにリベンジを果たすならこの舞台しかないと信じ、私なりに頑張って出かけたのである。結果、ゴール強襲のハナ差勝ち。あの興奮と感動は今なお忘れ難い。おかげで翌年のオグリキャップの有馬記念にも、混雑を覚悟で行ってみる気になれた。どちらのレースもつくづく見ておいて良かったと思う。それというのも、秋の天皇賞でイナリワンが負けて悔しい思いをしたおかげ。万事塞翁がイナリワンなのである。

 

***** 2016/02/10 *****

 

 

 

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コメント

あの当時は券面に馬名は表示されてませんでしたけど、それでも記念に取っておいたりしましたよねhappy01

投稿: 店主 | 2016年2月11日 (木) 20時23分

私の初めての馬券は、いつのレースか忘れましたが、イナリワンの単勝でした。外れたのでその3レースではない事は確かです。合掌。

投稿: tsuyoshi | 2016年2月11日 (木) 13時41分

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