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2015年12月 1日 (火)

長距離の遺伝子

関東の競馬はいよいよ暮れの中山開催に移る。初日のメインは師走の中山名物ステイヤーズS。関東のベテラン横山典弘騎手は、このレースが1997年にGⅡに昇格以降、9回騎乗して(5,1,1,2)だから凄い。

Nori 

俗に「長距離は騎手で買え」と言われる。「馬7:人3」とされる力量の比率が、「人4」あるいは「人5」にもなる。折り合い、駆け引き、ペース判断、そして仕掛けのタイミング。とかく長距離戦は騎手の技量差が出やすい。

なかでも大事なカギを握るのはペース判断。だが、天皇賞(春)の3分15秒やステイヤーズSの3分45秒をピタリと計れるか? そう質問されて「できる」と答える騎手などほとんどいない。じゃあ、実際のレースではどうしているのか?

「ノリさんのポジションで判断します」

「ユタカさんに付いていくだけだよ」

ペース判断に長けた騎手はごく一握り。横山典騎手と武豊騎手が東西の双璧だ。彼らの位置取りを見ながら、他の大半の騎手はペースを知る。ゆえに、この二人が不在の長距離戦は乱ペースによる紛れが生じることも。ヒシミラクルが勝った菊花賞などはその典型であろう。

なかでも菊花賞のセイウンスカイでの逃げ切り、天皇賞(春)のイングランディーレの独走など、横山典騎手は正確無比のペース判断を誇る。負けはしたが、アドマイヤジャパンの菊花賞などはその最たる例ではあるまいか。禁忌とされる坂での仕掛け。それがあわやのシーンを演出し、結果的にディープインパクトの三冠達成がより衝撃的なものとなった。興醒めのスローペースでレースの評価を下げたりはしない。

思えば、記念すべき第1回のステイヤーズSを勝ったのは横山富雄騎手。横山典騎手のお父さんである。絶妙なペース判断は血筋かもしれない。今年はカムフィーで参戦予定。1600万条件で6連敗中の馬が別定GⅡに挑むのだから正直ハードルは低くはないが、カムフィーの父はと見てみればダンスインザダークである。人馬に受け継がれる長距離のDNAを意識しながら、3分45秒のドラマを楽しみたい。

 

***** 2015/12/01 *****

 

 

 

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