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2015年11月25日 (水)

夢の続き

「強い責任を感じています」

栗東トレセンで緊急会見を開いた松田国英調教師が沈痛な面持ちでそう語ったのは、2010年の日本ダービーを翌日に控えた5月29日のこと。この年のNHKマイルを日本レコードで制した有力馬ダノンシャンティに骨折が判明。無念のダービー取消を余儀なくされたのである。

あれから4年半。そのダノンシャンティの初年度産駒のスマートオーディンが東京スポーツ杯2歳Sを勝ち、父に初めての重賞タイトルをもたらした。

Smart 

スローペースながら後方3番手の位置取り。これで届くのかと不安を覚えた直線だったが、大外に持ち出されると、あっという間に馬群を飲み込んでみせた。上がり32秒9は、ひと言凄い。実況が「父譲りの瞬発力!」と叫べば、武豊騎手は「すごい切れ味!」と興奮を隠し切れぬ様子。だが、誰より喜んだのは松田国調教師ではあるまいか。自らが手がけたダノンシャンティの産駒で、再び夢の続きを見ることができる。これ以上の喜びはあるまい。

一方で、かつて松田国厩舎の調教助手としてダノンシャンティを手がけた高野友和調教師は、1番人気ロスカボスを送り込みながらかつての相棒の末脚に屈した。こちらの心中はいかほどか。

それにしても、フジキセキを父に持つ種牡馬の勢いは目覚ましい。2歳サイアーランキングでキンシャサノキセキが4位と健闘すれば、ダノンシャンティも新種牡馬ランキングで3位に浮上した。カネヒキリも先日のハイセイコー記念をトロヴァオが制するなど、ダートで存在感を示している。

フジキセキはサンデーサイレンスの直子として最も早い1995年から種付けを始め、多くの活躍馬を送ってきたのだが、不思議なことに後継種牡馬には恵まれなかった。それが、自身の種牡馬引退とほぼ同じタイミングでこの3頭が頭角を現すのだから、偶然にしてもでき過ぎの感がある。もちろん、イスラボニータがここに加わることも間違いない。

サンデーサイレンス系と呼ばれた父系血脈は、いずれ「ステイゴールド系」とか「ディープインパクト系」などと分類される日が来るが、ちょっとベテランの競馬ファンなら、そこに「フジキセキ系」も加わってほしいと願っていることだろう。そのためには、フジキセキの孫世代に早くGⅠのタイトルが欲しい。

そういう意味では、京王杯2歳Sと東スポ杯2歳Sをそれぞれフジキセキの孫が勝った事実は見逃せない。特にスマートオーディンについては、「来年のダービー馬」とか「オークス馬」などと前評判の高かった相手を一蹴したのだから、スケールの大きさは文句なしであろう。松田国調教師の調教方針も含め、今後も目が離せそうもない。

 

***** 2015/11/25 *****

 

 

 

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