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2015年11月 3日 (火)

ラブリーデイの憂鬱

思えば今年の正月の時点では重賞未勝利。一介のオープン馬に過ぎなかった。

ところが明けて5歳の中山金杯でアッサリ重賞初制覇。ただしここはハンデ戦である。フランシス・ベリーの腕にも助けられた。内枠有利の馬場状態で2番枠を引いた運も見逃せない。この時はたしかその程度の評価だった。

続く京都記念は別定GⅡだから斤量の恩恵はない。ところがこのレースは、ハープスターとキズナという我が国の2大スターホースが出走するとあって、GⅡとは思えぬ熱気に包まれていた。ハープスターの単勝オッズ1.8倍。キズナは2.3倍。その両馬が後方で牽制し合うのを尻目にまんまと先行して勝ったラブリーデイの評価は、高いものだったとは言い難い。実際、翌日の新聞では、勝ったラブリーデイよりも負けたハープスターやキズナの記事に多くの紙面が割かれていた。

2番人気で臨んだ鳴尾記念は2馬身差の圧勝。だが、あろうことか、このレースは土曜日の重賞だった。しかもダービーと安田記念の狭間とあっては、大きく取り上げられずはずもない。このころになってようやく、この馬が背負う不思議な宿命に気づき始めた。池江調教師の管理馬で金子オーナーの勝負服なら、もっと人気を集めてもおかしくはない。上半期だけで重賞3勝。そこで負かした相手は、ロゴタイプ、ハープスター、キズナといった一流馬。しかもそのすべてがレコード勝ち。なのに宝塚記念でも6番人気に留まるのである。

秋初戦の京都大賞典でようやく1番人気の栄誉を掴むが、3.1倍というその微妙なオッズにファンの心理が現れていた。重賞未勝利馬のサウンズオブアースでさえ3.9倍。このレースでラブリーデイが見せた上がり32秒3の鬼脚は、自身の評価が上がらないことに対する抗議のパフォーマンスだったのかもしれない。

迎えた天皇賞。「それでも」はまだ続く。

直前まで1番人気はエイシンヒカリで、ラブリーデイへの票は思いのほか伸びない。絶好の秋晴れなのに入場者数は前年比減。ゴール後の盛り上がりもいまひとつで、ウイニングランの浜中騎手が手を振って観衆を煽るシーンもあった。1番人気が勝ったGⅠレースでこのような光景は過去に見たことがない。むしろゲストの東出昌大さんへの歓声の方が、大きかったのではあるまいか。

Hamanaka 

2歳時から重賞戦線で活躍していてダービーにも出ているから、遅れてきた大物とも言い切れぬ。この勝負服では「苦労人」のイメージも抱きにくい。ごくありふれた黒鹿毛で、好位追走からゴール前でちょいと前に出るだけのシンザンタイプ。ハラハラの大逃げを打つわけでもなく、かといって豪快な追い込みを見せるわけでもない。良くも悪くも個性に乏しい。

Lovely 

調教師の口からは次走JCが明言された。それを聞いていた記者が、JCを勝てば年度代表馬かなぁ……と呟く。

いや、ドゥラメンテの2冠は確かに凄いが、宝塚記念、天皇賞、JCの3勝には及ぶまい。それでも記者は悩むのである。これひとつ取っても、ラブリーデイの置かれた立場を端的に表している。JCにはミッキークイーン、ゴールドシップが参戦予定。よもやラブリーデイが1番人気を譲るなんてことはあるまいな。

 

***** 2015/11/03 *****

 

 

 

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