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2015年11月21日 (土)

ふるさとより

佐賀県の某町から佐賀牛が届いた。

Sagagyu 

べつにいかがわしいことをしたわけではない。だが、ちょっとだけ寄付させていただいた。いわゆる「ふるさと納税」。お肉はその返礼品である。証明書によれば父は黒毛和牛界のサンデーサイレンスと名高い「北福波」。さすがは佐賀牛。心していただくことにする。

Ketto 

ふるさと納税に手を染めたのはこれが初めてではない。初めての寄付先は北海道の帯広市だった。ばんえい競馬が存廃の淵で揺れていた当時のこと。「ばんえい競馬の存続に役立ててください」。郵便局の振込用紙にそう附記した覚えがある。ふるさと納税制度が生まれた最初の年だった。返礼品なんてあっただろうか。残念ながら記憶はない。だが、その当時は返礼品など問題ではなかった。

それが今では、牛肉や果物といったその土地の特産品はもちろん、パソコンや一眼レフカメラが寄付のお礼としてもらえる時代である。郵便局に行く必要もない。ネットで欲しい返礼品を探してクリック一発。これでは単なるネットショッピングではないか。

己の住まう街を顧みることなく、返礼品に釣られて見ず知らずの土地に税金を払う。これが「税」というシステムのあるべき姿なのか? それがずっと気になっていた。利に走って理を違えるような真似だけはしたくない。そんなわけで、周囲がふるさと納税でアレをもらった、コレが届いたと盛り上がるのを横目に、私自身はふるさと納税と関わらぬ生活を送っていた。

心変わりの原因は、「ふるさと納税した村に行ってみたらたいそう楽しかった」と話す知人の言葉である。ふるさと納税でその村のことを初めて知った。ふるさと納税がなければ絶対に行くことはなかった。そんな話を聞いて、「ああ、たしかにそれは良いコトだなぁ」と山下清風にしみじみ感じたのである。

経緯はともかく、佐賀牛をいただいたからには佐賀牛の素晴らしさをお伝えせねばなるまい。

佐賀県内の和牛は1961年に関西の市場に初進出を果たした。のちに、歩留等級がA、Bでありかつ、肉質等級が最上級の5等級の黒毛和種に限り「佐賀牛」の名称が与えられるようになり、ブランドの定着が図られる。その最大の特徴は和牛ならではの霜降り。赤身と脂肪が織りなすマーブル模様がなんとも美しい。ステーキ、焼き肉、しゃぶしゃぶ―――。どんな食べ方でも、とろけるような柔らかさと、濃厚な味わいを楽しむことができるが、私としてはやはりすき焼きにこだわりたい。和牛の歴史はすき焼きへの適合の歴史だと信ずるが所以である。

ちなみに1961年と言えば、坂本九さんのヒット曲「上を向いて歩こう」が発売された年でもある。この不朽の一曲は、英米において「スキヤキ」の曲名で大ヒットした。その由来には諸説あるのでいちいち紹介しないが、すき焼きがこの時代の日本を代表する料理であったことは間違いあるまい。

先週の東京でウエヲムイテアルコという馬が走っていた。字面を見ただけではこれがあの曲名だと気が付かないかもしれない。マンハッタンカフェ産駒の2歳牡馬。新馬3着なら次は当然勝ち負けの期待がかかる。首尾よく勝った暁には、関係者におかれては是非とも佐賀牛のすき焼きでお祝いしてもらいたい。

 

***** 2015/11/21 *****

 

 

 

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