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2015年11月17日 (火)

かける言葉が見つからない

天皇賞当日の東京競馬場ですっごく久しぶりに会ったカメラマンがいた。私の記憶に間違いがなければ、最後に会ったのはミッドナイトベットが勝った香港カップ当日の沙田競馬場。となれば、なんと17年ぶりの再会ということになる。

それで、「久しぶり」とか「仕事どうしてる?」とか「今どこに住んでんの?」みたいな18年ぶりに会う者同士にふさわしいボールのやり取りがあったあと、ふと「奥さん元気?」と聞いてみた。

私は彼の奥さんが元気かどうかを真剣に気にしていたワケではなく、話の流れの中からたまたま引っ張り出してきた話題が「奥さん」だったに過ぎない。別におかしくはない会話の流れだとは思う。でも彼の口から出てきた言葉は「実は離婚したんです」というものだった。

それで私は次の言葉が出て来なかった。「あっ? えっと、う~ん」みたいに口ごもり、相手も「そうなんだ。う~ん」となってしまって、なんとなく「う~ん」のまま別れる羽目になった。あそこで「う~ん」とならずに、もう少し気の利いた言葉が出なかったものか。今でも自問は続いている。

結婚ならすべからく「おめでとう」だけで済む。だが離婚の場合に軽々しく「そりゃ残念だね」と言うのも無責任だし、かといって「すっきりして良かったじゃん」などと言うワケにもいかない。そこには百人百通りの事情があるはずだが、その百通りをひと言で賄える言葉が欲しい。

巷にあれほど『冠婚葬祭挨拶集』のようなマナー本が溢れているのだから、『離婚した男にかける言葉集』なんて一冊があれば良いのにと真剣に思う。

Hongkongcup 

ところで、「かける言葉」と言えば、自分の愛馬が負けてしまった直後の馬主にかける言葉の選択に苦慮することって、よくありませんか?

私はあります。2着、3着なら「次が楽しみですね」で良いだろうし、あからさまな騎乗ミスがあれば騎手を咎めれば済む。困るのは誰が見ても明らかな力負けというシチュエーション。いわんや「3戦続けて二桁着順」みたいに光明が見出だせない場合は特に艱難を極める。

それでも何かしら前向きなポイントを見つけて挨拶に盛り込みたいところだが、それがあまりに些細なコトではかえって白々しくなるし、変な慰めの言葉よりは冷静な視点からの分析を求める馬主も少なくない。よくよく状況を見極めて言葉を探す必要がある。

え~、これはあくまで一般論で、私の周りの特定の馬主さんを書いたものではありません。念のため。(^_^;

だいたいが、ひとつのレースが終わるたびに大勢の「負け馬主」が生まれるのが競馬である。たとえわずか2センチの差であっても負けは負け。競馬が「ほとんど負けるスポーツ」であることを騎手や調教師は良く知っているから、彼らのズボンのポケットには常時20~30個の「言い訳」が詰め込まれている。私の場合は言い訳の必要はないが、慰めの言葉はストックしておきたい。

ともあれ、巷にあれほど『冠婚葬祭挨拶集』のようなマナー本が溢れているのだから、『負けた馬主にかける言葉集』なんて一冊があれば良いのにと真剣に思う。

 

***** 2015/11/17 *****

 

 

 

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