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2015年11月27日 (金)

2頭のゴールドシップ

ジャパンカップと言えば芦毛の印象が強い。

記念すべき第1回の覇者メアジードーツの2着に粘ったフロストキングは芦毛のセン馬。2分22秒2のレコードが飛び出した1989年は芦毛のワンツーフィニッシュだったし、日本の総大将メジロマックイーンを並ぶ間もなく交わし去ったゴールデンフェザントの輝くような芦毛も忘れがたい。だが1996年、シングスピールと大接戦を演じたファビラスラフインを最後に、芦毛馬の連対(3着以内)は途絶えている。

その間、芦毛の活躍馬が現れなかったわけではない。ただ、ちょっと運が悪かった。出走すれば人気になったであろうセイウンスカイは、天皇賞(秋)でゲート再試験を課されてシーズンを棒に振り、春天と宝塚記念を連勝したヒシミラクルも、JC直前追い切りで4馬身遅れの大不調では勝負になるはずもない。芦毛馬17年ぶりの連対が期待された一昨年のゴールドシップも、差のない2番人気に推されながら、まるでいいところなく15着に敗れた。

Goldship 

そのゴールドシップが2年ぶりにジャパンカップに出走してくる。父・ステイゴールドはJCに4度挑戦して10、6、8、4着と馬券に絡めず、種牡馬としてもGⅠを20勝もしているのにそこにJCのタイトルはない。前述したように、母の父・メジロマックイーンも全盛期にJCに挑戦して4着に敗れた。手綱を取る横山典弘騎手も、なぜかJCのタイトルとは無縁である。

そう考えてみると、ゴールドシップが明日のJCを勝つ可能性はとても低いように思えてくる。そもそも宝塚記念以来の休み明け。帰厩後も有馬出走こそ明言されていたものの、その前にどこを使うかはギリギリまで発表がなかった。

ここはあくまで叩き台で、得意の中山で有終の美を飾るんじゃないか―――。

そんな空気が漂っていることは否定できまい。しかしそういう空気を敏感に感じ取り、人間の勝手な思惑をことごとく裏切ってきたのが、我々の知るゴールドシップの姿ではないか。となれば、逆にここをあっさり勝って、ラストランの有馬でとてつもない凡走―――。そんなシナリオの方がむしろ彼らしい気もする。

Goldship2 

こうしている今もゴールドシップの取り捨てに悩んでいる方は少なくあるまい。阪神大賞典と天皇賞(春)を勝ったのがゴールドシップなら、AJCCと宝塚記念で何もできず、ただ後方のままに終わったのもゴールドシップである。

「実はゴールドシップは2頭いて、当日どちらが競馬に出てくるのかは関係者にも分らないんだ」

ついにそんな噂まで流れるようになった。もちろん笑い話。「関係者にも分らない」というところがミソである。関係者にも分らないものをファンが分かるものか。彼の気持ちは、人間ごときが当てようと思って当てられるほど単純ではない。できることがあるとすれば、ただひとつ。信じるのみであろう。

 

***** 2015/11/27 *****

 

 

 

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