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2015年11月14日 (土)

母国に捧げる勝利

テロのニュースで起こされた。

パリ中心部と近郊の7か所で同時多発テロが発生。120人以上が犠牲になったという。その場所のひとつに見覚えがあった。サッカーの国際親善試合が行われていた「スタッド・ド・フランス」は、私がかつて宿泊したホテル「サンドニホテル ノボテル パリ サン・ドニ スタッド」の目と鼻の先にある。

そのスタジアムはFIFAワールドカップ・フランス大会で決勝の舞台となった。フランスのサッカーファンや関係者にとっては「聖地」だそうである。そんな話を現地の人に聞いてスタジアムの周囲をぐるりと散歩し、屋台で焼き栗を買って食べた。1998年10月4日。サガミックスが勝つ凱旋門賞の朝のこと。まさかあの場所で……と思えば、今回の惨劇を遠い国の出来事と片付けられない。テロの脅威を肌で感じる。

そんなことを思いつつ東京競馬場に行ってみれば、雨だというのにお客さんは熱心に声援を送っているではないか。一転して日本の平和を思う。メインの武蔵野Sを勝ったのはジャパンダートダービー以来となるノンコノユメ。初めてとなる古馬との対戦をものともせず、ゴール寸前でハナだけ差し切るという劇的な勝利だった。

Nonko 

3歳馬が武蔵野Sを勝ったのは初めてではないが、3歳馬が58キロを背負って優勝した例は過去にない。いや、4歳以上を含めても初めての出来事である。4コーナーで前との差は約10馬身。届かないか……。一瞬そう思わせたところから怒涛の追い込み。馬の力もさることながら、ルメール騎手の執念を見るような鬼気迫る騎乗ぶりだった。

普段、勝利騎手インタビューでは日本語で応対するルメール騎手である。だが今日は違った。母国フランスで起きたテロに関してのメッセージ。「この勝利を犠牲者の方々にささげたい」。英語でそう発言した彼の心中は察するに余りある。やはりあの最後の1完歩には、不思議な力が働いていたように思えてならない。

フランス当局の発表によれば、パリ周辺で今週末に行われる予定だったすべてのスポーツの試合やイベントは中止だという。もちろん競馬とて例外ではない。今日のサンクルーも、明日のオートゥイユも開催中止。今後の再開についても、現時点でめどは立っていないという。

 

***** 2015/11/14 *****

 

 

 

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