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2015年10月 7日 (水)

馬も救ったイベルメクチン

生理学医学賞の大村智さん。物理学賞の梶田隆章さん。連日のノーベル賞受賞のニュースにメディアが沸き立っている。

競馬ばかりで、ノーベル賞だとかニュートリノなんぞに興味はないだろ!

周囲からはそう思われているかもしれないが、決してそんなことはない。私は以前、ノーベル賞関連のフォーラムを取り扱う事務局で働いていたことがある。しかも、その頃にはロングニュートリノという馬が活躍していた。ヤエノムテキの勝った天皇賞では、彼の馬券を買った覚えがある。最近では大井のニュートリノビームが気になって仕方ない。まあ、やはり最終的にはウマに寄ってしまいますね(笑) それはともかく、梶田さんは私の卒業した学部の先輩でもある。そういう意味ではもちろん嬉しい。

むしろ競馬との関わりで言うなら、生理学医学賞を受賞した大村さんであろう。大村さんがゴルフ場で発見した微生物から開発したイベルメクチンは、もともとは動物用の寄生虫病薬として1979年に発表されたもの。ウマを含む多くの動物に劇的な効果を発揮し、今も馬を扱う多くの現場でイベルメクチンが投与されている。嫌がる馬の口を押さえて無理やり薬を飲み込ませるのは、牧場や乗馬クラブで年に数回行われる一大イベントだ。

とはいえ、大村さんにしても始めからウマをターゲットにしていたわけではない。人間に使う抗生物質探しは製薬会社が大々的に行っていて競争が激しい。それならと、大村さんは動物向けの薬に目を付けた。そこがミソ。当時、動物薬は人間の使い古しの抗生物質ばかりで、オリジナルな研究はほとんどなかった。いずれ人間にも応用できる。そういう思いがあったであろうことは想像に難くない。

Bokujo 

ウマの腸内には回線虫などの寄生虫が生息し、これが原因で疝痛や腸破裂を引き起こし、時に死に至ることもある。そんな症例が近年激減したのはイベルメクチンのおかげ。私などはその業績だけでノーベル賞を差し上げたい。

その一方で、最近は「耐性寄生虫」が新たな問題となりつつある。イベルメクチンが効かない―――。そんな報告が増えているのだという。ウインジェネシスのように、現役競走馬が寄生虫による疾病で引退を余儀なくされるというケースもなくなったわけではない。かように寄生虫問題は古くて新しい問題。今回のノーベル賞受賞を機に、この分野での研究がさらに発展することを願ってやまない。

 

***** 2015/10/07 *****

 

 

 

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