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2015年10月17日 (土)

土曜日の主役

明日の東京メインはオープン特別のアイルランドトロフィー。先週の毎日王冠を勝ったエイシンヒカリが、昨年のこのレースで外ラチ沿いに大きく膨れながらも逃げ切ったシーンは、まだ記憶に新しい。今年の出走メンバーの中にも、将来性豊かな逸材が眠っている可能性がある。

アイルランドトロフィーといえば、かつては土曜に行われるマイル戦だった。1997年のこのレースは、3歳馬トーヨーレインボーが1分33秒5の好タイムで逃げ切っている。

Rainbow 

当時のトーヨーレインボーはタイキシャトルのライバルたり得る存在として、注目を集めていた。東西に所属は分かれてはいたものの、同じ3歳の外国産馬で、芝もダートもこなす万能型。両者の初対決となった菩提樹Sは、タイキシャトルに初めて土が着いたレースとしても知られるが、この時にタイキシャトルとクビ差の3着に敗れたのがトーヨーレインボーである。

以後、両者は別々の道を歩みながらも、お互いに意識しないわけにはいかないローテーションを歩み、それぞれ力を付けてゆく。

タイキシャトルは10月4日の東京競馬場で行われたユニコーンSで重賞初制覇を飾るのだが、同じ日の京都10R渡月橋Sではトーヨーレインボーが1分32秒7というレコードタイムを叩き出してオープン入りを果たした。その3週間後の10月25日には、タイキシャトルは京都へ遠征してスワンSで重賞連勝を果たす。同じ日の東京メインこそ、冒頭の写真のアイルランドトロフィー。負けじとトーヨーレインボーも、逃げ切り至難と言われる東京のマイルを、楽々と逃げ切って能力の高さをアピールしてみせた。

ここまでの通算成績は、タイキシャトル(5,1,0,0)に対してトーヨーレインボーは(5,3,1,0)。重賞2勝を含むタイキシャトルが格上であることは間違いないが、マイルの持ち時計ではタイキが1分36秒5に対してトーヨーが1分32秒7だから、立場は逆転する。この2頭がマイルチャンピオンシップで再び激突するのである。

だが、トーヨーレインボーには大きな不安があった。手綱を取る松永昌博騎手(現調教師)はナイスネイチャとのコンビで知られるように、大舞台で詰めが甘くなることでも知られる。GⅠレースは通算60回騎乗して(0,0,6,54)。これだけの騎乗回数を誇りながら2着さえないというのは珍しい。むろん人気薄ばかりだったわけでもなく、3番人気以内に支持されたことも8回ある。本人もそれを隠そうとせず周囲を笑わせていたのだが、結果的にこのマイルチャンピオンシップでも3着と敗れた。

その後、タイキシャトルは歴史的名馬への階段を一気に駆け上がり、翌年にはついにジャック・ル・マロワ賞を制覇。GⅠ5勝、年度代表馬のタイトルも手に入れて種牡馬入りする。

一方の、トーヨーレインボーはシリウスSと中京記念を勝つものの、GⅠのタイトルとは無縁のまま現役引退を余儀なくされた。その良血を買われて種牡馬にはなったが、残した産駒は4頭に過ぎない。あのマイルチャンピオンシップを境に、両者の明暗は残酷なほどはっきり別れた。

トーヨーレインボーが、その成績の割に今ひとつ地味な存在になってしまったのは、土曜日にばかり勝っていたせいもある。土曜の成績(6,1,0,1)(※下注)に対し、日曜は(0,2,2,3)。なぜか日曜日はさっぱりだった。

土曜のレース結果が大きく報じられる機会はほとんどないと言っていい。日曜の結果は翌日の紙面にでかでかと掲載されるのに、土曜のレースはたとえ重賞であっても日曜の馬柱の隙間にひっそりと結果だけが載る程度。せめてこのブログでは、土曜のメインに光を当ててあげたい。

 ※注:正月の4日連続開催の3日目を含む

 

***** 2015/10/17 *****

 

 

 

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