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2015年10月26日 (月)

キタサンまつり

「菊花賞、取ったんじゃないですか?」

知人からそんなメールが届いた。

ハテ? なんのことやらさっぱり分らぬ。それで「なんで?」と返信すると、「だってブログに書いてたじゃないですか」とのこと。ああ、なるほど。9月21日付(「ひと夏の成長」)ですね。たしかに「キタ」と名がつく馬は菊花賞に縁があるとは書いたけど、むしろ私が抱いていたのはキタサンブラックの距離適性に対する懸念である。だからキタサンブラックの馬券も買えなかった。

その時も書いたことだが、セントライト記念でのキタサンブラックはピタリと折り合っていたとはとても言い難い。北村騎手も言外に距離への不安を口にした。なにせ母の父がサクラバクシンオーで、母の母の父はジャッジアンジェルーチである。だが、そんな雑音を一蹴し「菊花賞参戦」を決断したのは、ほかならぬ北島三郎オーナーであった。クラシック登録がなく、追加登録料200万円を支払っての参戦。しかし、それは間違いなく大英断であった。

Kitasan 

北島さんは、子供の頃から自宅で買われていた馬の世話をするうち、いつしか無類の馬好きになっていたという。好きが高じて48年間の馬主人生。ヒット曲「北の漁場」の作詞を手掛けたのは、当時船橋競馬場で働いていた新條カオルさん。競馬は不思議な縁も運んでくれた。さらに、ノーギャラで道営競馬のCMに出演したかと思えば、川崎競馬場に「キタサンカワサキ号」(等身大の馬模型)を寄贈したことも。中央地方分け隔てなく競馬に心血を注いでいらっしゃるその姿からは、ただひたすら馬を愛する北島さんの純粋な気持ちが見えてくる。

ファンも競馬関係者もそれを知っている。だからこそ、昨日の菊花賞の表彰式があれほど盛り上がったのであろう。「皐月賞を勝ったら歌う」という公約が「ダービーを勝った」に変わり、ついに菊花賞で実現した。絵に描いたような三度目の正直は、さすがはエンターテイナーと言うほかない。人を楽しませる術をよくご存じだ。

実は、日本ダービー当日のバックヤードにはひそかに音響機器が搬入されていた。私、見ちゃったのである。もしキタサンブラックが勝てば、10万人の観客との大合唱という算段である。

今回そこまでの準備がなかったのは、自信が無かったのかもしれないし周囲への配慮かかもしれない。結果的に5万人の手拍子によるアカペラとなったわけだが、あれはあれで良かったではないか。優勝馬オーナーへのインタビューはまだしも、オーナーがマイクを握って一曲歌うなんて過去に例がない。最終レースの発走が5分遅れたなんて些細なこと。前代未聞の場に立ち会えたファンの皆さんは、それを自慢して欲しい。

 

***** 2015/10/26 *****

 

 

 

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