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2015年10月12日 (月)

大人のエイシンヒカリ

毎日王冠はエイシンヒカリがスタートからハナに立つと、直線に入っても後続を寄せ付けず、1馬身1/4差で重賞連勝を果たした。出走全馬が重賞ウイナー。うち4頭がGⅠホースという豪華メンバーということもあって人気も割れ気味だったが、終わってみればエイシンヒカリが1番人気だったという。みなさんの慧眼には毎度のことながら恐れ入る。

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私個人はエイシンヒカリを買えなかった。エプソムカップと同じ舞台とはいえ、あの時は6番枠からのスタート。それが今回は大外枠である。昨年のアイルランドトロフィーのように、また外にぶっ飛んでいくかもしれない……。パドックで頚をぶんぶん上下させながらイレ込むエイシンヒカリの姿を見て、正直ビビってしまったのである。

そのアイルランドトロフィーの印象からか、サイレンススズカの姿をダブらせてエイシンヒカリを応援するファンもいるようだが、同じ逃げ馬でもそのラップタイムを見る限り両者のスタイルは微妙に異なる。

サイレンススズカは国内の1800m戦のオープンで4戦4勝だった。その1000mの通過タイムは、57秒7~58秒0とオープンにしても滅法速い。その分ラスト3ハロンは36秒台に落ち込むこともあるが、前半に付けた圧倒的な差は相手に戦意を喪失させるに十分だった。

一方のエイシンヒカリも、オープンの1800m戦では4戦(3勝)しているが、その1000m通貨は58秒8~59秒9とやや遅め。だが、逆に上がりはサイレンススズカより速く、ここ2戦では34秒台の脚を使っている。逃げた馬が34秒フラットでは、さすがに後続は厳しい。武豊騎手が「天皇賞はこんなに楽はない」と言ったのも、つまりそういうことであろう。秋天5勝ジョッキーの言葉だけに、軽く聞き流すわけにもいかない。

毎日王冠と天皇賞では背後からのプレッシャーも違ってくる。2000mの天皇賞を逃げるのは至難の業だ。サイレンススズカの悲劇を持ち出すまでもない。女傑ダイワスカーレットの逃げを最後の最後に捉えたのは同じく女傑のウオッカ。無敗のまま天皇賞に挑んだカレンブラックヒルは逃げることさえできなかった。逃げ切り勝利は1987年のニッポーテイオーまで遡らなければならない。しかし、あのレースは前日の雨が残り、逃げ馬有利の重馬場だった。

とはいえ、エイシンヒカリがまだ一度しか負けたことがないことだって、動かしようのない事実なのである。アイルランドトロフィーのような悪癖を出すことももはやあるまい。パドックで恐竜の如くイレ込む割には、レースではきちんと折り合っているから不思議だ。あのアイルランドトロフィーから1年。少しは彼も大人になったか。同じ年のエプソムカップと毎日王冠を連勝した馬は、過去にプレクラスニーとダークシャドウの2頭。いずれも天皇賞で好走しているだけに、やはりエイシンヒカリも本番では目が離せない。

 

***** 2015/10/12 *****

 

 

 

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