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2015年10月18日 (日)

スポーツ・オブ・キングス

知人の娘が婚約したので、今日はささやかな焼き肉パーティー。その婚約者となぜか私が招かれて駒沢の『きんぐ』にやってきた。その知人というのは当然競馬好きであるから、この店名を見て「こりゃ秋華賞はキングカメハメハの子だな」などと盛り上がっている。マキシムドパリ、トーセンビクトリー、そしてレッツゴードンキ。なるほど無くはない。そんなら私もノリます。乾杯もそこそこに、I-PATで馬券購入と相成った。

King 

私が「キング」と聞いて気になったのは、先日何気なく読んでいた新聞(一般紙)に「英国では競馬はキング・オブ・スポーツと呼ばれる」と書いてあったことだ。こうした誤記・誤解が今なお蔓延るのはある程度やむを得ないとは思うが、発行部数を世界に誇る全国紙がこのザマでは情けない。もちろん正しくは「スポーツ・オブ・キングス」。文字通り王侯たちのスポーツの意である。この場合の「スポーツ」は運動競技ではなく、余暇を過ごすためのレクリエーションというニュアンスが強い。

とにかく、この手の誤用は後を絶たない。私にとっても戒めとする部分が多いにある。

誤用のキングは「デッドヒート」であろう。これはもはや絶望的なほど「接戦」という根を日本語の地中深くに広げてしまっている。競馬意外の分野で使われたことが仇となった。本来の意味が「同着、無効レース」であることは言うまでもない。

意外なところでは「サラブレット」が挙げられる。英語の Thoroughbred のスペルを知っていれば「サラブレッド」と読みそうなものだが、この間違いも後を絶たない。前出の全国紙にも、その系列のスポーツ紙にも、一年に数回のペースで「サラブレット」が登場している。

そうこうするうちに宴は進んで、私が簡単にはなむけの挨拶することになった。これを「花向け」と書く人がいるが、これも間違い。「はなむけ」とは「馬の鼻向け」の略。むかし、旅立つ人が乗る馬の鼻を行き先に向けて、旅の無事を祈ったことに由来する。漢字で書けばお馴染み「餞」のひと文字。旅立つ人にお花を向けてどうするのか。

―――なんてことを言ったりしたら、口うるさい年寄りだと思われそうだから、そんな話はしない。ささっと済ませていざ秋華賞の実況に耳を傾ける。

レッツゴードンキが逃げない。トーセンビクトリーはミッキークイーンをマークしている。そして直線に向くとマキシムドパリが馬群の中央を伸びてきたではないか。

うわー! 当たるかも!!

なんて盛り上がったのは一瞬のこと。終わってみれば1着ミッキークイーンと2着クイーンズリングの「クイーン」決着に終わった。

よくよく考えれば牝馬の祭典ではないか。「キング、キング」と騒ぐのではなく、「そこはクイーンだろう」という閃きがなぜ湧かなかったのか。まあ、それができればこんな愚痴だらけのブログを書いたりしてませんよね。「馬券キング」への道は遠い。

 

***** 2015/10/18 *****

 

 

 

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コメント

さっさん様

ご指摘ありがとうございます。誤変換ですcoldsweats01。修正しました。今後ともよろしくお願いします。

投稿: 店主 | 2015年10月21日 (水) 08時15分

いつも拝見しています。

〉度の無事を祈ったことに由来する

『度』は『旅』の変換間違いですか?
さしでがましいですが、せっかく勉強になったエントリーでしたので指摘させて頂きました。

修正後、このコメントは削除してもらっていいです。

投稿: さっさん | 2015年10月20日 (火) 21時41分

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