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2015年9月15日 (火)

消えた高速馬場

開幕週の中山競馬は波乱の連続。特に日曜は1番人気馬が1勝しか挙げることができず、メインの京成杯オータムハンデに至っては3連単222万の大波乱だった。本命党の悲鳴が聞こえてくる。

そんな土日のレースを見て、不思議に思った方は多いのではあるまいか。芝のタイムが例年の開幕週に比べて軒並み遅かったのである。高速レースで名高い京成杯の勝ち時計も、レコードタイムより2秒6も遅い1分33秒3にとどまった。開幕週で馬場状態は「良」発表。芝は短く刈り揃えられ、予想紙には「高速馬場」「先行断然有利」の文字が並んでいた。それに踊らされて、逃げ先行馬をベタベタ買ったのは、ほかならぬ私である。

しかし蓋を開けてみれば、見た目より遥かに時計がかかる。とはいえ、馬場が掘れるようなもろい馬場というわけでもない。だから追い込み決着がやたらと目についた。紫苑Sを勝ったクインズミラーグロは道中10番手から、京成杯を勝ったフラアンジェリコに至っては16頭立ての16番手からの差し切り勝ちである。むろん見ている側にとってはこの方が面白いが、まるで馬券が当たらん。いったい開幕週の高速馬場はどこに行ってしまったのだろうか?

似たような傾向は最近の新潟競馬場でも顕著になりつつある。上がり32秒台の攻防はすっかり影を潜め、ハーツクライやステイゴールドといったパワーを兼ね備えた種牡馬の産駒の活躍が目立つようになった。その要因のひとつにエアレーションを挙げる声を聞く。エアレーションとは「パーチドレン」という鉄製の棒を芝面に差し込んで穴をあけ、地中に空気を入れて芝生を活性化させる作業のこと。新潟やこの時期の中山などの野芝に対して有効な作業で、芝の根付きが良くなるほか、土壌そのものも柔らかくなるため、結果的に走路のクッション性は高まる。秋の中山はスピード勝負―――。そんな先入観は捨てた方がよいのかもしれない。

京成杯を勝ったフラアンジェリコも然り。ネオユニヴァースの産駒で、軽快なスピードを武器をするというタイプではない。芝マイルも9度の出走経験がありながら、持ち時計はメンバー中11番目。そもそもこの馬、以前はダートで走っていた馬ではなかったか? それで昔の写真をひっくりかえしたら、2012年1月の東京ダート1600mを勝った時の写真が出てきた。

Fura 

このレースを覚えていると言う方は、フラアンジェリコの出資会員さんか、あるいはよほどのウチパク・フリークであろう。前年の5月に大井競馬場で落馬。頸椎歯突起骨折のため8か月もの長期休養を強いられた内田博幸騎手が、見事カムバック勝利を果たしたレースである。あの日東京競馬場には重賞レースにも匹敵するような拍手と、そして歓声が沸き起こった。

その内田騎手も昨今は勝ち鞍が思うように伸びずに苦労している印象がある。京成杯のスマートオリオンも内目の絶好位でレースを進めながら、直線何の見せ場もなくブービーに敗れた。馬場の内側は春開催後に芝を全面的に張り替えられており、外に比べてさらにクッションの効いたタフな馬場になっている可能性もある。かつてなら開幕週の内目は絶好のグリーンベルト。だが、もはやそうでもないのかもしれない。来週以降、コース取りをめぐる騎手たちの駆け引きにも注目だ。

 

***** 2015/09/15 *****

 

 

 

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