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2015年8月 7日 (金)

30年ぶりの時計台

札幌時計台にやってきた。この敷地に足を踏み入れるのは30年ぶりのこととなる。高2の夏、生まれて初めて北海道の地を踏みしめた私は、まず真っ先に時計台を目指した。

Tokei 

上野から夜行列車と青函連絡船を乗り継いで12時間以上。「はるばる来たぜ」と謳われた函館の遠さを実感しつつ、さらに列車に乗って札幌を目指した。学生の貧乏旅行であるから急行や特急には乗れない。のんびり走る鈍行列車の車窓から、途中、馬のいる景色が飛び込んできたことを覚えている。記憶はあやふやだが、おそらく当時は白老にあった社台ファームであろう。となれば車窓から眺めた馬の中には、ひょっとしたらダイナガリバーやダイナコスモスがいたのかもしれない。

そんなこんなでようやく辿り付いた札幌で、ようやく目にした時計台は私を感動させるに十分の光景だった。遥かなる旅路の果てに、ようやく本物の北海道を目にした気ががしたのである。

しかし聞くところによれば、時計台は「日本3大がっかり観光スポット」などと揶揄されているらしいではないか。札幌市のカントリーサインにも採用されている北の街のシンボルも、最近では肩身の狭い思いをしている。

Sign 

今では連絡船に乗って北海道旅行をする人は多くはあるまい。「逆巻く波を乗り越え」る必要もない飛行機を使えば、羽田から札幌駅まで2時間余りで着いてしまう。それどころか「あとは追うな」と言うよりも早く、今回の北海道入りに際しても二人の娘が付いてきた。良くも悪くも北海道は身近な観光地となったのであろう。

その娘たちが、とある牧場で食事をしている最中に、「時計台を見たことがない」と言い出したのである。それを聞いた牧場の人は「わざわざ行くところではない」とか「行っても何もない」などと言う。しかし、これまで何度も北海道に連れて来ていながら、時計台を見せていないのは不覚を取った気がした。それで日高門別ICから車を飛ばして1時間半。30年ぶりの時計台と相成ったのである。

ビル群の中に取り残された一般家屋のように佇む時計台を見た上の娘は「えっ? これが?」と言ったきり絶句し、下の娘は目の前に立つ時計台の存在に気付くことさえできなかった。やはり思い描いていた光景とは違ったのか。しかし、少なくともがっかりした様子は見られない。むしろ嬉々として写真を撮っている。

北海道を身近な場所と思っていた彼女らにとっても、それはあくまで胆振や日高のことであり、やはり札幌は遠い存在だったのであろう。やっと本物を見ることができた。その喜びは、30年前の私と同じかもしれない。明治11年に完成を見た時計台は、現存する国内最古の時計台である。その実物を見ておくことに、なんら損はあるまい。

しかし、こんな時間の使い方ができるのも、今日が平日でJRA開催がないから。これがもし土日だったら、娘たちには「時計台はまた今度」などと言って、迷わず札幌競馬場に向かったに違いない。ホントはこれまでに何度もチャンスはあったのだろう。そう考えると、ちょっとだけ悪かったなぁと思ったりもする。ちょっとだけだけどね。

 

***** 2015/08/07 *****

 

 

 

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