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2015年8月24日 (月)

上がり32秒5のインパクト

日曜だというのに重賞の行われなかった昨日の新潟競馬場。いちばんの注目レースは、5レースの新馬戦だという人も多かったかもしれない。芝1600mにフルゲートの18頭。1番人気に推されたサプルマインドが、馬場の真ん中から一頭違う脚色で突き抜けて、評判に違わぬ力を見せつけた。

Shimba 

勝ち時計1分36秒0は平凡だが、上がり32秒5は早い。新潟の芝コースで上がり32秒台なんかザラだよ、という指摘もあろうが、昨年あたりから新潟の芝の傾向が変化している。パンパンの馬場で高速レースが続いた新潟のイメージは捨てた方が良い。例えば22(土)の芝レース7鞍の勝ち馬の父を順に並べると、パイロ、キングカメハメハ、キングカメハメハ、アッミラーレ、ファンタスティックライト、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエス。良馬場でありながらダートでも通用しそうな種牡馬がズラリと並ぶのは、力のいる柔らかい芝に変わった証。かつての高速馬場では勝負にならなかったような産駒たちが、続々と勝ち上がっている。

そんな馬場状態でありながら、手綱を抑えたまま32秒5でまとめてみせたサプルマインドは素晴らしい。私が記憶する限り、新潟芝マイルを勝った2歳馬の上がりとしては最速タイではないか。一昨年の新潟2歳Sでハープスターがマークした上がりが32秒5。2011年のきんもくせい特別でアルフレードが記録した上がりもたしか32秒5。両馬ともその後GⅠを勝っている事実を考えれば、サプルマインドの展望は明るい。

ただし、その展望を伝える新聞の記事がちょっと気になった。手綱を取ったミルコ・デムーロ騎手のコメントを載せているのだが、その言葉のニュアンスが各紙微妙に異なるのである。

■ラジオNIKKEI
「強かったです。今、いちばん強い牝馬なのではないでしょうか。スタートもよかったです。距離はこれぐらいがよさそうですが、延びても大丈夫でしょう」

■サンスポ
「強かったね。藤原英昭調教師から『強い』と聞いていたけど、本当に強い。今年、自分が乗った2歳の牝馬では一番。これぐらいの距離がいいし、もっと延びても大丈夫そう。いい馬です」

■日刊スポーツ
「強かった。すごい脚。今まで(今年の新馬で)乗った中で一番強い牝馬」

■スポニチ
「凄い脚。今年乗った牝馬の中では一番」

■デイリー
「強かったですね。今年乗った2歳牝馬のなかでは一番です。距離は延びても大丈夫そうですよ」

■報知
「強かった。藤原先生は追い切りの段階から『この馬は強い』って言っていた。スタートが良かったし、距離はこれくらいがいいと思うけど、延びても大丈夫。今、一番強い牝馬じゃないかな」

実際、私も記者とのやりとりを横聞きしていたのだけど、耳に入ってきた限りでは「今年」とか「乗った中で」とか「2歳」などというワードは無かったように思う。端的に書けば「今いちばん強い牝馬」。なんと堂々の現役最強牝馬宣言である。ラキシスやルージュバックよりも強いというのか?

いや、そんなことがあるはずない。そもそも騎手と記者とのやりとりというのはポツポツとした単語の交換であって、外国人騎手でなくてもこのようなことは日常茶飯事。むしろデムーロ騎手はきちんと喋ってくれる方だ。それでも、「2歳」とか「乗った」などという会話に現れないワードは、記者が付け足す必要がある。コメントをそのまま載せただけでは、読めたものではない。だからと言って過分な付け加えは危険だ。読み手はそこを斟酌する必要がある。

サプルマインドについて言えば、もともと一週前に戸崎圭太騎手でデビューを予定していたのだが、除外となって戸崎騎手が新潟で乗れず、デムーロ騎手に手綱が回ってきたという経緯がある。そういえば昨年のドゥラメンテも、もともとは戸崎騎手が手綱を取るという話がありながら、最終的にはデムーロ騎手で2冠を制した。陽気なイタリアンが持つ不思議な巡り合わせも、頭の片隅に置いておきたい。

 

***** 2015/08/24 *****

 

 

 

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