« 2015年7月 | トップページ | 2015年9月 »

2015年8月31日 (月)

浦和巧者たち

28日の大井8レースを勝ったロイヤルキングの手綱を握っていたのは、期間限定騎乗中の岡部誠騎手。この勝利が、節目となる南関東20勝目となった。2か月弱での20勝は、年間120勝を超えるペース。簡単に稼げる数字ではない。

Okabe 

通算勝利数3015勝。地元名古屋では9年連続でリーディング首位という名古屋のエースなら、それも当然という声もあろう。私もそう思う。でも、南関東での成績をあらためて見て不思議に思った。限定騎乗中の所属は大井であるはずなのに、彼自身は浦和の成績が突出して良いのである。

【岡部誠騎手 南関成績(8/31現在)】

 場名 1着,2着,3着,着外 勝率
 ----------------------------
 浦和  11,3,4,37    20.0%
 他3場 10,19,19,195  4.1%

浦和の特殊なコース形態が、彼のフィーリングに合うのだろうか。理由は分からぬが、勝率2割とは凄い。今回の限定騎乗における浦和での騎乗機会は、今開催が最後。明日と明後日の2日間合計で、騎乗制限いっぱいの16頭に騎乗を予定している。

ところで最近、南関東の競馬場でこんな模様のメンコを見かけることはありませんか?

Menko 

似たようなメンコは現役当時のフリオーソが付けていたが、もちろんフリオーソが現役復帰したわけではない。これらは浦和・小久保厩舎の所属馬。小久保智調教師の発案で、米国3冠馬セクレタリアトが着用していたものと同じ柄のメンコを着けているのだという。ジャジャウマナラシのように専用のメンコを持つ馬もいるから、すべての所属馬がこれを付けているわけではないが、まあひとつの目印にはなる。

今日の3勝を加えて小久保厩舎の今年の勝利数は74勝。もちろん南関リーディングのトップを独走中。このペースなら4年連続の100越えは間違いない。ちなみに小久保厩舎の浦和での勝率は1割7分。他3場の平均が1割だから、やはり浦和では抜けている。明日と明後日の2日間で大挙21頭が出走予定。桃色の勝負服と、白と青の市松模様から目が離せそうもない。

【小久保師 南関成績(8/31現在)】

 場名 1着,2着,3着,着外 勝率
 ----------------------------
 浦和  44,43,27,143  17.1%
 他3場 30,27,26,214  10.1%

 

***** 2015/08/31 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月30日 (日)

【太麺礼讃⑥】イタリア軒@新潟競馬場

「キタッラ」、「オレキエッテ」、「パッパルデッレ」。

これらの単語が何を指すか説明できる人は、そこそこのイタリア料理通であるか、かなりの食いしん坊であるか。あるいはその両方であろう。そう、これらは手打ちパスタの種類。日本そばのように断面が四角いキタッラ。オレキエッテは「耳たぶ」の意味の通りくぼみがあり小さな耳のよう。ラザニアの次に幅が広いパッパルデッレは幅が3センチになることも。群馬の名物ひもかわうどんにも負けてない。

Itariaken 

こうしたパスタの種類は数百種類にも上る。日本には明治の文明開化とともに入ってきた。明治10年代に、新潟市の『イタリア軒』という西洋料理店でパスタ類を出していたとの記録があり、それを我が国初のパスタ料理とする意見は多い。その『イタリア軒』は現在も新潟市内の老舗ホテルとして健在で、新潟競馬場内にもレストランを出店している。現在の人気メニューはデミオムライスやビーフカレーだが、先日の訪問時は敢えてスパゲッティミートソースを注文。甘めのミートソースに、なんとも言えぬ懐かしさを覚える。味わい深い一皿だった。

Itariaken2 

スパゲッティは太さ約1.9ミリで断面は円。それより細い1.6ミリだとスパゲッティーニとなり、さらに細くなって1.4ミリではフェデリーニとなる。たった0.2ミリで呼び名が変わるのだから、イタリア人のこだわりようには舌を巻く。うどんの場合、讃岐、稲庭、武蔵野で、太さはそれぞれ異なるとはいえ「うどん」の呼び名に変わりはない。

Piti 

こちらは桜新町『ルレ・サクラ』で出てきた「ピチのボロネーゼ―ソース」。日本流にざっくり言えば「スパゲッティ・ミートソース」だが、スパゲッティに比べて麺が極端に太い。「うどんのような」という表現を超えて、もはやうどんである。

「ピチ」も数あるパスタの種類のひとつ。小麦粉に玉子、塩、オリーブオイルを加えてこねたあと麺棒で延ばし、それを適当な大きさに切り分け、生地を手のひらで前後に転がし細長い棒状にする。粘土を細長く延ばす動作を思い起こしていただければいいだろうか。パスタマシンはいっさい使わない。正真正銘の手打ち。その茹で上がりはしなやかで、もちもちした食感を醸しつつ、ソースの旨味がほどよく浸み込んでなるほど美味い。イタリアンパスタの種類の豊富さと奥深さには、毎度のことながら感服させられる。

 

***** 2015/08/30 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月29日 (土)

馬を見ているようで、実は

パークウインズ開催の東京競馬場は霧雨。最高気温20度の府中には、早くも秋の気配が漂っている。

Turf 

冷たい麺を楽しめるのも、今週がラストかもしれない。今日もスタンド4Fの『むぎんぼう』から。ネギ塩豚うどんを冷やしでいただくことにする。

Buta 

昨晩餃子を食べ過ぎたので、アッサリしたメニューが良かろうとオーダーしたのだが、どっこい意外とこってり感満載のうどんだった。こってりの正体は豚バラ肉の脂。「豚肉の冷しゃぶ」をイメージしていたのだが、実際には塩だれの焼肉という方が近い。これを「冷やし」にしたことで、やはり凝固した脂がツユに浮いてしまう。ただし豚肉自体はたいへん美味しいので、温かいうどんなら何ら問題ないだろう。秋本番になったらあらためて食べてみたい。

それにしても、新潟から場外に戻ってみて、あらためて思う。馬を見るなら競馬場に限る。場外ではそれができない。自宅のTV観戦ではなおできない。

「場外や自宅には馬がいないのだから当たり前だろ!」

そう指摘されそうだが、そういう意味ではない。例えばTV中継でパドックを見るとする。するとまず聞こえてくるのは訳の分からんBGM。しかるのちに、解説者とアナウンサーのやりとりが始まる。どちらもうるさい。だいたいなんでパドックを映すのにBGMが必要なのか。とにかくそれでリモコンの「消音」ボタンをプチっと押す。

しかしそれでもまだ何かがうるさい。何だろうと考える。それが画面の隅々を埋め尽くす文字情報だと気づくまでには多少の時間がかかった。場名、レース番号、枠番、馬番、馬名、騎手名、性別年齢、斤量、馬体重増減、オッズ、等々。画面の中の馬を見ているつもりで、実は私の目は画面の中の文字を追っていたのである。

Bs 

ただし、実は競馬場にいても同じ心配の種はある。パドックで馬を見ながら、ちらちらと掲示板を見てしまうのである。「あれ? 太いかと思ったら、減ってるんだ」。「え? この馬の単勝が8倍もつくの?」。そうこうするうち、最終的にまったく馬を見ていない自分に気づいたりする。特に負けが込んでいる時にこのパターンが多い。いったい何のために競馬場まで足を運んでいるのか。戒めなければならない。

似たような危惧は昨今のプロ野球中継の中にも潜んでいる。TVの画面に次から次へと現れては消えるデータの数々。そんな情報ばかりに気を取られて、肝心のプレーを見るのに脳が追いついてない。結果、映像はいらない、ネットの速報で十分というファンが増えた。いずれ競馬でもネット速報派が台頭するのではあるまいか。冷やしネギ塩豚うどんをすすりながらそんなことを心配している。食べながらモノを考えるには、このメニューは悪くなさそうだ。

 

***** 2015/08/29 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月28日 (金)

大井の神様&餃子の神様

今日の大井6Rは的場文男騎手のマッハワンが1番人気に応えて快勝した。通算6783勝の“大井の神様”は、再来週になんと59歳の誕生日を迎える。すごい。それ以外に言葉が思い浮かばない。それを間近に見ることができる大井のファンは幸せだ。

Matoba 

そんな神様は今年もアジアチャレンジカップに参戦する。一緒に遠征する柏木健宏騎手や藤田、松浦の両調教師も韓国遠征の経験があるが、3年連続の参加は的場文男騎手ただひとり。自身初めてとなる海外での騎乗でいきなり優勝を果たしたトーセンアーチャーの快挙を、韓国の競馬ファンは忘れていまい。しかも今年はGⅠ馬タイセイレジェンドの手綱を取る。神様の手綱捌きをしっかり目に焼き付けて欲しい。

Legend 

このあと賞典台では、韓国に遠征する厩舎関係者の壮行会が行われるらしいのだが、実は蒲田でも韓国に遠征するマスコミ関係者の壮行会が予定されている。まさかのカブり。当然私は後者を選ぶわけだが、その理由というのは会場がココだからです。

Kanban

そう、餃子の聖地とも言うべき『ニイハオ』さん。今回は『ニイハオ恵馨閣』でたらふく餃子を食べ、明日から韓国に向かうカメラマンたちを激励するのである。

Gyouza

しかし、乾杯もそこそこに始まったのは餃子撮影会。実は大井の神様は的場文男騎手ひとりではない。カメラマンのI氏は知る人ぞ知る“餃子の神様”。いつでも餃子店を開業できるほどの腕前を誇り、餃子への想いを語り始めると留まるところを知らない。

God 

その情熱に心を動かされたのであろう。なんと某専門紙のスタッフが、弟子入りを志願するというハプニングまであった。

Brother 

競馬界の餃子ブラザーズは、果たしてどこに向かうのか? 二人の会話の端々に「東京プロパティサービス」というワードが聞こえてきたから、ひょっとしたら大井競馬場内、もしくは周辺に餃子店開業の可能性もゼロではない。彼らの動向から目が離せぬ。―――って、最終的にはぜんぜん壮行会じゃなくなっちゃったけど、週末韓国に行かれる方はどうぞご無事に。馬も含めて家に帰るまでが海外遠征ですからね。

 

***** 2015/08/28 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月27日 (木)

ツルマル&ムギマル

最高気温21度。10月上旬の陽気となった昨日の大井競馬場は、東風が吹き付けて一足早く秋本番の雰囲気に包まれていた。それでも8月なのだからとシャツ1枚で出てきてしまったが、これではちょいと肌寒い。

3レースは2歳馬によるマイル戦。新馬2着のあと、強敵相手のレースを強いられながらも入着を続けていたツルマルキングオーが、5戦目にして嬉しい初勝利を挙げた。

3r 

お兄さんのダイヤモンドダンスも、新馬で2着しながらなかなか勝利を挙げることができなかったが、それでも重賞で入着を繰り返して、ついに未勝利のまま東京ダービーに出走するという快挙を成し遂げている。初勝利はデビューから丸2年が経過した4歳8月。実に23戦目の悲願達成であった。それを思えば、弟の初勝利は「早い」と言ってもいいくらいだ。

それにしても寒い。さっきまでは「肌寒い」だったのが、今でははっきり「寒い」という感覚に変わっている。これはメインレースまでもつまい。それでいったん競馬場を中抜けして大森のイトーヨーカドーに向かった。インナーを購入してひと安心。せっかく大森まで出てきたのだから、夕食も食べてしまおう。さて、何にしようか。イトーヨーカドーを出て大森駅方面に歩き、ベルポートの前まで来たところで、このビルの中にうどん屋さんがあったことを思い出した。

Mugi1 

こちらがその『麦丸』。この寒さゆえ、温かいぶっかけうどんを注文する。なんでも今日は大盛りサービスデーらしい。むろん断る理由はない。ぜひとも大盛りでお願いします。

Mugi2 

店内の製麺機で打たれた麺は、思いのほか太くて柔らかい。ほんのりとした甘味ともっちりとした歯応えが特徴。なんでも三重県産の小麦「あやひかり」を使っているとか。それを聞いて、ああ、あの味だ、と思い出した。三重で食べた伊勢うどんである。コシを楽しむのもうどんだが、このもちもち感と国産ならではの小麦の風味を楽しむのもうどんであろう。おかげで身体もすっかり温まった。ツルマルとムギマルには、今後も注目せねばなるまい。

 

***** 2015/08/27 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月26日 (水)

数字の魔力&小久保厩舎の厩舎力

先日訪れた新潟競馬場のパドックに、見覚えのある一頭が周回していた。

Jaja1 

このメンコは……、

Jaja2 

説明の必要はあるまい。浦和・小久保智厩舎所属の3歳牡馬・ジャジャウマナラシ。残念ながらNST賞ではブービーと大敗してしまったが、連闘で30日新潟の朱鷺Sに再度挑むという。昨年のゴールドジュニア(2着)や先日のデイリー水無月賞(1着)と連闘で結果を出してきた同馬だけに、連闘そのものは気になるまい。規定の縛りがなければ、「NTS賞→アフター5スター賞→朱鷺S」というローテもアリだったのではあるまいか。

ともあれ、ジャジャウマナラシ不在のアフター5スター賞。それでも小久保厩舎は3頭出しだから凄い。まずはリアライズリンクス。

Rinks 

そしてベテランのジョーメテオ。

Joe 

最後に、トーセンベニザクラ。あれ?……サトノタイガーじゃないの? そう思ったら、サトノタイガーは札幌のキーンランドCなんですね。オープン馬を多く抱える厩舎は使い分けがたいへんだ。

Tosen 

で、レースの方はというと、スタートから中団でレースを進めたジョーメテオが、3コーナー過ぎから徐々に進出。その勢いのまま直線中ほどで先頭に立つと、コアレスピューマらの追撃を凌いで3つ目の重賞タイトルを手にした。

Joe2 

サトノタイガーとジャジャウマナラシの2枚看板をJRAに差し向けつつ、それでも地元の重賞をしっかりと勝つのだから、小久保厩舎の厩舎力には恐れ入る。今週の朱鷺SやキーンランドCでも、JRAのファンがアッと驚くようなシーンを期待したい。

ところで、ゼッケン6番で6番人気。これまで66戦を消化して6勝を挙げているジョーメテオが勝ったのは当然と言う人がいた。なぜか。それは「アフター5」なのだからとにかく「6」という数字が強いのだそうだ。そんなバカな。でも、去年のサトノタイガーもゼッケン6番だったような気がする。それで一応調べてみた。すると2001年以降の15回で6号馬の成績は(5,1,2,7)。なんと半数以上が馬券に絡んでいるではないか。

こんなことまったく知らなかった。まさに数字の魔力ぜひ来年の馬券に役立てたい。が、果たして来年まで覚えていられるだろうか?

 

***** 2015/08/26 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月25日 (火)

シニスター産駒に注目を

先週日曜の新潟7Rはモルダバイトが後続に3馬身差をつける圧勝劇。それを見ていた私は、思わず喝采を叫んだ。馬券が当たったからではない。モルダバイトの父親が、ほかならぬシニスターミニスターだからである。

Moruda 

現在静内で開催中のサマーセールにシニスターの1歳馬を上場させる身として、同馬の産駒の活躍を喜ぶのは当然。セリの直前に500万条件を勝ったからといって、それが落札価格に跳ね返るわけでもあるまいが、それでも勝たないよりは遥かに嬉しい。それで機嫌を良くして帰京したら、翌月曜の大井でもフジブルースターが勝利を挙げたではないか。ヨシヨシ。こうなったら、シニスター産駒がバンバン勝つところを紹介して、購買者の皆さんにアピールせねばなるまい。それでこうして大井競馬場にやって来た。気温23度。馬場を吹きわたる風は、早くも秋の到来を感じさせる。

Ooi 

1レースは2歳の1200m戦。シニスター牝馬のコーゲンスイセイは前走の新馬戦を3着して3番人気に推されている。叩かれ2戦目。これは期待できるゾ、と待ち構えていたのだが……、

1r 

勝ったのは船橋から遠征してきたマテリアメディカ。お父さんは、ゴールドヘイローですか。コーゲンスイセイは果敢に先行するも4着。残念。

気を取り直して2レース。ここにもシニスター産駒が出てくる。フレンドシスターは新馬2着の実績に加え的場文男騎手の手綱。「神様、お願いします!」と拝みながら迎えたレースだったが……、

2r 

勝ったのは道営から転入してきたばかりのティーズブラッド。お父さんは、ええと……、タイキシャトルですね。期待のフレンドシスターはスタート直後に気の悪いところを出して8着。あちゃぁ……。

でも安心してください。ちゃんと5レースをチャンピオンフブキが勝ちましたよ。諸事情あって写真がないのは申し訳ありませんが、とにかくシニスターミニスター産駒は今日も勝ちました。ご購買者の方々におかれましては、サマーセールにおけるシニスター産駒にぜひともご注目ください。

Sinister 

ちなみに、明日の大井でもバイスミニスター、フヨウリリー、メモラブルドラゴンの3頭が出走予定。明日も勝ってくれますように。

 

***** 2015/08/25 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月24日 (月)

上がり32秒5のインパクト

日曜だというのに重賞の行われなかった昨日の新潟競馬場。いちばんの注目レースは、5レースの新馬戦だという人も多かったかもしれない。芝1600mにフルゲートの18頭。1番人気に推されたサプルマインドが、馬場の真ん中から一頭違う脚色で突き抜けて、評判に違わぬ力を見せつけた。

Shimba 

勝ち時計1分36秒0は平凡だが、上がり32秒5は早い。新潟の芝コースで上がり32秒台なんかザラだよ、という指摘もあろうが、昨年あたりから新潟の芝の傾向が変化している。パンパンの馬場で高速レースが続いた新潟のイメージは捨てた方が良い。例えば22(土)の芝レース7鞍の勝ち馬の父を順に並べると、パイロ、キングカメハメハ、キングカメハメハ、アッミラーレ、ファンタスティックライト、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエス。良馬場でありながらダートでも通用しそうな種牡馬がズラリと並ぶのは、力のいる柔らかい芝に変わった証。かつての高速馬場では勝負にならなかったような産駒たちが、続々と勝ち上がっている。

そんな馬場状態でありながら、手綱を抑えたまま32秒5でまとめてみせたサプルマインドは素晴らしい。私が記憶する限り、新潟芝マイルを勝った2歳馬の上がりとしては最速タイではないか。一昨年の新潟2歳Sでハープスターがマークした上がりが32秒5。2011年のきんもくせい特別でアルフレードが記録した上がりもたしか32秒5。両馬ともその後GⅠを勝っている事実を考えれば、サプルマインドの展望は明るい。

ただし、その展望を伝える新聞の記事がちょっと気になった。手綱を取ったミルコ・デムーロ騎手のコメントを載せているのだが、その言葉のニュアンスが各紙微妙に異なるのである。

■ラジオNIKKEI
「強かったです。今、いちばん強い牝馬なのではないでしょうか。スタートもよかったです。距離はこれぐらいがよさそうですが、延びても大丈夫でしょう」

■サンスポ
「強かったね。藤原英昭調教師から『強い』と聞いていたけど、本当に強い。今年、自分が乗った2歳の牝馬では一番。これぐらいの距離がいいし、もっと延びても大丈夫そう。いい馬です」

■日刊スポーツ
「強かった。すごい脚。今まで(今年の新馬で)乗った中で一番強い牝馬」

■スポニチ
「凄い脚。今年乗った牝馬の中では一番」

■デイリー
「強かったですね。今年乗った2歳牝馬のなかでは一番です。距離は延びても大丈夫そうですよ」

■報知
「強かった。藤原先生は追い切りの段階から『この馬は強い』って言っていた。スタートが良かったし、距離はこれくらいがいいと思うけど、延びても大丈夫。今、一番強い牝馬じゃないかな」

実際、私も記者とのやりとりを横聞きしていたのだけど、耳に入ってきた限りでは「今年」とか「乗った中で」とか「2歳」などというワードは無かったように思う。端的に書けば「今いちばん強い牝馬」。なんと堂々の現役最強牝馬宣言である。ラキシスやルージュバックよりも強いというのか?

いや、そんなことがあるはずない。そもそも騎手と記者とのやりとりというのはポツポツとした単語の交換であって、外国人騎手でなくてもこのようなことは日常茶飯事。むしろデムーロ騎手はきちんと喋ってくれる方だ。それでも、「2歳」とか「乗った」などという会話に現れないワードは、記者が付け足す必要がある。コメントをそのまま載せただけでは、読めたものではない。だからと言って過分な付け加えは危険だ。読み手はそこを斟酌する必要がある。

サプルマインドについて言えば、もともと一週前に戸崎圭太騎手でデビューを予定していたのだが、除外となって戸崎騎手が新潟で乗れず、デムーロ騎手に手綱が回ってきたという経緯がある。そういえば昨年のドゥラメンテも、もともとは戸崎騎手が手綱を取るという話がありながら、最終的にはデムーロ騎手で2冠を制した。陽気なイタリアンが持つ不思議な巡り合わせも、頭の片隅に置いておきたい。

 

***** 2015/08/24 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月23日 (日)

引退馬の余生を考えよう

毎週土日は府中場外で時間を潰すという夏を過ごしていたが、馬のいない競馬場にいいかげん嫌気が差したので、無理を押して新潟までやってきた。

Dsc_2558 

「無理を押して」というのは、いろいろな予定をキャンセルしてという意味。多少の社会的義理を欠いてしまう結果と相なったが、ストレスで死んでしまっては元も子もない。

それでも新潟に来ようと思ったのは、ニルススタンド2F西側特別スペースで開催されている「引退馬の余生を考えよう企画展」を見んがため。「シャドウ」の冠で知られ、新潟馬主会の会長職にもある飯塚知一氏が実行委員長となり、引退馬を支援する活動と引退馬の近況をパネルで紹介しているのである。

Dsc_2547 

飯塚オーナーは、引退した所有馬のうち繁殖や地方に行くことのできない馬を、乗馬クラブに預けて自ら乗ってもいらっしゃるが、オーナーと私の共通の知人にも、クラブで一口出資していたホワイトチェイサーという牡馬が引退にするのにあたり、自ら乗馬として引き取ったという奇特な方がいる。言っておきますが、その知人の方は普通のサラリーマンですからね。簡単にできることではない。

White 

そんなことを思い出していたら、なんと今日の新潟に「ホワイトチェイサー」という馬が出走していたんでひっくり返った。ただしこちらのホワイトチェイサーは牝馬。母シュンサクヨシコということは、あのヒシミラクルの妹か。8レースの500万条件に出走してしんがりに敗れたが、まだ5歳。先はある。

かく言う私も、かつて所有した馬の引退後に引き取り手を探して乗馬クラブを訪ね歩いたり、自分で抱え込んだりもした経験を持つので、それがどれほどたいへんであるかも知っているつもり。だからこうした活動には興味があるし、また多くの競馬ファンの方に知って欲しいと思う。

昨年、JRAで1勝もできず抹消された3歳馬は2700頭以上。地方移籍や繁殖入り、あるいは乗用馬への転身など、さまざまなセカンドキャリアがあるとはいえ、勝てなかった馬の多くは廃用となってしまう。生産頭数が減少の一途を辿る昨今、牝馬だからといって生まれ故郷の牧場に戻れる時代でもない。華やかなレースの裏には厳しい現実が存在する。

今年の3歳未勝利戦も残りわずか。今日の新潟で走った未勝利馬の大半も、まもなく同じ問題に直面するだろう。6着以下に敗れた馬は既に直面していると言って良い。この時期の新潟であるがゆえに、企画展の内容はより痛烈に胸に突き刺さった。展示は新潟開催最終日の9月6日まで。新潟競馬場にいらっしゃることがあれば、ぜひともご覧いただきたい。

 

***** 2015/08/23 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月22日 (土)

【夏は冷やして⑤】肉うどん

東京競馬場にいくつか店舗を構える『梅屋』さんには、夏になると「きつね」「おろし」「とろろ」の冷やしメニューが登場するのだけど、私が普段食べる「肉南」についてはメニューに“冷やし”の記載はない。どうやら、通常メニューを冷やしにカスタマイズしているわけではなく、冷やし系の独立メニューが存在しているようだ。

Menu 

それでも意を決して「肉南を冷やしにしてもらえますか?」と聞いてみたんだけど、あまり色よい返事がもらえない。まあ、いきなり言われても値段とかも困りますよね。じゃあ普通の温かいやつで結構です……そう言おうとしたら、「冷やしうどんに肉トッピングすれば大丈夫よ!」という声が奥から響いた。620円とちょいと値は張るが、面倒くさいオーダーに対応してくれたことを思えば安いもの。いやあ、よく冷えてる。

Umeya 

ただし、この写真を見た関西の方は、「これは“肉うどん”やのうて“豚うどん”やろ!」と突っ込まれるかもしれない。関西で単に「肉」といえば、それは牛肉のことを指す。うどんの肉もカレーの肉も牛肉が当たり前。関東の「肉まん」は、関西では当然の如く「豚まん」だ。関西にお住まいの方からすれば、関東の肉入りメニューはインチキ以外の何物でもあるまい。

だがもっと極端な地域がある。それが北海道。すき焼きなら関東でもさすがに牛肉を使うのに、北海道では豚肉が当たり前。十勝牛で有名な十勝地方の名物もなぜか「豚丼」だし、旭川名物の「塩ホルモン」も豚の内臓。室蘭では「焼き鳥」と言っておきながら平然と豚肉を串に刺して焼いている。ちなみに、先日の社台ツアーで、「豚汁」のことを北海道の方は「ぶたじる」と呼んでいた。我々の感覚だと「とんじる」だけど、まあ確かに「豚丼」を「とんどん」と呼んだりしないわな。とにかく道産子と豚肉の縁(えにし)の深さを感じる。

そんなこんなで、東品川の『おにやんま』に場所を移して「冷肉ぶっかけ」を注文。出てきた一杯がコチラ。

Oni 

純白のうどんにどっさりと乗っているのは、まごうことなき牛肉たちである。もちろん麺もツユも冷たい。これなら関西の方も戸惑うことはなかろう。しかも、こちらは券売機にその名が記された定番メニューだから、冒頭のようにお店の方を戸惑わせる心配もない。もちろん味も値段も文句なし。安心して冷たい肉うどんを食べるならこちらであろう。ただ、この店の麺って、前からこんなに平べったかったですかねぇ? 最近、ちょっと気になっている。

 

***** 2015/08/22 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月21日 (金)

名馬も水を得なければ

JR川崎駅と川崎競馬場の中間あたりに店を構える『麺一滴』は、うどん専門店でありながら、天ぷらも専門店顔負けのクオリティを誇る。ここを訪れて天ぷらを頼まぬのはもったいない。

こちらはジャガイモの天ぷら。千切りのジャガイモのかき揚げにバターが添えられている。「これはカロリーが……」なんて言い出すのは野暮。ザクッと豪快に箸で割り、あつあつほくほくの美味しさを味わいたい。

Jaga 

イモ天と言えばサツマイモだろ!という方、ご安心ください。ちゃんと金時芋の天ぷらもある。

Kintoki 

個人的に鳥天は外せない。オマケに添えられた長ネギの串天の甘さにも驚く。

Tori 

なんて、天ぷらばかり褒めていると、店主に怒られてしまうかもしれない。そこはうどん専門店。純白に輝くうどんは喉越しも滑らかで、それに合わせるつゆの旨さも特筆に値する。美味しい昆布だしを引くために、きちんと軟水を使用しているとのこと。そうした手間のひとつひとつが、最終的には味に大きく現れる。

Udon 

欧米に比べて日本の水は軟水が多いとされるが、それでも火山灰地の関東では硬度100前後。どちらかと言えば「中硬水」に近く、昆布だしには合わない。水に含まれるミネラル分が植物の組織を硬くするからだ。一方、京都の地下水は硬度が50にも満たない「超軟水」。京都が昆布だしの都でもあるのは、ちゃんとした理由があってのことだ。

水が合うとか合わないとかいった話は、何も昆布に限った話ではない。ディープインパクトの凱旋門賞遠征に際し、陣営が「六甲のおいしい水」を持参したのは有名な話。1998年の川崎記念に遠征してきた岩手のメイセイオペラは4着に敗れたが、その敗因も水にあった。川崎競馬場の水道水を飲もうとしなかったのである。それを教訓に、翌年のフェブラリーS遠征では岩手から水を持参。結果、地方馬によるJRA・GⅠ制覇を果たし、「岩手の雄」は全国にその名を轟かせた。たかが水と侮ってはならない。

Meisei 

―――と、ここまで書いたら、昆布やメイセイオペラから「川崎の水が合わない」と言われているような気がして、なんとなく悲しくなってきた。それというのも『麺一滴』のうどんがウマ過ぎるからだ。困ったもんだ。

 

***** 2015/08/20 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月20日 (木)

スパーキングファイト

札幌記念は今年も「GⅠ並みの豪華メンバー」と盛り上がりを見せているが、南関東の重賞・スパーキングサマーカップも例年の如く「準重賞並みの枯れたメンバー」が集結。しかし、レースそのものは人気馬2頭と2人の名手のおかげで、札幌記念にも負けないであろう白熱したものとなった。

スタートからハナを奪ったのは2番人気のブルーチッパーと真島大輔騎手。相手はこの一頭とばかりに、これをぴったりマークしてレースを進めていた1番人気のケイアイレオーネと的場文男騎手が、3コーナーで早くもブルーチッパーに並びかけて直線に向いた。

Spark1 

流れはケイアイレオーネである。確かにいったんはクビほど前に出た。よし、的場さん最年長重賞勝利記録更新だ! そう確信して身構える。しかしブルーチッパーもしぶとい。570キロを超える牡馬に外から馬体を併されながら、それでも食い下がる根性は牝馬らしからぬ。びっしり馬体を併せた叩き合いは終わることなく、2頭まったく並んでゴール板を駆け抜けたのである。

Spark2 

「どっちだ!?」

「勢いは外だろ」

「いや、内も差し返してたぞ」

騒然とする検量前に先に戻ってきたのは真島騎手。「2着」の枠に入って鞍を外すと、そのまま検量室に消えていった。

Spark3 

やや間を置いて的場騎手が戻ってきた。ということは、こちらが「1着」の枠に入るのか。周囲が注目しながら見守っていると、なんと的場さんも「2着」の枠に馬を収めたのである。

Spark4_2 

「てコトは、2着同着で1着なしか?」

そんな笑い声も聞こえてきた。なにせここは同着ネタには事欠かない川崎競馬場である(※下記参照)。前日の4レースも1着同着があったばかり。しかし、だからと言って1着なしで2着同着などありえない。

「的場さんも謙虚になったもんだ」

そんな声も聞こえる。長い長い写真判定の結果、勝者は真島騎手とブルーチッパーであった。転入初戦で重賞初勝利は見事。一方、圧倒的1番人気で敗れたケイアイレオーネは悔しい。着差が着差だけになおさらであろう。

Spark5 

2人のジョッキーを除けば、もっとも近いところでこの激戦を見ていたのは、誰あろうこの私である。私の位置から見ても、ブルーチッパーの鼻面が先にゴール板に達したその瞬間が見えていた。的場さんもそれを確信していたのだろう。むしろ謙虚だったのは真島騎手の方ということになる。それにしても、重賞レースでこれほど長く、かつ際どい接戦は久しぶり。「スパーキング」の名に相応しく、まさに火花の散るようなレースを見させてもらった。二人の名手に感謝したい。

 

【川崎競馬場の同着バナシ】

2014年3月17日付「同着」
http://keibashokudo.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-df2b.html

2014年3月18日付「続・同着」
http://keibashokudo.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-4ee0.html

 

***** 2015/08/20 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月19日 (水)

【太麺礼讃⑤】成喜@川崎

開催中の川崎競馬場に向かう途中。ちょっと道を外れて、「ラ・チッタデッラ」近くの細い路地沿いに暖簾を掲げる老舗中華料理店「成喜」に立ち寄った。餃子で有名な店だが、実はこの店、焼きそばも私好みでつとに美味しい。その秘密は麺にある。

Naruki1 

使用されているのは、ご覧の太麺。メニューには「成喜特製太麺使用」と明記されている。その弾力、モッチリ感は、太麺好きとして申し分ない。浪江焼きそばの太さには及ばぬものの、そのぶん野菜たっぷりで、それらの具材をXO醤のコクがきれいにまとめている。これで577円。このボリュームを思えば安い。

Naruki2 

しかし、この店の暖簾をくぐったからには餃子も食べなければ話になるまい。なにせ川崎で最初に餃子を始めた一軒であり、店主は「かわさき餃子舗の会」の会長も務めるお方。店内のテーブルには「かわさき餃子みそ」のボトルが当然のように置かれている。

Naruki3 

「かわさき餃子みそ」を知らぬ人のために説明せねばなるまい。驚くなかれ餃子のタレ。「かわさき餃子舗の会」のメンバーが餃子の新しい食べ方を提案しようと、2年の歳月をかけて開発された。念のために繰り返すが「餃子にみそ」である。しかし、あっさりしているので何個でも食べられる、と評判は上々とのこと。「みそだれ7、酢2、ラー油1」で食べるのがツウだという。

Naruki4 

餃子はいくぶん大ぶり。その皮はモッチリしていながら、焼き目がパリッと痛快で、食感のコントラストが楽しめる。餡はジュワッとジューシー。しかる後に、キャベツのしゃきしゃきとした歯応えと、甘みがジワリと広がった。

正直、タレなんかにこだわらなくても十分に美味いと思うのだが、そんなことを言うのは野暮だからやめておこう。聞けば、このみそダレを焼きそばに使っている店もあるのだという。それは興味がありますね。機会があったらぜひ食べてみたい。

 

***** 2015/08/19 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月18日 (火)

バーベキューの季節

夏と言えばバーベキュー。年がら年中食べている方もいらっしゃるかもしれないけど、近所の多摩川の河川敷を観察している限りでは、賑わいのピークは今の季節で間違いない。土日ともなると、河原全体からもうもうと白煙が立ち込めている。

Suika 

先日北海道のとある牧場で御馳走になったバーベキューはことのほか美味しかった。競走馬的な表現をするなら、生涯いちばんではないか。食材、火加減、氷水に浸された缶ビール、サイドディッシュ、丸ごと冷やされたスイカ、テーブルを照らす灯り、涼しい風、そして満点の星空。すべてが素晴らしかった。このブログを読んでいる方の中には「ははあ、あの牧場だな」と推察される方もいるだろうけど、これは決しておべっかなどではない。とにかく焼き加減が絶妙なのである。「残念な肉」などひとつもない。「ただ豪快に焼きゃいいんだろ」となりがちなバーベキューだが、繊細な人が焼けばちゃんと繊細な味になるのだと悟った。

Bbq 

その悟りの思いをさらに強固なものにしたのが、桜新町『ルレ・サクラ』のバーベキュー。フレンチのお店でバーベキュー? そんな既成概念に囚われないのがこの店のいいところでもある。マンガリッツア豚のソーセージに、仔羊、そして夏野菜。それらを串に刺したら、グリルの炎を全開にして直火で豪快に焼く。ただし見た目は豪快だが、繊細さも隠れているところがポイント。ラム肉はとことんジューシーで、ソーセージの皮目はパキッと小気味よく、野菜たちはシャキッと瑞々しい。それらが寸分違わぬ焼き加減で、次々と焼きあがってくる。凄い。プロのバーベキューとはこういうものかと、再び悟った。

Sakura 

それにしても、北海道の牧場の方はバーベキューの達人が多いように思う。ジンギスカンという道民食があればこそか。毎年社台ファームでいただくバーベキューも美味しい。良いお肉を使っていることもさることながら、焼きの技術の高さも伺える。いっぺんに大量のステーキ肉を焼くのって、簡単そうでなかなか難しいですよ。本当に皆さん牧場スタッフなんですかね? ちょっと疑ってしまったりする。

Shadai1 

ただ、この社台のバーベキューは、肉を味わうペースがビールを飲むペースに負けてしまうので、すぐにヘロヘロになってしまうのが難。ステーキ1枚分を食べる間にサッポロクラシック3缶空けてんだから、そりゃ酔いますよね。ただ、これは多分に私と同行するメンツに問題がある(笑)。社台ファームさんにはなんの責任もない。

Shadai3 

バーベキューの本場米国ではパーティー料理という位置付け。味を左右するのは肉やソースの味ではなく、もてなしの心とされる。牧場のバーベキューが美味しいのは、その気持ちが味に表れるからであろう。ちなみに『ルレ・サクラ』では8月いっぱいバーベキューフェアを開催中。ご近所で興味のある方はぜひ。

 

***** 2015/08/18 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月17日 (月)

HAPPY PONY SHOW

ノーザンホースパークで毎日行われているハッピーポニーショーを御覧になったことがおありだろうか?

Ponyshow_2 

実は先日初めて見る機会を得た。いや、機会ならいくらでもあったはずだが、「わざわざポニーなどを見る必要もあるまい」という先入観が邪魔をしていたと言った方が正しい。見終えた今では、そんな先入観を抱いたことを反省している。

Pony1_2 

最初の印象は「可愛い」だった。だが、そのうち「ほお」と声を上げるようになり、それが瞬く間に「凄い!」と拍手を送るに至ったのである。

Pony2_2 

興味の的はやはりその調教技術である。一般に大きい馬は気性が穏やかとされ、小さくなるにつれ気性が荒くなり、扱いも難しくなる。サラブレッドに子供が指を噛まれたという話はあまり聞かないが、ポニーに噛まれたと言う話は珍しくない。それなのに、目の前のポニーは手綱や長鞭もなしに、お姉さんの言うことを聞いてお客に愛想を振りまいているではないか。

Pony3_3 

この日、ショーに登場したのはトラちゃん。お披露目する芸の内容を書いてしまうとネタばれになるので、そこは現地で見ていただくことにするが、お姉さんの軽快な口調や、テンポの良い進行などは、人気水族館のイルカショーを思わせるものがある。思っていた以上の完成度。さほど期待していなかった自らの見識を恥じねばなるまい。

Pony4_2 

最近ではパーク内で過ごすポニーの頭数も増えた。吉田勝己氏の肝入りとのことで、運が良ければ目を細めてポニーショーを眺める勝己氏の姿を見ることもできる。また、先日のノーザンホースパークの公式ツイッターには、ポニーと戯れる角居調教師の姿もアップされていた。角居師もポニーショーを楽しみに来場するという。日本を代表する2人のホースマンが、いかにウマという生き物を愛してやまないのか。これ以上、それを端的に表している事例はあるまい。

Kin_2 

ポニーショーが行われる会場「パラッツォ・ベガ・ポニー館」は、以前はゲーム機や卓球台が並ぶ休憩用のスペースで、一部に競馬の優勝カップなどが展示してあることを除けば、取り立てて足を踏み入れるようなエリアではなかった。現在は、1階がポニーショーのアリーナとして使われ、2階は馬の資料館「ノーザンホースミュージアム」に生まれ変わっている。馬に関する素朴な疑問に答えるパネルや、毛並みの手入れに使うブラシや蹄鉄などを展示、子供たちが手に触れて楽しめる内容になっている。これぞ「ホースパーク」の名に相応しい。

もし、この夏ノーザンホースパークを訪れる機会があれば―――デルタブルースやタップダンスシチーに会うのももちろん悪くはないが―――ぜひポニーたちの軽妙な演技にも目を向けていただきたい。

 

***** 2015/08/17 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月16日 (日)

エルムのカレー

札幌駅と札幌競馬場の間に広がる北大キャンパスの敷地内に『エルム』というレストランがある。そこの名物「クラークカレー」は一見の価値ありだ。ご飯はジャガイモやお肉が行儀よく並べられた状態で客に出され、客はその上からサラサラのカレールーをかけていただく。カレーの深い香り。輪郭のくっきりした野菜の甘み。窓の外に広がるエルムの森を見ながらいただくカレーは、また格別の味だ。

Clark 

エルムはハルニレの別称。札幌駅周辺の街路樹に使われているが、もともと開拓当時はこのあたりに原生林をなしていた。北大に広がるエルムの森はその名残。そのエルムの森に隣接する札幌競馬場では、重賞「エルムステークス」が行われた。勝ったのは昨年のこのレースで1番人気に推されながら6着に敗れたジェベルムーサ。一年越しのリベンジを果たした格好になる。

手綱を取った岩田康誠騎手は、エルムSに2012年から4年続けて参戦して、4戦3勝、2着1回となった。園田で鍛え抜かれた小回りダートのテクニックが札幌1700にフィットするのかもしれない。今日の捲りっぷりも見事。名手ルメールに迫られながらも抜かせないあたりに、馬を動かす技術の粋を見た気がする。

2012 ローマンレジェンド 優勝
2013 エーシンモアオバー 2着
2014 ローマンレジェンド 優勝
2015 ジェベルムーサ 優勝

川崎駅から川崎競馬場に向かう道をちょっと外れたあたりにも『エルム』という老舗の洋食店が暖簾を掲げているが、こちらのカレーも北大に決して負けていない。写真は人気の牛タンカレー。ほろほろとトロける牛タンがカレーソースと絡み合い、なんとも官能的な味わいを醸し出す。

Tang 

折しも明日から8月の川崎開催がスタート。残暑に負けぬよう、カレーを食べてから競馬場に向かうのも悪くないのだが、あいにくこちらのカレーはランチ限定。日曜・月曜はランチ営業がないので注意されたい。

 

***** 2015/08/16 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月15日 (土)

【夏は冷やして④】牛すじカレーそば

例によって東京競馬場に来ております。馬がいなくても、お盆であっても、終戦記念日だってもう関係ない。

Park 

しかし暑い。府中市の今日の最高気温は33度。先週は北海道に行っていながら札幌開催を見ることはできず、わざわざクソ暑い東京に戻ってきて札幌開催をモニターで見ながら「暑い暑い」と文句を言っているのだから救いようがない。他人が見たらアホかと思うのではないか。自分でも間違ったことばかりしていると思う。しかし事情があるのだから仕方ない。仕方ないから、冷たい麺を食べよう。

Umasoba 

向かったのは例によって『馬そば深大寺』。前回、「冷やし鳥そば」がことのほか美味しかったので、今回は別の人気メニューを“冷やし”で食べて見ようという試みである。この店で私が二番手に挙げるメニューは「牛すじカレーそば」。トロトロに煮込まれた牛すじとカレーの相性は抜群。そのツユを存分に味わいたいがために、そばを食べ尽くしたあと、おにぎりを投入してカレー丼風にして食べたという話は以前にも書いた。

ただ、これを冷やしにできるのだろうか?

いちおう「+50円ですべてのメニューを冷やしにできます」と謳っているので、とりあえず聞いてみると、ツユ(温)+カレー(温)+そば(冷)で対応可能だという。ううむ…、いったいどうなるか。よくは分らんが、ひょっとしたらうどんの「ひやあつ」的な効果を期待できるかもしれない。ふんじゃあそれをください、と言って550円を支払い、出てきた一杯がこちら。

Soba 

まあ、見た目には普通のカレーそばですが、これをひと口すすってみると……、

普通です(笑)

これは「冷やしカレーそば」というより「冷めたカレーそば」ですね。冷やされたそばのおかげでツユはほどよく冷め、温かいツユのおかげでそばはほどよく温くなってしまっている。お互いの良さを消し合った果ての一杯がここに出来上がった。前回の「冷やしかき揚げそば」に続いて、またも失敗か。

むろん、お店にはいっさい落ち度はない。責任があるとすれば私の方だ。つまり「ひやあつ」効果を期待するなら、やはりそれはうどんでなければならない。そばのように細い麺では、お互いの熱交換があっと言う間に進んで、食べる時には丼の中の温度が既に均一になってしまうのである。

Baken 

再び「間違ったことばかりしているなあ」と反省。こんな状況で馬券など当たるはずがないのだが、それでもここまで来てまさか馬券を買わずに帰るわけにもいかない。それでベタベタと馬券を買って今日も玉砕。特に札幌メインは、馬連BOXで7頭も選んでおきながらカスリもしなかった。7頭の中に1着馬も2着馬もいないのだから、もう話にならない。いったいどこまで間違えば気が済むのか。ああ、あの札幌の涼しい風が恋しい。

 

***** 2015/08/15 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月14日 (金)

【訃報】マンハッタンカフェ

今日、マンハッタンカフェの訃報が一斉に報じられた。17歳。GⅠ3勝馬にして、2009年のチャンピオンサイアーの名馬の死を、今はただ静かに悼みたい。

Cafe1 

中には「急死」という表現を使っているメディアもあるが、彼の容態はこの春から芳しくはなかった。このブログでも折りに触れマンハッタンカフェが決して軽くはない病を患っていることに触れてきたつもりである。関係者の口調には諦感がありありだったし、その話の内容からすれば、マンハッタンカフェが患っている病が癌であることも察しがついた。おそらく長くはあるまい。夏を越せるかどうか……。だが、もちろんそんなことをここに書くわけにもいかないから、せめて産駒たちの活躍を祈る文章を書き綴った。

Cafe2 

私が彼の姿を最後に見たのは先週の木曜日のことだ。早来界隈は朝から北海道らしからぬ蒸し暑さに見舞われ、アブたちがぶんぶん飛び回っていたと記憶する。

「相当悪い」。そう聞かされていたから、きっと床に伏しているものと思っていた。だが馬房内の彼は、3個のGⅠタイトルをもたらしたその4本の強靭な脚を直立させ、見事に立っていたのである。その顔つきは、私が知るいつものマンハッタンカフェと変わりはなかった。

皆が言うほど危なくはないんじゃないか―――?

最初はそう思った。だが、その馬体を見れば背中からお尻の肉は落ちて、まるで骨格標本のように骨の形が浮かび上がっている。目の前の飼い葉を食べようとする様子もない。

しかし何より致命的なのはアブだった。

自分の身体にアブが止まれば、すぐに追い払うのが普通。たいていは筋肉をブルブルっと小刻みに震わせるか尻尾で払う。だが、彼はそれをしていない。いや、していないのではなく、できないのである。筋肉を震えさせることも、尻尾を動かすことさえもできぬほど、彼の身体は病魔に蝕まれていた。それでも決して床に伏したりせず、その四肢をピンと伸ばして立ち続けている彼の姿は、これまでに見たどんな名馬にも負けず神々しかったことは明記しておきたい。それがチャンピオンとしてのプライドだったのであろう。

Cafe3 

惜しむらくは、彼の存命中に産駒によるクラシック制覇がならなかったことだ。レッドデザイアも、ヒルノダムールも、ルージュバックでさえも、あと一歩のところで涙を飲んだ。残された産駒の中から、クラシックホースが誕生することを祈りたい。合掌。

 

***** 2015/08/14 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月13日 (木)

20年越しの初重賞

昨日の大井の話。真夏の3歳重賞としてすっかり定着した黒潮盃は、今年も大勢のお客さんで賑わった。入場者数15123 人は、ダービー当日の12011人をはるかに凌ぐ。暑さもここ数日に比べれば幾分和らいでいるようだ。

勝ったのは5番人気のブラックレッグ。直線で先行集団の外に持ち出されると、先に抜け出したタケルオウジを捕らえ、これに半馬身差をつけて優勝を果たした。

Kurosio1 

ここ5戦はすべて2着と、あと一歩の競馬が続いていた。昨日は行き脚がつかず、普段より後ろからの競馬を強いられたが、それがかえって良かったのかもしれない。これまでにない直線の伸びを見せて、記念すべき南関東初勝利を見事重賞レースで飾った。

デビューは昨夏。JRAの福島開催で新馬勝ちを果たしている。その時の馬体重は526キロだった。その後ダリア賞で9着と敗れると、あっさりJRA登録を抹消されてしまう。その半年後、大井競馬場に姿を現した彼の馬体重はなんと前走比プラス55キロ。下手をすれば別馬を疑うケースである。以来、580キロ前後での出走を継続中。実は東京ダービーを狙っての移籍だったとも聞くが、本来の彼の姿がこちらなのだとすれば、半年の休養と大井への移籍は間違ってはいなかった。

そんな彼を管理する管理する的場直之調教師は、騎手時代を通じてもこれが初めての重賞勝利。1995年の騎手デビュー当時から彼を見続けてきた私としても、この勝利は嬉しい。その調教師の口から次走は戸塚記念が明言された。東京ダービーへの出走は叶わなかった同馬だが、いずれ実現するであろうパーティメーカーとの対決を楽しみに待ちたい。

 

***** 2015/08/13 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月12日 (水)

北海道のコンビニ

もう帰京してますが、北海道の話を続けます。

東京の人間が「北海道に行った」と言うと、たいてい「カニとかイクラとか美味しいモノばかり食べてきたんでしょうね。羨ましいなぁ」と言われるのだけど、少なくとも私はカニもイクラも食べてません。いや、美味しいものは道内にたくさん溢れているのだけど、そこに凝り出したら馬を見る時間と労力を削らなくてはならない。今回は牧場でバーベキューを御馳走になったのを除けば、ほとんどコンビニせ済ませた。そう、道民の強い味方、セイコーマートです。

Seicomart 

「サービス産業生産性協議会」が2011年から始めたコンビニの顧客満足度調査において、セイコーマートは昨年まで4年連続で1位に輝いた。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの御三家を差し置いて、品質や価格への納得感が高いと評価されたわけだ。

Hotchef 

道内にお住まいの方はどのように感じられているか分からないが、私個人は北海道旅行中にセイコーマートに立ち寄る時ほどわくわくすることはない。店内で調理しているホットシェフのおにぎりはホカホカで、商品棚にはカツゲンやガラナが並び、道内の浜に揚がったサケを使ったお弁当も美味しそうだ。本州で開かれるお仕着せの「北海道物産展」なんかより、セイコーマートの店内の方がよっぽど“北海道”が溢れている。

Katsugen 

実は北海道はコンビニ先進地域でもある。セイコーマート1号店が札幌市北区に誕したのが1971年。セブンイレブンの1号店が東京・豊洲にオープンしたのが1974年だから、それより3年も早い。ゆえに店舗数も多く、人口当たりのコンビニ店舗数も47都道府県でダントツのトップ。セイコーマートだけでも道内に1000店舗以上を数えるのだから、これでは食事がセイコーマートのおにぎりばかりになるのも仕方ない気がする。

だけど、さすがに同じものを食べ続けるわけにはいかない。しかも今回は娘二人を連れている。

そこで、札幌の時計台を見にいったついでに平岸の『純連』の暖簾をくぐった。言わずと知れた札幌味噌ラーメンの老舗。創業は1964年だというから、その歴史はセイコーマートよりさらに古い。いつまでも冷めることのない熱々のスープは、そんな歴史を思わせる奥深い味がする。

Junren 

時計台を見て味噌ラーメンを食べるなんて、まるで昭和の札幌観光を思わせるコースだが、そうは言いつつこれはこれでなかなか楽しかった。私自身が昭和を引きずったまま生きているからかもしれない。このまま社台ファームに行けば、ガーサントやディクタスに会えそうな気がする。その道すがらセイコーマートを見つけたら、立ち寄っておにぎりを買おう。

 

***** 2015/08/12 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月11日 (火)

キツネが減ったそのワケは

最近、北海道に来るたびに思うことがある。車を運転していて、あるいは放牧地を歩いていて、キツネの姿を見かける機会がどんどん減っているのだ。

Fox 

今回もキツネを目撃したのは一度だけ。まあ、こればかりは運もあるのだけど、旅行者の感覚としては間違っていないと思う。それで牧場の方に聞いてみると、意外な答えが返ってきた。

「ああ、アライグマのせいだな」

―――アライグマ?

なんでも、もともとペットとして飼われていた、アライグマが野生化して大繁殖しているのだという。

似た話は鎌倉あたりでも聞く。ペットのアライグマが野生化して困っている。最初は可愛いくても、成長するにつれて気性が荒くなり、キバも鋭くなる。もともとペットに向いている動物とも思えない。それで持て余した飼い主が野に放して野生化する。だが鎌倉では大繁殖しているとまでは聞かない。北海道の事情が異なるのは、鎌倉とは比較にならないその豊富な自然がアライグマの生活に馴染んだのであろう。

アライグマが北海道を好む理由は自然だけではない。彼らの大好物は収穫直前の熟した農作物。トウモロコシは皮を丁寧にはがし、メロンも中身だけを上手にくり抜いて食べるという。農家にしてみればたまったものではない。キツネが減ったのも、餌や巣といった生活圏が共通するためだという。

私も今回初めてアライグマらしき動物を見かけた。夜の牧場に車で到着したら、ヘッドライトが牧柵の根元に動く動物を照らした。まぶしい光に照らされたその動物は5匹くらいの集団で、こちらを見て固まっている。

「タヌキだ!」

最初はそう思った。しかしそのうちの1頭が後ろ脚で直立しているではないか。タヌキがそんな姿勢を取るとも思えない。

すると1匹が牧柵をするするとよじ登り、あとの4匹もそれに続いた。タヌキが木登り? その時、確かにしっぽの縞模様が見えたのである。結局、その5匹は牧柵伝いに暗闇に消えていった。

その時は、まさか北海道にアライグマがいるなんて思わなかったが、あとでいろんな人に聞いてみると、最近ではさして珍しくもないらしい。札幌のような都会でも見かけるという。となれば近い将来、新千歳空港のお土産コーナーはキタキツネに替わってアライグマグッズが溢れるかもしれない。

ところで私世代の人間がアライグマと聞けば、この一頭を思い出す。

Rascal 

2000年の天皇賞でテイエムオペラオーの2着と頑張ったラスカルスズカです。まあ、アライグマと言えば「ラスカル」ですよね。種牡馬の方は2010年のシーズンを最後に引退し、ノーザンホースパークを経て、今は札幌郊外のモモセライディングファームで乗馬として活躍している。そういえば、これまで気にしたことはなかったが、ひょっとして彼の尻尾は縞模様だろうか。

 

***** 2015/08/11 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月10日 (月)

カジノドライヴの芝適性

8月も半ばに差し掛かり、各地で2歳馬たちが続々と勝ち上がっている。

昨日のJRAの2歳戦では、4頭ものダイワメジャー産駒が勝利を挙げた。これでこの2歳世代では12頭が勝ち上がったことになる。2歳サイアーランキングではトップを独走。2位のディープインパクト産駒が6頭だからダブルスコアをつけている。厩舎でくつろぐダイワメジャーの姿も、どことなく余裕が感じられる。

Mejar1 

だが、こうした状況は毎年のこと。たいてい12月までダイワメジャーが先頭を走り続けながら、最後には2歳GⅠを勝ったディープインパクトに差し切られるというパターンが続いている。

ダイワメジャーの産駒は父に似たタイプが多い。筋肉が豊富にあり、骨量も多く、総じて体質は丈夫で育成の時季を順調に過ごす。だから早い時期からデビューできるし、結果も伴う。一方で素軽さに駆け、豊富なスピードを持ちながら、意外にそれを持続させることができない。それで距離の壁にぶつかったり、切れ負けしてしまうことになる。現6歳世代の初年度産駒はJRA重賞を11も勝ったが、その後は、5歳世代4勝、4歳世代1勝と尻つぼみ。現3歳世代は重賞を勝っていない。そろそろカレンブラックヒルを凌ぐ大物の登場を期待したい。

ダイワメジャーと同じ厩舎にいるこちらの種牡馬は、産駒がデビューの年を迎えたカジノドライヴ。

Casino1 

コウエイテンマが早々に勝ち上がり、新種牡馬のJRA勝利一番乗りを果たしたわけだが、何よりその舞台が芝だったことは関係者に大きな衝撃を与えた。いや、衝撃なんてレベルではない。もはや「事件」である。

カジノドライヴは2008年のピーターパンSを制し、09年のフェブラリーSではサクセスブロッケンの2着と健闘したダートのトップホース。その血統は、ダート適性の高いパイロやシニスターミニスターと同じシアトルスルー直系で、芝でのレース経験はない。その産駒たち総じて父に似たタイプが多く、繋が立っていて筋肉質。つまりダート向きなのである。

しかし、コウエイテンマがいきなり芝で勝ってしまったせいであろう。カジノドライヴ産駒はこれまでJRAで12頭がのべ19回出走しているが、そのうち17走が芝のレースなのである。誰がこんな事態を予想しただろうか。

「カジノドライヴは芝で走る」。コウエイテンマの新馬戦は、そんな印象を強く与えてしまった。だが、コウエイテンマの母・プリモピアットは芝で4勝した芝馬。たまたまそちらが出たという可能性だってある。実際、コウエイテンマ以後に芝戦に出走したカジノドライヴ産駒たちの中で、勝ち上がった馬はいない。それどころか馬券に絡んだ馬さえいないのである。

このまま産駒が芝で使われ続けたら、故障馬が続出するんじゃないか―――。

本気でそんな心配をしなければならないのだから、やはりあれは「事件」だったのであろう。

 

***** 2015/08/10 *****

 

 

 

| | コメント (2)

2015年8月 9日 (日)

アブとの闘い

私が北海道に入った8月5日は全国的に気温が高かったが、北海道とて例外ではなく、今年いちばんの暑さを記録した。それで「暑さを連れてきたな!」と文句を言われる始末。でもね、気温30度は東京に比べれりゃ天国ですよ。昨今の東京の陽気では、屋外で馬を見ようなんて気にはまずならない。

それでも馬にとっては北海道の夏は辛い季節だ。なぜか。アブである。ところかまわずブンブン飛んでくる。だから、馬たちは朝イチで集牧され、日中を厩舎内でジッとして過ごし、日が落ちてアブがいなくなったらようやく外に出される。外で遊びたいなー、と厩舎の窓から顔を出そうものなら、ここぞとばかりにアブの猛攻を受けかねない。

オルフェーヴルも昼間っから暗い馬房の中で恨めしそうにしている。

Orfe 

中には昼間も馬を出しっ放しのズボラな牧場もあるが、そういう馬たちは腹回りにびっしりアブがとまっている。払いのけようにも、人間のように手が使えるわけではない。それで放牧地を走り回ったり、地面に腹這いになったり、尻尾で追い払ったりと必死にアブから逃れようとする。一方のアブにしてみても、北海道の短い夏の間に血をいっぱい吸わなければ子孫を残せないのだから、必死さという点では同じ。汗だくになってアブと格闘している馬を見かけると、本当に気の毒で仕方ない。

むろんアブは人間も狙う。だが、アブは動物が発散する炭酸ガスを検知して目標に近づき、体温を頼りに獲物にとまるから、肺活量が多く、かつ人間より体温の高い馬に向かいがちだ。しかも腹部の針で攻撃するハチとは異なり、口で刺すアブはまずしっかりと獲物に着地しなければならない。しかるのちにソレッと刺してくるから、その前に追い払うことはできる。仮に人間が狙われても、慌てる必要はない。いや、でも、保証はできません(笑)。

Sippo 

馬は、筋肉をブルブルッと揺らしたり、長い尻尾を器用に使ってアブを追い払うが、自分の尻尾の届かないところに止まられると厄介だ。そういう場合、2頭の馬同士がペアになって、お互いにアブを払い合う光景を見かけることもある。普段はいがみ合ってばかりいて、近寄れば喧嘩ばかりしている2頭であっても、いざアブ退治となると、お互い寄り添ってアブを払うこともあるというから不思議。アブ問題が、いかに彼ら彼女らにとって切実な問題であるかを示している。

Abu 

今日の日高は曇り空が広がり、最高気温も25度に届かなかった。アブたちも今日はどことなく元気がない。馬たちは、きっとこのまま秋が来て欲しいと願っていることだろう。

 

***** 2015/08/09 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 8日 (土)

新米種牡馬

こちらの流星の牡馬は……、

Epifa1 

つい先日、現役引退が発表されたばかりのエピファネイアです。

ここ社台スタリオンにやって来てから、まだ一週間も経ってない。新しい環境に慣れないせいであろう、狭いパドックをウロウロと走りまわっては周囲を気にしている。隣の馬房からクロフネが顔を出せばそっちに走って行き、向こうでディープインパクトが吠えればそっちを気にしてまた走って行く。たしか脚の故障で引退したはずなのだが、放牧地で見る分には元気いっぱいだ。

正式な引退理由は左前脚の繋靱帯炎。宝塚記念へ向けた追い切りの直後に発症したという。

繋靱帯炎は屈腱炎に匹敵する競走馬の難病のひとつ。人間のスネにあたる中手骨の裏側が炎症を起こすもので、種子骨の骨膜炎や骨折などに伴って腫れる場合と、過度の球節の屈曲によって靱帯のみが損傷を受ける場合がある。やっかいなことに、その回復には時間を要するケースが極めて多い。思い起こせばエピファネイアの母・シーザリオが現役引退を余儀なくされたのも、右前の繋靱帯炎によるものだった。因縁を感じずにはいられない。

Epifa2 

昨年のJCで世界ランク1位のジャスタウェイを4馬身も突き放し、この秋は凱旋門賞も展望されていた一頭だけに、その引退を惜しむ声は今なお多いという。私とて、スミヨンが絶賛したその驚異的なスタミナをロンシャンで見たかった。だが、その夢は産駒に託すしかない。

なにせ2014年の世界ランキングで堂々の2位を獲得した一頭である。ようやく登場したシンボリクリスエスの後継種牡馬種として、生産者の人気を集めることは必至であろう。

病み上がりということで、今はまだ狭いパドックで過ごしているエピファネイア。年内は療養に専念し、来春から新たな仕事が待っている。

 

***** 2015/08/08 *****

 

 

 

| | コメント (2)

2015年8月 7日 (金)

30年ぶりの時計台

札幌時計台にやってきた。この敷地に足を踏み入れるのは30年ぶりのこととなる。高2の夏、生まれて初めて北海道の地を踏みしめた私は、まず真っ先に時計台を目指した。

Tokei 

上野から夜行列車と青函連絡船を乗り継いで12時間以上。「はるばる来たぜ」と謳われた函館の遠さを実感しつつ、さらに列車に乗って札幌を目指した。学生の貧乏旅行であるから急行や特急には乗れない。のんびり走る鈍行列車の車窓から、途中、馬のいる景色が飛び込んできたことを覚えている。記憶はあやふやだが、おそらく当時は白老にあった社台ファームであろう。となれば車窓から眺めた馬の中には、ひょっとしたらダイナガリバーやダイナコスモスがいたのかもしれない。

そんなこんなでようやく辿り付いた札幌で、ようやく目にした時計台は私を感動させるに十分の光景だった。遥かなる旅路の果てに、ようやく本物の北海道を目にした気ががしたのである。

しかし聞くところによれば、時計台は「日本3大がっかり観光スポット」などと揶揄されているらしいではないか。札幌市のカントリーサインにも採用されている北の街のシンボルも、最近では肩身の狭い思いをしている。

Sign 

今では連絡船に乗って北海道旅行をする人は多くはあるまい。「逆巻く波を乗り越え」る必要もない飛行機を使えば、羽田から札幌駅まで2時間余りで着いてしまう。それどころか「あとは追うな」と言うよりも早く、今回の北海道入りに際しても二人の娘が付いてきた。良くも悪くも北海道は身近な観光地となったのであろう。

その娘たちが、とある牧場で食事をしている最中に、「時計台を見たことがない」と言い出したのである。それを聞いた牧場の人は「わざわざ行くところではない」とか「行っても何もない」などと言う。しかし、これまで何度も北海道に連れて来ていながら、時計台を見せていないのは不覚を取った気がした。それで日高門別ICから車を飛ばして1時間半。30年ぶりの時計台と相成ったのである。

ビル群の中に取り残された一般家屋のように佇む時計台を見た上の娘は「えっ? これが?」と言ったきり絶句し、下の娘は目の前に立つ時計台の存在に気付くことさえできなかった。やはり思い描いていた光景とは違ったのか。しかし、少なくともがっかりした様子は見られない。むしろ嬉々として写真を撮っている。

北海道を身近な場所と思っていた彼女らにとっても、それはあくまで胆振や日高のことであり、やはり札幌は遠い存在だったのであろう。やっと本物を見ることができた。その喜びは、30年前の私と同じかもしれない。明治11年に完成を見た時計台は、現存する国内最古の時計台である。その実物を見ておくことに、なんら損はあるまい。

しかし、こんな時間の使い方ができるのも、今日が平日でJRA開催がないから。これがもし土日だったら、娘たちには「時計台はまた今度」などと言って、迷わず札幌競馬場に向かったに違いない。ホントはこれまでに何度もチャンスはあったのだろう。そう考えると、ちょっとだけ悪かったなぁと思ったりもする。ちょっとだけだけどね。

 

***** 2015/08/07 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 6日 (木)

ローズキングダムへの期待

写真は今年生まれたばかりのオスの当歳馬。元気に放牧地を跳ね回っています。

Suirinca2015 

お父さんはGⅠ2勝のローズキングダム。ロードカナロアやルーラーシップの当歳馬がセレクトセールで高額で取引されて話題になったが、どっこいキングカメハメハの後継種牡馬はなにも社台スタリオンの2頭だけではない。ローズキングダムだって初年度から134頭もの配合相手を集めて存在感を示したのだ。

Rose 

―――なんて、あらためて昨年の種付け頭数を調べてみれば、ロードカナロアが250頭でルーラーシップは230頭。そして今年もロードカナロアは社台スタリオントップの240頭ですか……。同じく父にキングカメハメハを持つGⅠホースでありながら、これだけの差が現れるのは、自身の血統表にサンデーサイレンスの血が入っているかどうか。その一点のみにあると願いたい。

なにせ無敗のまま朝日杯を制した2歳チャンピオンであり、曽祖母ローザネイから枝葉を広げる“バラ一族”から、ついに誕生したGⅠ馬なのである。その家柄の比較でも、ルーラーシップにだって、決して劣るものではない。

Rose1 

それでもなんとなく印象で劣るのは、やはりJCの勝利が繰り上がりによるものだったからであろうか。ブエナビスタの降着で“転がり込んだ勝利”というイメージが強い。しかし、直線で3度の不利。しかも最後の一撃はレースをやめてもおかしくないようなぶつけられ方をしながら、それでも最後まで伸びてヴィクトワールピサにハナ差先着した。最後まで決して諦めないという強い精神力は賞賛に値する。JC馬の看板を堂々と掲げてほしい。

Rose2 

ドゥラメンテ、ホッコータルマエ、そしてラブリーデイ。キングカメハメハ産駒は、この春シーズンだけでGⅠ5勝の荒稼ぎをしたが、肝心のキングカメハメハは、今シーズンも種付け制限を余儀なくされた。サンデーを内包しているいないに関わらず、キングカメハメハの血を受け継ぐ後継種牡馬の需要は当然ながら高まっている。目の前の当歳馬も含め、ローズキングダム産駒の今後の成長に注目していきたい。

 

***** 2015/08/06 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 5日 (水)

ジャガバターとTPP

1か月ぶりの新千歳空港に降り立ち、取り急ぎ向かった先のノーザンホースパークで真っ先に手に取ったのはこちら。

Jaga 

ジャガバターです。ほくほくで甘いジャガイモに、濃厚なバターの風味が食欲をそそる。

「まず馬を見るのが先だろ!」という指摘もあろう。しかし考えてみて欲しい。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は、日本時間8月1日に大筋合意に至らないまま閉幕したばかり。その合意を阻んだ一因はニュージーランドが日本国内のバター不足などを指摘して、ニュージーランド産乳製品の大幅な輸入拡大を強く求めたことにあり、さらにジャガイモについても日本が輸入関税を死守したい「重要5品目」に含まれている。すなわちTPP交渉に振り回される北海道を象徴する一品が、このジャガバターにほかならない。

―――なんて、ただ食べたかっただけです(笑)

ノーザンホースパークではデルタブルースやタップダンスシチーなど、現役を退いて今では乗用馬となった重賞ウイナーたちを厩舎で見学することができるが、そこにウインドインハーヘアが含まれていることをご存じだろうか。いわずもがなディープインパクトのお母さん。アイルランド生まれの彼女は1994年のエプソムオークスで2着すると、翌年のアラルポカル(独GⅠ)ではアラジの種を受胎しているにも関わらず優勝するという離れ業を演じる。1999年にデインヒルを受胎した状態で日本に輸入され、2002年に不世出の名馬ディープインパクトを産んだ。そして今はこうしてノーザンホースパークでのんびりと過ごしている。彼女を見ていると、人生(馬生)の数奇を思わずにいられない。

Wind 

しかし、今日に限ればTPPで頭がいっぱいの私である。現在日本では輸入競走馬に一律340万円の関税をかけているが、これは受胎繁殖牝馬に対しても同様で、逆に空胎牝馬や乗用馬には関税はかからない。当然、ウインドインハーヘアが日本にやってくるのに際しても税金が発生したわけだ。

本来、輸入馬に関税をかけるのは日本の生産者を保護するためだが、一方で中小の牧場にとっては繁殖牝馬導入の阻害要因になっているという見方もできる。仮に輸入検疫後に流産した場合でも関税は支払わなければならない。そんなリスクと税金負担を背負ってまで海外から受胎繁殖牝馬を輸入できるのは、おのずと大手牧場に限られ、結果それが生産界の格差拡大に繋がっているとの指摘もある。

Wind2 

今回のTPP交渉で競馬の話題は出ていないが、今後どうなるかはわからない。特に米豪新の3か国は、GATT・ウルグアイラウンドの当時から、競走馬にかかる関税撤廃のみならず、外国産馬や外国調教馬へのレース開放拡大、さらに外国居住馬主問題や外国人騎手のライセンス発行などで、かなりの圧力をかけてきたという過去がある。ほとんどのオープンレースが外国調教馬に開放され、シェイク・モハメドの所有馬を普通に応援し、デムーロやルメールが毎週のように活躍する昨今の競馬の姿は、実はそうした外圧によってもたらされたものだ。

今はジャガバターに固執しているニュージーランドやアメリカも、「それが済んだら次は競馬」と思っている可能性は十分にある。調教師も、厩務員も、獣医も、装蹄師も、海外の同業者との競争を強いられる時代がやって来たとしても不思議ではない。たいへんだ。逆に、輸入飼料や牧草、薬品類が安くなれば、預託料が下がって喜ぶ馬主も出てくるだろう。TPPの問題のひとつは先が見通せないこと。このジャガバターだって、数年後にはどうなるか分からない。だから今のうちにしっかり食べておかねばならないのである。

 

***** 2015/08/05 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 4日 (火)

九州産の意地を

今週土曜の新潟では2歳オープンのダリア賞が行われる。1998年のこのレースを勝ったカシノリファールは、Septieme Ciel産駒の持込馬で、伯父にアレミロードを持つ良血馬でもあり、さらに九州産馬でもあるということで話題となった。

Kasino 

2014年のサラブレッド国内生産頭数は6571頭。このうち大半を占めるのは北海道産で、その頭数は6424頭にも及ぶ。一方で九州は熊本、宮崎、鹿児島の3県合わせて46頭。全国の生産頭数に占める割合はわずか0.7%でしかない。しかも、頭数・割合共に、年々減少しているのが実情だ。

 2011年 71頭 1.0%
 2012年 62頭 0.9%
 2013年 55頭 0.8%
 2014年 46頭 0.7%

かつて九州にはアングロアラブの生産を行う牧場が多く、年間300頭以上を生産した時代もあった。だがアラブのレースが廃止され、さらに有力種牡馬が北海道のごく一部に集結したことにより、馬産は北海道の、その中でも胆振・日高の寡占状態となっている。温暖な気候を生かして早い時期から厳しいトレーニングを積めるといった九州ならではのメリットも、道内牧場の施設充実が著しい昨今では、さしたる強調材料でもなかろう。

とはいえ、馬作りのうえで九州の環境が悪いというわけでは決してない。一昨日の小倉5レースの九州産馬限定新馬戦を勝ったキリシマオジョウは、スクワートルスクワートの産駒。好スタートを決めると、馬なりで先頭へ。直線でも後続をちぎる一方で6馬身差の圧勝を演じた。その勝ち時計1分10秒2は、直後に同じコースの新馬を勝ったジュンゲルの1分11秒1を大きく上回る。ちなみにジュンゲルは北海道・社台ファームの生産馬。果たして小倉2歳Sで両者の対戦は実現するだろうか。

ところで、その小倉5レースにカシノアラジンという牡馬が出走していた。もちろん九州産馬。父は先日急逝したブラックホークで、母は冒頭に紹介したカシノリファールである。12着と大きく敗れたが、これは九州産馬限定レースでは起こり得ること。限られたレースに合わせなければならないのだから、やむを得ない。それでまた先日と同じ思いに至る。小倉開催をもっと増やせないものだろうか。九州の馬産復興には、それしかあるまい。

 

***** 2015/08/04 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 3日 (月)

真夏の新馬戦

今日の新馬戦に気になる牝馬の産駒が出るというので、灼熱の船橋競馬場にやって来た。

まず1レースに出走するフレンチフローラルは、南関東で4勝を挙げたフレンチマリーの初仔となる。船橋・出川龍一厩舎所属で、東京2歳優駿牝馬、東京プリンセス賞、ロジータ記念と重賞戦線を盛り上げたが、同期にネフェルメモリーがいたことは運が悪かったと言うしかない。

French 

そんなフレンチマリーとキンシャサノキセキとの間に生まれたのがフレンチフローラル。当初は5月くらいのデビューを予定していたが、ひと頓挫あって3か月遅れのデビューとなった。待ちに待ったゲートイン。それでいざゲートが開いたら、ワンテンポ遅れて最後方からの競馬になった。ちなみに距離は1000mである。はい終了。

勝ったのは1番人気のクギヅケ。その芦毛はお父さんのキャプテントゥーレ譲りだ。3番手追走からゴール前できっちり差し切るという、味のある競馬を見せた。

1r 

フレンチフローラルは実質しんがり負け。打ちひしがれて場内を歩いていると、500円分の馬券提示でクジ引きに参加できるという。ちょうど手元にはフレンチフローラルの500円分のハズレ馬券があるではないか。それで、とくに期待もせずにガラポンを回してみると、赤い玉がコロンと転がり落ちた。

「やや、おめでとうございますっ!」

なに? 大当たりなのか? 商品は何だ? ファーストクラスで行く凱旋門賞ツアーか? それとも船橋競馬場の預託料1年分無料券か?

「はい、こちらです」

と手渡されたのがこちら。

Beer1 

ビール無料券でした。凱旋門賞でないのは残念だけど、これはこれでありがたい。しかも今日限りだというので、さっそく隣のお店で注いでもらったビールを片手に2レースのパドックを眺める。

Beer2 

2レースの注目はワイルドラッシュ産駒のイッツマイタイム。盛岡の芝重賞を2勝しただけでなく、大井所属としてJRAのクイーンCに挑戦し、あわやの3着に食い込んでみせたあのエイブルインレースの3番仔にあたる。

Baken 

だが、ここはウツミトップガンが1.5倍の圧倒的人気。1レースを勝ったクギヅケを能験で子供扱いしていたのだから、この馬に勝たれても仕方ない。それで私も馬券は少し控え目にしたのだが、終わってみれば4馬身差の圧勝である。ああ、こんなことなら最初の予定通り5万円買ってりゃよかった!

2r 

―――なんてのはもちろんウソ。ビールを飲めて、応援していた馬が勝って、馬券もちょっとだけ当たったのだから、これで文句を言ったらバチまで当たってしまいかねない。暑い中船橋まで来たかいがあった。

 

***** 2015/08/03 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 2日 (日)

【夏は冷やして③】かき揚げそば&鳥そば

今週もパークウインズの東京競馬場に来ています。本馬場は1コーナーにかけて芝の張り替えが進んでいるが、ご覧の通りスタンドに人影はほとんど見られない。

Stand 

そりゃあ、そうですよね。今日も東京は猛暑日を記録した。屋外で馬券の検討などできるはずがない。いや、それどころか命に関わる。スタンドで過ごしているのは1羽の鳩だけ。こんな状況では観客の食べ残しも期待薄だろう。

Hato 

鳩には悪いが、こちらは屋内で冷たい麺を食べさせてもらう。今日の一杯は『むぎんぼう』の「冷やしかき揚げそば」。前回の「冷やしニシンそば」が意外に良かったので、うどんをやめて再度そばで攻めてみた。この大量のゴボウ天の下に、そばが隠れている。

Kakiage1 

ところが、である。前回「意外に美味い」と書いたそばが、今回はそこまでのインパクトを与えてくれない。なぜだ? はっきりした理由は分からないが、温・冷とは関係なく、単純にゴボウ天にはうどんが合うということなのかもしれない。前回そばを美味いと感じたのも、そばそのもののクオリティというよりは、そこはやはりニシンとそばの和合性の為せる業であろう。ずるずるとそばを啜りながら、そんなことをあらためて思ったりする。

Kakiage2 

若干モノ足りなさが残ったので、隣の店に移動。『馬そば深大寺』の名物「鳥そば」を冷やしでいただいてみた。

Tori 

するとこれが望外の美味さ。鳥の皮肉と天かす。ややもすればクドくも感じるその具が冷やされることでスッキリまとまり、田舎風に打たれた黒いそばの香りも立つ。いつもの柚子胡椒ではなく、清涼感漂うわさびの風味も悪くない。なにより一番のポイントは、少なくとも冷たいそばには、やはりこの関東風の黒いつゆが合う。ただし、こちらの店では「冷やし」のオーダーに対しては50円の追加料金を要する。そこが悩みどころ。来週からスタンド4Fの2店舗の前で、ウロウロと悩むことになりそうだ。

 

***** 2015/08/02 *****

 

 

 

| | コメント (0)

2015年8月 1日 (土)

おしゃれ番長

一昨日のDeNA戦でプロ19年目にして初のサヨナラ打を放った巨人・鈴木尚広選手が、チーム一のスピードスターであることは衆目の一致するところだが、実はチームの“おしゃれ番長”でもあるという。まあ、意外ですよね。

Baken 

ジャイアンツのおしゃれ番長は今年も大活躍だが、私の愛馬のオシャレバンチョウは長いトンネルから抜け出せないでいる。スピードを身上とするところは同じ。しかし、3か月ぶりの出走となった今日の小倉最終レースでも、しんがり負けを喫した。

テンから猛然とダッシュして先行するも、直線に向いてパッタリ止まる―――。

ここ数戦はそんなレースばかりを繰り返していたので、ひと息で走り切れる小倉の1000mに矛先を向けてみたのである。しかも引いたのは最内1番枠。珍しく常識に叶った追い切りも「これなら!」と思わせるに十分だった。しかしこの距離はやはり特殊。さすがに周囲も速い。

思いもよらぬ「中団追走」である。これならひょっとして直線で弾けるんじゃないか?―――なんて淡い期待を抱きつつ見守っていたのだが、なんのことはない、いつもと一緒であった。14番人気で14着。終わってみれば至極妥当な結末だったと言える。

敢えて好材料を探すとすれば、上がりがいつもより早かったということだろうか。実は35秒8という上がりタイムは、通算26戦目にして最速。これまでの最速がデビュー2戦目の阪神芝1200m戦でマークした37秒0だから、1秒以上も縮めたことになる。まあ、なんともレベルの低い話で恥ずかしい限りだが、最後まで気持ちを入れて走っていたように見えた。

そもそも、上がり3ハロンのタイムをわざわざ計測して発表するのは、そこでいちばんスピードが増すからではない。どの馬もスタミナを使い果たし、逆にスピードが落ちる最後の勝負どころで、どれだけ我慢が出来るか。どれだけレースを諦めないで走り続けられるか。それが表れるのが上がり3ハロンである。それをことさら重視するのは、それが競走能力のキモであると誰もが知っているからであろう。

鈴木尚広選手の盗塁の極意は、スタートの良さやトップスピードの速さに加え、2塁ベースの到達直前までスピードを維持するその独特のスライディング技術にあるという。「テン良し、中良し、終い良し」の格言は盗塁にも通ずる。ここへきてオシャレバンチョウの終いの脚に進境が見られることは、素直に評価すべきであろう。だがしかし、しんがり負けを喫してしまっては、次回出走の見通しが立たない。できることなら10月くらいまで小倉を開催してくれないだろうか。

 

***** 2015/08/01 *****

 

 

 

| | コメント (0)

« 2015年7月 | トップページ | 2015年9月 »