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2015年7月11日 (土)

隻眼の騎手

実は数年前から緑内障を患っており、毎日の投薬ならびに定期的な視野検査が欠かせない。右眼の視野がことのほか狭いのである。

撮影という行為においてはもちろん、普通に生活する上でも不便であることは言うまでもない。しかも此度の視野検査において、狭窄エリアの進行が確認されてしまったのである。これはヘコむ。眼鏡が合わなくなったと感じた原因は、老眼だけではなかったようだ。

ぼんやりとした眼でパソコンを開き、高知競馬のネット中継を観ていたら、最終レースをカネマサゴールドが制した。3年前の道営・赤レンガ記念を勝っている8歳セン馬。その手綱を取ったのは宮川実騎手である。

高知競馬の宮川実騎手が不慮の事故に遭ったのは、2009年5月2日の第1レースだった。2番人気クラウザーサンに騎乗していた彼は、3コーナー過ぎで落馬。あろうことか左眼失明の大怪我を負ってしまう。

競馬学校の入学条件にあるように、視力は騎手にとって生命線。それを一瞬にして失った本人の落胆は想像に難くない。当時の日本最多勝記録となる45勝をマークしたオリジナルステップや、通算41勝のストロングボスなどの主戦を務めたトップジョッキーのキャリアが、こんな形で終わってしまうのか。病院のベッドの上で彼は絶望の淵に立たされていたという。

だが、そんな暗闇の中に一筋の光明が差し込む。それは彼が師と仰ぐ、故・打越初男調教師の一言だった。

「むかし高知には隻眼の騎手がいた」

この言葉を胸に彼は復帰を決意。片目だけで距離感をつかむ訓練を重ね、1年余りで復帰を果たしたのである。

Miyagawa 

翌年には黒潮皐月賞で復帰後初の重賞勝ち。その後も年間100勝ペースで勝利を積み重ねているから凄い。カネマサゴールドでの勝利は今年の62勝目。今年も100勝到達が見えてきた。

その手綱さばきは、彼が隻眼であることを微塵も感じさせない。私の右眼が多少見えにくいことなんて大したことないじゃないか。そう思えてきた。そういう意味では、彼を凄いと思うだけではなく、彼に感謝もせねばなるまい。

***** 2015/07/11 *****

 

 

 

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