« 牛久の丑の日 | トップページ | 【訃報】ブラックホーク »

2015年7月24日 (金)

採尿

実は、習志野きらっとスプリントの当日は、朝から人間ドックを受診していた。さらに、その日の昼は北習志野で『大勝軒』のハシゴをしている。つまり私は胃カメラを飲んだ数時間後に、1キロを超えるであろう麺をその胃に流し込んでいたわけだ。そう思うと、オノレの胃袋が多少気の毒にも思えてきた。

人間ドックの朝は自宅での「採尿」で幕を明ける。

だが、普段にも増して早起きを強いられた頭は完全に寝ボケており、その覚束ない手での採尿は困難を極める。私が子供の頃は、紙コップからスポイトで吸い上げていたはずだが、今は紙コップから直接試験管のような入れ物に注がねばならない。

霞む目で見つめるその指先は、間違いなく小刻みに震えている。

一度仕切り直した方が良いだろうか……。いや、ここまで来て引き返せるか。数分の葛藤ののちに、なんとか無事ミッションをクリア。意気揚々と病院へ向かった。

競馬においても、上位入線馬と人気を背負って大敗した馬は、レース終了直後の採尿を義務付けられている。むろん健康診断などではなく、公正確保のためのドーピング検査。禁止薬物は毎年のように増え続けている。

Bagun 

寝起きの人間の採尿も大変だが、口のきけない馬から半ば強制的に尿を取るのも大変なミッションだ。しかも発走後70分以内という制約もある。誰にでもできる仕事ではない。そこには馬を扱う特別な技術が求められる。

まず馬の体を洗ってリラックスさせ、薄暗い検体採取馬房に誘導する。採尿係員は口笛を吹いたり、馬にブリンカーを装着したり、意図をさとられないように採尿器具を寝ワラで隠したり…。あの手この手を使って採尿を試みるが、こればかりは馬の生理現象に任せるしかない。中には歩きながらしたり、体を洗っている最中にする馬もいるから、油断は禁物だ。

せっかく採取できたのに、規定量に足りず、やむなく自分の尿を付け足して大騒ぎになった―――。地方競馬では、そんな笑えない話もある。人間の尿が混入すれば、たいていカフェインが検出されるからタダでは済まない。

ちなみに私の検査結果はすこぶる良好であった。尿だけでなく、血液検査も、エコー検査も、骨密度も、肺活量も、どこにも問題なし。胃カメラで所見を述べた医師は「すばらしくきれいな胃です」と絶賛してくださった。数時間後にそこを大量のラーメンで満たしたと思うと、多少なりとも気が咎めないでもないが、もとよりそういう行為をしたいからこそ健康に気を遣うのである。そんなわけで、明日も大量の麺で胃を満たしてやろう。

 

***** 2015/07/24 *****

 

 

 

|

« 牛久の丑の日 | トップページ | 【訃報】ブラックホーク »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 牛久の丑の日 | トップページ | 【訃報】ブラックホーク »