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2015年6月 4日 (木)

エースたちのダービー

夕方まで降りり続いた雨が見事に上がり、幻想的な夕焼けがパドックの馬たちを照らし出す。まもなく第61回目の東京ダービーが始まる。

Padock 

出走馬が本馬場に姿を現すと、「久しぶりだな」という声がスタンドから聞こえてきた。その声の先にあるのは「胴青・赤山形一文字・袖白」の勝負服に身を纏った内田博幸騎手。シーチャリオットで2005年の東京ダービーを勝っている元・大井のエースは、5年ぶりの東京ダービー参戦となる。

Uchida_2 

久しぶりというほどではないが、この勝負服も。戸崎圭太騎手は栗東でフィエロの追い切りに跨ってから大井に駆け付けてくれた。彼もまた元・大井のエース。東京ダービーは通算4勝を誇る。

Tosaki 

しかし、勝ったのは川崎のエース・今野忠成騎手が手綱を取るラッキープリンスだった。羽田盃3着にもかかわらず9番人気とは、ファンも盲点を突かれたか。

Derby 

思い起こせば昨年5月30日の浦和1Rでデビュー勝ちを収めた世代の一番星。4戦無敗で鎌倉記念に挑む前までは、間違いなく世代トップの実力馬だった。その鎌倉記念でまさかの3着敗退。そこから紆余曲折を経てのダービー制覇である。関係者の喜びもひとしおであろう。

今野騎手は騎手デビュー22年目にして嬉しいダービー初制覇。2008年のダービーで1番人気のディラクエの手綱を任されながら、4着に敗れたあの苦い思い出をようやく振り払うことができた。いつだったか、川崎競馬場の七夕イベントで、他の騎手たちが「ケガをしませんように」とか「健康第一」といった無難な願いの短冊を飾る中、今野騎手の短冊には「ダービーを勝ちたい」と書かれていたことを思い出す。あの時「シャレになってないな」と笑った失礼を許して欲しい。ダービージョッキー・今野忠成の誕生である。

Konno 

そしてもうひとり。“エース”を超えて“神様”とまで呼ばれるようになったこの人のダービーは、またも2着という結果に終わった。34度目という騎乗回数も、9度の2着回数も、それはそれで大記録ではある。だが、神様はそんな記録を欲しがってはいまい。

Matoba 

ゴール直後の場内は歓声とため息が混ざり合った微妙な空気に包まれた。ダービーの女神は、なぜか神様には厳しい。その神様は「人生の宿題だな」と言い残して競馬場をあとにした。3/4馬身の大きさをあらためて思い知る。今年もダービーが終わった。

 

***** 2015/06/04 *****

 

 

 

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