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2015年6月 8日 (月)

切れ味と底力

モーリスがミッキーアイルより前にいるぅ!

安田記念の出走17頭がいっせいにスタートを切ると、背後から悲鳴のような声が聞こえてきた。

モーリスを1番人気に押し上げたのは、後方一気の破壊的な末脚にほかならない。前走のダービー卿チャレンジトロフィーでも、前々走のスピカSでも、道中の位置取りは最後方。直線に向くなり前を一気に飲み込み、そして突き放して見せた。

その切れ味は、父スクリーンヒーローの祖母ダイナアクトレスを彷彿とさせるものがある。スプリンターズSでは並み居る牡馬を寄せ付けず、京王杯オータムハンデを1分32秒2の大レコードで独走した稀代の名マイラーから譲り受けたその爆発力こそがモーリスの真骨頂。私自身、そう思っていた。

それが昨日の安田記念は違ったのである。3角までに4番手。4角では3番手。直線坂下では早くも先頭を捉える勢いだ。

ああ…、大丈夫か?

背後の客の声はうめき声に変わっている。それでも坂を駆け上がるモーリスの脚は衰えることがない。ヴァンセンヌにクビ差まで詰め寄られたが、ゴール前でさらにもうひと伸び。着差以上の余裕を感じさせるゴールだった。背後の客の声は、今では喝采に変わっている。

Yasuda1

モーリスの武器は爆発的なスピードを繰り出す切れ味だけではなかった。早めに抜け出して、後続の追撃を我慢して我慢して凌ぎ切る。そんな底力溢れた持久力も、実はモーリスは兼ね備えていたのである。

切れ味の源泉がダイナアクトレスなら、彼に底力を与えたのは母系を5代遡って登場するメジロボサツの血ではあるまいか。

ちょうど50年前の朝日杯を勝ち、桜花賞ではワカクモ(テンポイントの母)から首、鼻差の3着。オークスでも2着と頑張った。そんなメジロボサツから広がる牝系にはメジロドーベル、メジロモントレーに代表されるタフな血が受け継がれている。相手が強化されてもなお勝ち続けるモーリスの底力の原点は、きっとこの母系にあるに違いない。

Yasuda2

ダイナアクトレスとメジロボサツ。日本競馬史に残る名牝が安田記念ウイナーの血統表に名を連ねた。特にダイナアクトレスは安田記念に2度挑戦して5着、2着とあと一歩だっただけに、オールドファンには嬉しい限り。半世紀前や四半世紀前の競馬が現代に繋がるからこそ、競馬はかくも面白いのであろう。

 

***** 2015/06/08 *****

 

 

 

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