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2015年6月 2日 (火)

七転び八起き

先週のこと。美味しい牛すじうどんを食べさせる店があると聞いて、浦和競馬場に向かう途中の西川口で途中下車。牛すじカレーうどんを食べさせる店は関東でも珍しくないが、牛すじうどんとなると、ちょっと数が少ない。駅から歩くこと2、3分。『七転び八起き』という看板が目に飛び込んできた。

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牛すじうどんも珍しいが、「七転び八起き」という言葉を店名に使うのも珍しい。思わず店主の生い立ちを想像したくなるが、実はこの店「ものまねSMAP」として中居正広さんのモノマネをされている方のお店だという。七転び八起きのモノマネ人生を歩まれてこられたのだろうか。うどんが茹で上がるのを待つ間に、人生について考えさせられる。

Padock 

先日行われた日本ダービーに、騎手人生16年目にして初のダービー出場を果たしたひとりの騎手がいた。嘉藤貴行騎手。33歳。デビューから手綱を取り続けてきたコメートと臨んだ初めてのダービーは、生涯忘れ得ぬレースとなったに違いない。

30歳を過ぎた多くの騎手たち同様に、彼の騎手人生もまた平坦な道のりではなかった。デビュー1年目に19勝をマークしたものの、減量特典がなくなると成績が伸び悩んだ。2010年の勝ち鞍はわずか1勝。引退、調教助手転身が頭を過ったのも無理はない。だが、11年9月の中山スーパー未勝利戦で転機が訪れる。馬にとってはあとの無い一戦。そこで挙げた勝利に、何ものにも変えられない喜びを感じたという。その年に7勝をマークすると、翌年から騎乗数が徐々に増え始めた。彼もまた七転び八起きの精神で、ダービーの舞台まで這い上がってきたのであろう。

Gate

ダービーの馬群が直線坂下に差し掛かった時に思わず息を飲んだ。なんと16番人気のコメートが、先頭に並びかけようかというシーンがあったのである。ダービー初騎乗の結果は5着。激戦を終えて検量室に戻り、調教師から肩を叩かれた嘉藤騎手は、こらえきれず大粒の涙をこぼした。どうかその涙を忘れないで欲しい。勝ったデムーロの涙もしかり。そこに人間のドラマがあるからこそ、ダービーは素晴らしい。

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『七転び八起き』の牛すじうどんは、これまた珍しいつけ汁スタイルであった。牛すじから溢れたエキスが染み出したつけ汁は濃厚で、うどんとの絡みも申し分ない。試行錯誤の跡を思わせる。もう少し麺が太い方が良いのではと思わないでもないが、もしそんな声が多いようなら、さらに試行錯誤を繰り返せばよい。それも七転び八起きであろう。

 

***** 2015/06/02 *****

 

 

 

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