« 優駿スプリントの教訓 | トップページ | 老眼 »

2015年6月24日 (水)

ついにレジェンドの領域へ

圧巻のレースぶりで帝王賞2度目の制覇を果たし、ついにGⅠレース9勝目を掴み取ったホッコータルマエは、浦河町の市川ファームで生まれた。生産頭数は毎年7、8頭程度の小さな牧場である。最強馬が誕生するのは、なにも社台グループのような千頭規模の大規模牧場とは限らない。ホッコータルマエという存在は、すべての生産現場に夢と浪漫が溢れていることの証明でもある。

Hokko 

ホッコータルマエの母マダムチェロキーは、市川ファームが牧場名義でJRAの馬主資格を取得してから、初めて走らせた馬だったという。通算46戦4勝。7千万円近くを稼いだ感謝の意味を込めて、繁殖入り後は社台スタリオンのA級種牡馬を積極的に配合した。それでキングカメハメハとの間に産まれたのがホッコータルマエ。これほど馬主孝行な馬を、一度でいいから私も持ってみたい。

しかし母馬としてのマダムチェロキーには難点もあった。自分の腹を触られるのを極端に嫌がったのである。

だから授乳時には、牧場スタッフがマダムチェロキーを押さえつけて、暴れないようにしているわずかなスキに、授乳を済ませなければならなかった。とはいえ名馬誕生の影には、この手の逸話がつきもの。母親が育児をせず乳母に育てられたハープスターだって、桜花賞を勝って凱旋門賞にも挑戦した。

母馬が授乳に難を抱えていながら、それでもホッコータルマエがこれほどまでにたくましく育ったのは、牧場スタッフが必死になってマダムチェロキーを押さえ続けた賜物であろう。小さな牧場でも、手間を惜しまなければ歴史に名を残す名馬を送り出すことができる。ヴァーミリアンとエスポワールシチーという2頭のレジェンドを超え、ついにGⅠ10勝の栄冠を勝ち取るであろうこの秋の走りが、今から楽しみでならない。

 

***** 2015/06/24 *****

 

 

 

|

« 優駿スプリントの教訓 | トップページ | 老眼 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 優駿スプリントの教訓 | トップページ | 老眼 »