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2015年6月30日 (火)

好事魔多し

一昨日の東京競馬場でのこと。

Vision

宝塚記念を映し出すターフビジョンを見つめていた大観衆から「ああーっ!」という悲鳴にも似た歓声が上がった。理由はあらためて説明するまでもない。単勝1.9倍。圧倒的人気のゴールドシップが出遅れたのである。いや「出遅れ」と言うよりは、「出なかった」と言った方が近いかもしれない。

当面のライバルであるキズナ、エピファネイア、スピルバーグは不在。調整過程も順調至極。(6,1,0,0)と滅法得意の阪神コース。そこで引き当てた8枠桃帽は、連覇した過去2回の宝塚記念と同じだった。人気投票1位の“黄金の船”に、これ以上ない追い風が吹いていたことは間違いない。

「好事魔多し」。この格言は世間一般で使われるが、もっともその語感が生きているのは競馬の世界ではあるまいか。無敗の10連勝でダービー馬になったトキノミノルが、その数日後に破傷風で急死したのは有名な話。「天才」の名をほしいままにした福永洋一騎手は、10年連続リーディングジョッキーを目指したその年に落馬で再起不能となった。テンポイントやサイレンススズカの悲劇は言うに及ばず。名伯楽と謳われた尾形藤吉氏は、ラッキールーラーでダービー8勝目を挙げたその夜、自宅が火災に遭っている。ドゥラメンテの骨折も、これら一連のエピソードの末尾に加わることになろう。

江戸の人々はふんどしに小銭を包み、道端にわざと落として厄落としをしたとされる。小さな厄災を自ら用意し、不運が出尽くしたことを安堵した。それを聞いた現代人は、ただのゲン担ぎと笑うかもしれないが、順風満帆の怖さを感じたことはないだろうか。あまりに順調過ぎたゴールドシップの臨戦過程にこそ、「好事魔多し」の物差しが必要だった。

ちなみに筆者は2レース続けて馬券が当たっただけで、帰途の無事を案ずる癖がついている。好事魔多し。「花に嵐」の喩えもある。良いことは続かないもの。むろん人生の教えだが、競馬はそれを身をもって教えてくれる。自戒の種としよう。

 

***** 2015/06/30 *****

 

 

 

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2015年6月29日 (月)

蹴り癖

本日、ドゥラメンテの骨片摘出手術が無事終了した。米粒大の骨片はきれいに取り去ることができたとのこと。復帰に向けたステップをクリアしたことを、まずは喜びたい。

それはそうとして、私の左前(左腕)の肘もご覧の有様なのである。この季節、半袖を着るから目立って恥ずかしい上、激しい痛みもある。私もノーザンホースクリニックで手術してもらった方が良いのかもしれない。

Hiji 

なんでこんなことになったのか。先日訪れた牧場で、当歳馬の放牧地を歩いていたら、一頭の仔馬が近寄ってきた。いかにも人懐っこそうな顔をしている。写真を撮り、ひとしきり頚を撫でてやってから、ふんじゃあねと背中を向けて別の仔馬に歩み寄ろうとしたその時、背後に殺気を感じた。慌てて振り向くと、さっきの仔馬が後肢で立ち上がり、私に覆いかぶさろうとしているではないか。サッと交わしたつもりが、振り下ろされた右前が私の左肘を直撃してしまったのである。

ヤロウ! 人間様をナメやがって!!

何食わぬ顔でまだそこに立ちすくんでいる仔馬の顔を、カメラ機材でぶん殴ってやろうと一瞬身構えたのだが、その仔馬がJRA重賞3勝の名牝の息子であることを思い出し、慌てて矛を収めた。四十代も半ばを越えていながら、産まれたばかりの当歳馬より立場が弱いとは情けない。肘の痛みとオノレの不憫さを思いつつ、しくしく泣きながら放牧地を逃げ帰った。

おそらく仔馬は私と遊びたかったのであろう。この程度の怪我で済んだのは不幸中の幸いである。前蹴りで助かった。競馬場でも、牧場でも、隣に馬がいる状況に慣れ切ってはいないだろうか。今回の怪我は緊張感を取り戻す戒めとしたい。

Ribon 

リボンや飾りをしっぽに付けた馬をパドックなどで見かけたことがないだろうか。これは蹴り癖注意のシグナル。500キロもある馬に蹴られたらただでは済まない。調教師や厩務員、騎手といった競馬のプロでさえ、馬に蹴られて大怪我を負ったり、中には亡くなったりするケースもある。

競走馬同士の事故もゼロではない。1988年の毎日王冠でのこと。スタート地点で輪乗りをしていたシリウスシンボリが、レジェンドテイオーの脇腹を蹴り上げた。馬体検査の結果、被害者のレジェンドテイオーは競走除外の憂き目に遭った一方で、加害者のシリウスシンボリは2着に好走。なんだかやるせない気持ちになった覚えがある。ちなみに勝ったのは当時飛ぶ鳥を勢いのオグリキャップ。これが重賞6連勝目だったはずだが、このレースに限ればシリウスシンボリの印象が遥かに強い。

蹴り癖は気性の荒さの表れとされるが、一方で強い馬に多いとも言われる。1983年のオークスを勝ったダイナカールも、たしかしっぽに赤いリボンをつけていた。冒頭で触れたドゥラメンテの3代母。あの気性と強さは曾お祖母ちゃん譲りなのかもしれない。

 

***** 2015/06/29 *****

 

 

 

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2015年6月28日 (日)

【夏は冷やして①】牛すじうどん

ここのところ食べモノの話が少ないですねとご指摘を受けた。決してダイエットや断食に走っているわけではないのだけど、忙しさのあまり食事がおろそかになっていた面は否めない。2歳競馬の開幕に社台の1歳馬募集が重なり、迫りくるセレクトセールの上場馬チェックも終わらないうちに、HBAセレクションのカタログも届くのである。それで、昨日はファミレスで食事を済ませつつ、セレクションのカタログを読み込んだ。今年は装丁がグレードアップしてますね。

Catalog 

しかしこんな食生活では人生がつまらんので、今日は久々にうどん屋へ。

夏はカレー。夏こそカレー。夏だからカレー。まったくもってカレーうどんが美味しい季節になったのは嬉しいが、こう蒸し暑いと冷たい麺を食べたくなるのだが人の性(さが)でもある。そこで今日の昼は駒沢大学『中川屋』の冷やしカレーうどんです。

Caryy 

「冷えたカレーはちょっと……」

そう思って避けていた時期もあるのだけど、もともと冷やして食べるのが普通のうどん相手なら、冷たいカレーの違和感もさほど気にならない。カレーはサラッと軽快で、むろん冷たく、ダシの風味もあってさっぱり食べやすい。冷たさのせいか、口に入れた瞬間にカレーの辛さはさほど感じないが、食べ終えるとちゃんとカレーの後味と辛さが残るから不思議だ。熱々が美味くて当然と思っていたのだが、食べてみなければ分からないこともある。

東京競馬場4F『むぎんぼう』は、かき揚げうどんやゴマネギうどんが人気の双璧。もちろんどちらも“冷やし”でも注文できる。メインレースが終わってから、帰宅する人の波を横目に見つつゾゾッとかきこむ冷やしかき揚げうどんの美味さに勝るものがほかにあるだろうか。頭がほどよく冷えたところで、そのまま店の隣のバルコニーに出て最終レースのパドックを眺めれば、なんとなく馬が良く見える気がしなくもない。

実は『むぎんぼう』には、最近私がハマっている牛すじうどんも出している。「“冷やし”でもらえますか?」とお店の人に聞いたら、大丈夫だと言う。それで頼んだ一杯がコチラ。

Suji 

うーむ。これは失敗だったかもしれませんね。牛すじが温かいあまり、“冷やし”というよりは“ぬるい”一杯になってしまった。いや、それはまだしも、冷やされた牛すじの脂が固まってダシに浮いてしまっている光景は、見た目にも美味しそうとは言えない。来週は温かい方をオーダーしよう……と思ったら、東京開催は今日で終わりだった。温かい一杯は秋まてお預けですね。

 

***** 2015/06/28 *****

 

 

 

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2015年6月27日 (土)

骨折

ドゥラメンテは3冠を捨てて凱旋門賞に向かうんですか?

Derby 

先週の社台グループ牧場見学ツアーで、これを吉田勝己氏に直接聞いてやろうと思っていた。いや、凱旋門賞挑戦が規定路線であることは分かっている。だが、ノーザンF生産でサンデーレーシングの勝負服を着た3冠馬はまだ生まれていない。そんな些細なギミックにこだわるとは思えないが、正式発表がなければ決めつけることもできないのである。

それで直接聞く機会を楽しみにしていたら、勝己氏はツアーに参加されていなかった。残念。やむなくスタッフの方に同じ質問をしたら「そりゃ凱旋門賞でしょう」とアッサリ。そりゃそうですよね。しかしそのスタッフは「でも…」と続けたのである。

「でも、相当ガタっときているんです。リアルスティールも故障が判明しましたけど、あの時計で2戦続けて激走して負担がかからないはずないですよね」

遠征を発表するのはいつでもできる。だが一度発表してしまったあとに「やはりやめます」なんてことになれば、各方面に与える影響も大きい。だから慎重に。そう聞いたわずか一週間後にドゥラメンテ骨折の報が飛び込んできた。もはや凱旋門賞にも菊花賞にも向かうことはない。まさに一寸先は闇。スタッフの危惧は現実のものとなった。

Stporia 

セントポーリア賞を5馬身差でぶっちぎったドゥラメンテは、中1週の不利を承知で共同通信杯に向かった。弥生賞やスプリングSでも勝ち負けになることは分かっているが、ゲート難を抱える同馬のこと。万一、ゲート再審査となれば、本番までの数週間をゲート練習に割かねばならなくなる。そのリスクを回避しつつ、しかも賞金を加算するための最適解が共同通信杯だった。そんな細心の注意の集積が春2冠であろう。それでも骨折は起きる。競馬の神様は厳しい。

全治は6か月とのことだが、冬場のレースは避けて復帰は来春になりそうとのこと。どことなくトウカイテイオーの軌跡にも似る。混戦必至の菊戦線を楽しみつつ、近年でも屈指の強さを誇る2冠馬の復帰を楽しみに待つことにしよう。

 

***** 2015/06/27 *****

 

 

 

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2015年6月26日 (金)

2歳能験の朝

開催最終日の大井の朝は、例によって能験が行われている。今朝も36頭の2歳馬が「競走馬」となるべく800mのタイムトライアルに挑み、見事全馬が合格を果たした。

第1組はエイシンリオがいきなり今日の一番時計となる50秒8で1着。ロージズインメイの牝馬で、近親にはエイシンキャメロンがいる。

1r 

続く2組の1着は、シニスターミニスターの牝馬・コーゲンスイセイが先頭ゴール。お母さんのユニティは、南関東5勝で、交流重賞エーデルワイス賞でも3着の実績がある。タイムは52秒2。

2r 

第3組は、ナイトスピリッツが大外からただ一頭次元の違う脚を繰り出した。アドマイヤコジーンの牡馬で、500キロを超える馬体をもて余している印象もない。持ったまま50秒7だから、新馬戦が楽しみだ。

3r 

4組目を勝ったフジマサキングは、先日の千葉サラブレッドセールで唯一上場された千葉県産馬。こうしてすぐに使い出せることが、トレーニングセール最大のウリであろう。走破タイムは51秒5。今年の千葉セリ上場馬の一番星を狙いたい。

4r 

第5組はフジマサドリームとマーズプリンスの2頭が、揃って50秒8でゴール。マーズプリンスの父サクラオリオンとは珍しい。

5r 

2歳能験のラストとなる6組目を勝ったのは、第1組に続いてまたまたロージズインメイの牝馬・ロージズレイ。お母さんは地方所属ながらTCK女王盃やエンプレス杯で3着したコスモプリズム。……ということは、本馬は一昨日の帝王賞を勝ったホッコータルマエのイトコではないか。大外枠を苦にする素振りも見せず、スッとスピードに乗ると、そのまま難なく押し切走り勝ち。そのセンスとスピードに非凡なものを感じた。

6r 

ちなみに今朝の能験には川崎から杉村一樹騎手も参加……?

Majima 

と思ったら、こちらは真島大輔騎手でした。吉田照哉氏の名義馬が能験を受ける際は、こうして吉田照哉氏の登録勝負服を着る。いやぁ、目立ちますね。こちらは矢野貴之騎手。この馬でJRAに挑戦すれば、本来の使い方で着用できる。頑張って欲しい。

Yano 

 

***** 2015/06/26 *****

 

 

 

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2015年6月25日 (木)

老眼

眼鏡が合わなくなってきた気がしたので、わざわざ大手町まで出かけた。

「眼鏡を替えた方が良いんじゃないか?」

実は「最近モノが見えづらいなぁ」と思っていた矢先、不意にそう言われたのである。場所は北海道の社台ファーム。毎年恒例の1歳馬展示会でジッと馬を見ていたら、知り合いの作家が冗談半分でそう言ってきた。もちろん私の選ぶ馬がことごとく走らないことを皮肉ってのこと。冗談半分ということは、半分は事実ということである。眼鏡を替えたくらいで、イスラボニータやロゴタイプの素質を見い出せるなら話は簡単。それでも溺れる馬主は小説家の冗談にもすがってしまうのだから情けない。

Bokujo 

馴染みの眼鏡店で調べてもらうと、視力そのものはさして悪くなっていなかった。それでも見えづらいと感じた原因は老眼だという。そうだろうなとは思っていたが、面と向かってハッキリそういわれるとやはり落ち込む。

目のピント調節力は5歳くらいから既に落ち始めているらしい。手元の本や新聞の文字が見づらくなり、「老眼」として自覚するのは40代になってからがほとんどだそうだ。誰にでもやってくる、避けられない現象である。むろん病気ではない。そう言われても、と思う。40代で「老」を云々されたくはない。

とは言いつつ、競馬場では苦労の連続であることも事実。ターフビジョンに表示された馬体重増減を手元の新聞に書き込むのに、まず眼鏡をしたまま増減の数字を確認し、眼鏡を外して手元の新聞に小さく増減を記入する。続いて、また眼鏡をかけて2頭目の数字を確認。眼鏡を外して手元に記入。また眼鏡をかけて3頭目の……と慌ただしく繰り返しているうちに、ターフビジョンの表示が途中で切り替わってしまう。ああ、あと4頭残っているのに……。

それが私の馬券低迷の原因だとまでは言わないが、新聞を持ちつつ、双眼鏡を片手に、マークカードに赤ペンで買い目を記入しながら眼鏡のかけ外しをするなんて、まるで千手観音じゃないか。とてもじゃないけど手が足りない。

ともあれ眼鏡を新調した。まあまあの出費だが、これで走る馬を見つけられれば、安いものだと思うことにする。

 

***** 2015/06/25 *****

 

 

 

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2015年6月24日 (水)

ついにレジェンドの領域へ

圧巻のレースぶりで帝王賞2度目の制覇を果たし、ついにGⅠレース9勝目を掴み取ったホッコータルマエは、浦河町の市川ファームで生まれた。生産頭数は毎年7、8頭程度の小さな牧場である。最強馬が誕生するのは、なにも社台グループのような千頭規模の大規模牧場とは限らない。ホッコータルマエという存在は、すべての生産現場に夢と浪漫が溢れていることの証明でもある。

Hokko 

ホッコータルマエの母マダムチェロキーは、市川ファームが牧場名義でJRAの馬主資格を取得してから、初めて走らせた馬だったという。通算46戦4勝。7千万円近くを稼いだ感謝の意味を込めて、繁殖入り後は社台スタリオンのA級種牡馬を積極的に配合した。それでキングカメハメハとの間に産まれたのがホッコータルマエ。これほど馬主孝行な馬を、一度でいいから私も持ってみたい。

しかし母馬としてのマダムチェロキーには難点もあった。自分の腹を触られるのを極端に嫌がったのである。

だから授乳時には、牧場スタッフがマダムチェロキーを押さえつけて、暴れないようにしているわずかなスキに、授乳を済ませなければならなかった。とはいえ名馬誕生の影には、この手の逸話がつきもの。母親が育児をせず乳母に育てられたハープスターだって、桜花賞を勝って凱旋門賞にも挑戦した。

母馬が授乳に難を抱えていながら、それでもホッコータルマエがこれほどまでにたくましく育ったのは、牧場スタッフが必死になってマダムチェロキーを押さえ続けた賜物であろう。小さな牧場でも、手間を惜しまなければ歴史に名を残す名馬を送り出すことができる。ヴァーミリアンとエスポワールシチーという2頭のレジェンドを超え、ついにGⅠ10勝の栄冠を勝ち取るであろうこの秋の走りが、今から楽しみでならない。

 

***** 2015/06/24 *****

 

 

 

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2015年6月23日 (火)

優駿スプリントの教訓

今日は優駿スプリントで明日は帝王賞。2夜連続で重賞が行われる大井競馬場に、私も2夜連続で出向かなければならない。

だが今日も明日も、私は18時まで府中市内某所にカンヅメになっている。一方で、メインのひとつ前のレースまでには遅くとも到着しておきたい。そのためには、どのようなルートを選択すべきなのか。しかし「駅すぱあと」をどれだけ駆使しても、間に合わないことが判明。そこでスタートはタクシーの力を借りることにした。競馬も、そして競馬場に行くのも、どちらもスタートが肝心だ。

乗り換えを新宿と天王洲アイルの2箇所に抑え、しかもその乗り換えと大井競馬場駅でモノレールを降りてからは、ことごとく走るという艱難辛苦の末に競馬場に辿り付いたのは19時38分。どうにか19時40分発走の10Rに間に合った。

10r

勝ったのは芦毛のハイパワー。スタートから押してハナを奪うと、直線でも二の脚を繰り出して、内外の追い込みを見事に封じて見せた。

それを見て専門紙の記者が「今日は前が止まらないなぁ」とポツリ。その言葉通り、続く優駿スプリントでも逃げたルックスザットキルが、直線で後続との差をさらに広げる圧勝劇を演じてみせた。スタートが速くて上がりも速い。こういう競馬をされては、他の馬たちはどうしようもない。

Looks

ルックスザットキルの父「Wildcat Heir」は聞き慣れぬ種牡馬だが、昨今話題のストームキャットを祖父に持ち、6勝すべてがダート1200mという生粋のスプリンター。種牡馬入りしてからはその豊かなスピードを産駒に伝え、2010年、11年、13年、14年とフロリダのリーディングサイアーに輝いている。今年1月に疝痛のため安楽死の処分が取られたのは残念だが、ルックスザットキルにはその父の血を日本で広めるくらいの活躍を期待したい。

帰り際に明日の番組表を受け取って思わず天を仰いだ。明日のメインレースのひとつ前、すなわち10R薄暑特別の発走時刻は、今日より15分も早い19時25分だという。今日と同じパターンでは間に合わないではないか。これは困った。

こうなったら、ハイパワーやルックスザットキルを見習って、スタートと上がりの速さで勝負するしかあるまい。すなわち、タクシー~電車~タクシーである。今日は交通費だけで2千円を要したが、明日は3千円をゆうに超えるであろう。馬券で余計な出費を補填するためにも、ハッピースプリントに頑張ってもらたい。

 

***** 2015/06/23 *****

 

 

 

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2015年6月22日 (月)

ポン駆け

一週間のご無沙汰です。休み明けということで筆の動きもなんとなくぎこちない。あれ?いつもどうやって書いてたんだっけ?なんてことをつい考えてしまう。

競走馬が休養明けでレースに出走することを「鉄砲」と呼ぶ。鉄砲を撃つ音になぞらえて、休み明けのレースで好走することを「ポン駆けする」と言うことも。どうやら私はポン駆けが苦手なタイプのようだ。

そもそも、休み明けをなぜ「鉄砲」と呼ぶのか? 鉄砲で遠くの的、すなわち遠くのレースを狙うという説が有力だが、私は別に今日に狙いを定めてきたわけではない。だいたいが、この一週間をだらだら休んで暮らしていたわけでもない。むしろ逆。ブログを休むというのは、つまりそういうことです。

Singen 

ポン駆けと聞いて、重賞3勝のシンゲンを思い出す向きも多いのではないか。3か月以上の休み明けで(4,1,1,1)の好成績。2010年のオールカマーでドリームジャーニーを破った時は、実に11か月ぶりの実戦だった。調教師の言葉によれば、休み明けは落ち着いてレースに臨める一方で、2戦目となると、レースが近づくにつれてソワソワと落ち着きを失くしてしまうタイプだったという。

だが、シンゲンのようなケースは少数派であろう。普通に考えれば、休んだ直後に100%の力を発揮するのは難しい。今週末は宝塚記念。3か月ぶりのワンアンドオンリーとラキシスや、昨年の菊花賞以来となるトーホウジャッカルらが、鉄砲の照準を王者・ゴールドシップに定めている。

過去の傾向を見る限り、宝塚記念で休み明けの馬は苦戦傾向にある。シーズン末期のグランプリレースならそれも当然か。だが、我が国で最長ブランクのGⅠ優勝が記録されたのが、同じシーズン末期のグランプリ・有馬記念であることもまた事実。ポン駆けが苦手な私としては、彼ら彼女らのポン駆けを期待せぬわけにはいかない。

 

***** 2015/06/22 *****

 

 

 

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2015年6月21日 (日)

宝塚記念/2007年

アドマイヤムーン(騎手・岩田康誠)

Admire 

岩田康誠騎手にとってはJRA移籍後初GⅠ勝利。馬にとってはこの勝負服を乗せて走った最後のレースでした。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中は写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/21 *****

 

 

 

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2015年6月20日 (土)

宝塚記念/1999年

グラスワンダー(騎手・的場均)

Grass 

現在、リーディングサイアーランキングは62位。息子のスクリーンヒーロー(同16位)に負けていられません。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中は写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/20 *****

 

 

 

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2015年6月19日 (金)

帝王賞/1996年

ホクトベガ(騎手・横山典弘)

Hokuto 

この夜の入場者数77,818人は、今も破られぬ大井競馬場のレコード。帰途のバス乗り場が長蛇の列で、大井町駅までの長い道のりをテクテク歩いた記憶があります。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中は写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/19 *****

 

 

 

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2015年6月18日 (木)

函館スプリントS/2004年

シーイズトウショウ(騎手・池添謙一)

Sheis 

先々週デビューを果たしたトウショウジャイロは惜しい3着。ひとつ上のお兄さん・トウショウピストは先週の舞子特別で4着。どちらも次走に期待しましょう。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中は写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/18 *****

 

 

 

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2015年6月17日 (水)

青梅特別/2012年

ホッコータルマエ(騎手・幸英明)

Ohme 

2012年のユニコーンSを除外されたホッコータルマエとエアハリファは、仕方なく同日の9R青梅特別に出走。降級4歳馬をものともせずワンツーフィニッシュを決めました。この2頭を除外にするなんて、JRAも思い切ったことしますよね。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中は写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/17 *****

 

 

 

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2015年6月16日 (火)

京成盃グランドマイラーズ/2009年

セレン(騎手・石崎隆之)

Selenium 

今年から種付け業務を開始しています。受胎条件10万円で牝馬なら5万円。マーベラスサンデーの後継種牡馬は、ネヴァブションとこのセレンしかいないだけに注目です。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中は写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/16 *****

 

 

 

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2015年6月15日 (月)

ユニコーンS/2003年

ユートピア(騎手・安藤勝己)

Utopia 

昨年までニューヨーク州サラトガで種牡馬生活を送っていた彼ですが、今年はトルコで新たなシーズンを迎えております。

---------★お詫び★---------

都合により6/21までお休みさせていただきます。

休業中はこんな具合に写真のみの更新となります。なにとぞご了承ください。

店主敬白

 

***** 2015/06/15 *****

 

 

 

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2015年6月14日 (日)

母の父・ストームキャット

名種牡馬ストームキャットを父に持つ名馬といえば、GⅠ6勝のジャイアンツコーズウェイを筆頭に、タバスコキャット、キャットシーフ、ネブラスカトルネード、ヘネシーと、とてもここに書き切れるものではないが、日本で走った産駒としてはGⅠ2着9回の記録を持つシーキングザダイヤが目立つ程度。正直日本ではあまり成功しなかった。

だが、その血が「母の父」となる時代となって、ようやく日本でも開花しつつある。ここ数年は、毎年新たなGⅠ馬が誕生しており、今年の3歳クラシックでもリアルスティールやキャットコインが存在感を示した。今年もストームキャットを母の父に持つ新たなGⅠホースの誕生があっておかしくない。そう思いながら、エプソムカップの出走馬を見れば、母の父にストームキャットを持つ有力馬が3頭も出走しているではないか。

しかもいずれもディープインパクト産駒。キズナやアユサンの活躍で「ストームキャットの肌にディープインパクトは合う」などとまことしやかに語られた時期もあったが、2002年から07年までの種付け料が50万ドル(当時のレートで6000万円)という破格のストームキャットを付けられて産まれた牝馬とディープインパクトの組み合わせは、現時点で考え得るベストの組み合わせ。これ以上はないのだから、成功例が多いのは当然かもしれない。

それでも、目の前でディープ×ストームキャット牝馬のワンツーフィニッシュを見せつけられては、それ以上のことを考えたくもなる。今年のエプソムカップは、ハナを奪ったエイシンヒカリが、そのまま直線に向いても先頭を譲ることなくゴール。念願の初重賞制覇を果たした。

Epsom 

逃げ切ったエイシンヒカリも、クビ差に詰め寄った2着サトノアラジンも、どちらもディープインパクト産駒で母の父はストームキャットである。

「逃げ」と「差し」。両馬の戦法は異なるが、爆発的なスピードが持続するという点においては同じ。それがストームキャットの為せる業なのかどうかは確信が持てないが、いずれにせよ、自分の型を身につけつつ着実に成長してきたその力は、本物と見てよかろう。戻ってきた武豊騎手の口からは「秋は大きいところに行きたい」という言葉が聞こえてきた。母の父ストームキャット。今年もこの配合から新たなGⅠ馬が誕生する予感がする。

 

***** 2015/06/14 *****

 

 

 

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2015年6月13日 (土)

梅雨

梅雨入りして最初の週末だが、府中の上空に雨の降りそうな気配はない。ただ蒸し暑いだけ。それでふと気が付いた。この東京開催で傘を差したという記憶がないのである。

調べてみると、開催初日の4月25日の11Rと12Rに通り雨が降った。それでも発表は「小雨」に留まる。それで、翌26日の第1Rから今日の最終レースに至るまで、開催日には一滴の雨も降っていない。その間、実に168レース。雨馬の恨み節が聞こえてきそうだ。

私が競馬を始めた頃は、「梅雨時は父内国産馬を狙え」と教えられた記憶がある。人も馬も体調を崩しがちな梅雨時は、日本の風土に馴染んだ土着の血統を狙えというわけ。それで、明日のエプソムカップでは、ハシノケンシロウ(父ビゼンニシキ)とか、アンバーライオン(父アンバーシャダイ)とか、バンブーマリアッチ(父バンブーアトラス)などを買っては、負け続けてきた。

そう思いつつ、梅雨時の重賞の代表格たるエプソムカップの歴代の勝ち馬を振り返れば、タイキマーシャル、ツクバシンフォニー、そして連覇のアメリカンボスと、むしろ外国産馬の活躍が目につく。父内国産馬と言っても、日本で繋いだ血は2代か、せいぜい3代。風土云々を言うには短過ぎるのであろう。

Rain 

私は雨の競馬が嫌いではない。傘から滴る滴越しに見たレースは、雨粒が傘を叩く音と共に、なぜか鮮明に記憶に残っている。中でも長距離戦が良い。ステイゴールドの初重賞勝利となった目黒記念も雨だった。霞に煙る向こう正面をゆっくりと進む人馬の、そのわずかにくすんで見える帽子や勝負服は、たゆとう川面に浮かんで流れる花びらのように美しい。

予報によれば明日の降水確率は60%。もし残りの40%の目が出れば、傘のいらない競馬が180レース続くことに。もはや記録的な事態ではないだろうか。

 

***** 2015/06/13 *****

 

 

 

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2015年6月12日 (金)

アブクマポーロの妹

明日の東京10Rは東京五輪セーリング会場に決定した江の島を冠する江の島特別。13年前の2002年は、単勝40倍の人気薄・シルクサンライズが勝つ波乱だった。

Sunrise 

「シルク」の名が付いているがシルクレーシングクラブの所属馬ではない。冠名は後ろの「サンライズ」の方。そう、勝負服を見ても分かるように松岡隆雄氏の所有馬である。だが、シルクともまるで無関係というわけでもなかった。

「5千万だってよ。どう思う?」

当時のシルクの社長さんが1枚の写真を私に見せてきた。写っていたのはバンシューウェーの97の立ち姿。のちのシルクサンライズである。

サッカーボーイ産駒。しかも牝馬。普通に考えれば高い。だが、母・バンシューウェーということは、1997年、98年のNARグランプリ年度代表馬のアブクマポーロの半妹ということになる。ならば高くても仕方ないか。いや、それでもやはり高い。

Abukuma 

結局、その仔馬はシルクの所属馬として募集されることになった。だが、すぐに故障が判明。募集中止となる。それで馬は松岡氏名義になった。それで通算32戦5勝。あのままクラブ所属でもよかったという意見もあろうが、デビューは3歳の7月である。緒戦9着、2戦目は8着。ラストチャンスの10月福島の未勝利戦を10番人気で勝ったのは、関係者でさえ望外の奇跡であったに違いない。募集中止は正しい判断だった。

「アブクマポーロの妹を持ってみたい」と出資しようとしたシルクの会員さんには、運が悪かったとしか言いようがない。当時とは募集馬の顔ぶれがガラリと変わった現在のシルクでは、こんな血統がラインナップされることは、もうないだろう。

 

***** 2015/06/12 *****

 

 

 

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2015年6月11日 (木)

一口馬主と一日馬主

昨日も書いたように、今年も社台グループから大量の「1歳馬カタログ&DVDセット」が送られてきた。

この時期の楽しみのひとつであることは間違いないが、同時に苦しみでもある。妻からは「見るだけね!」と、ぶっといクギをさされているが、見れば欲しくなるというのがヒトの性(さが)であろう。一口の募集価格が数百万という1歳馬の立ち姿や血統表をチェックしつつ、「ふう…」とため息を漏らす作業の繰り返し。やはりどちらかと言えば辛い。

G1sunday 

「1頭の馬を数人で共同所有」という形態は欧米でも決して珍しいものではないが、その考えを拡張して「正式な馬の所有名義人が、一般から数百人規模の出資会員を募りその賞金配当を配賦する」というスタイルは日本発祥とされる。

以前、日高の牧場で働いていたアイルランド人が、帰国後にそのスタイルを真似て、とあるモンジューの初年度産駒に一般から数百人の出資者を集めた。これが2005年の英国ダービーを勝つことになるモティヴェーターだというのだから凄い。

日本では出資会員のことを「一口馬主」と呼ぶこともあるが、厳密には「馬主」ではなく、たとえ全口の出資者であろうと勝負服の登録はできないし、馬主席に入ることも許されない。

ところが、英国では「一口馬主」ならぬ「一日馬主」という制度がある。いや、「あった」と書いた方が正しいかもしれない。20年前には間違いなくあったのだが、今も制度が存続しているかは分からない。なので以下に書く内容は、既に消えてしまった話かも知れぬ。そこはひらに御容赦いただきたい。

こちらの「一日馬主」の方は、あくまで「馬主」としての扱いを受けるのが特徴。リムジンが自宅まで迎えに来てくれて、6名分のボックスシートと食事が用意され、ジョッキーには自分の勝負服を着せることができる。さらに、もし馬が勝てばその賞金の一部が自分のものになるというのだ。

主催はどこぞのブックメイカーで、対象となる馬はそのブックメイカーの所有馬に限られる。気になるその値段は約50万円ほどだったか。これを高いと思うか安いと思うか。評価は割れるだろうが、6人のワリカンなら1人あたりの負担は10万円を下回る。それで憧れのアスコット競馬場のウイナーズサークルに立って、デットーリと一緒に写真を撮れる!……かもしれない。それが実現するのだとしたら、むむむ、それでも高いですかね。

Ascot 

ともあれ、今のところの私の関心事は、いつの日かのアスコットではなく来週の船橋のウイナーズサークルに立つこと。

この一点のみである。

 

***** 2015/06/11 *****

 

 

 

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2015年6月10日 (水)

落花生と1歳馬

宅配便のチャイムで目が覚めた。時計を見れば朝8時半である。私にとっては早朝だ。

寝ぼけ眼で荷物を受け取り、伝票にハンコを付いて、さて誰かだ?と差出人の欄を覗き込むと、なんと「吉田照哉」とあるではないか。思わず「おゎっ!」と声が出て、たちどころに目が覚めた。

さては、ちょっと早めのお中元か? 社台ファームからのお中元となれば、それこそ贅を極めた一品に違いあるまい。白老牛ステーキ肉の塊か、あるいは北海道産タラバガニ10匹詰め合わせだろうか。

わくわくしながら箱を空けてみると、中身はなんと!

Rakkasei 

落花生とピーナッツの詰めわせでした。

改めて見れば、差出人の肩書は「千葉県両総馬匹農業協同組合・代表理事組合長」となっている。だから千葉名産の落花生なんですね。もちろん、ありがたく頂きます。

朝食代わりにポリポリと落花生を齧りながら、TVを見ていると、再び宅配便のチャイムが鳴った。今度こそタラバガニの詰め合わせか? 慌てて扉を開けて受け取った荷物は、なんと!

Catalog 

社台グループ1歳馬の募集カタログの詰め合わせでした。そうか。もうそんな季節ですね。

それにしても、このタイミングの良さはどうだ。既に落花生を食べてしまっている身としては、カタログを邪険に片付けるわけにもいかない。千葉セリの売上に貢献できなかったという負い目も―――1ミリくらいは―――ある。

そんなことを思いながらパラパラとカタログをめくり、ポリポリと落花生を齧る。そういえば、千葉セリの会場となった船橋競馬場では、「落花生特別」や「ピーナッツ特別」というレースが行われる。史上ただ一頭、その両方を勝ったシャイニースマイルは、社台地方オーナーズの所属馬だった―――。

Smile 

ひょっとしたら、これは吉田照哉氏からのメッセージではあるまいか。このタイミングでの宅配便2連発は、どう考えてもタイミングが良すぎるのである。

ただそのメッセージの内容が読み解けない。シャイニースマイルと同じ追分ファームの馬を買えということか、あるいはトワイニングの産駒を狙えということか。落花生を片手に、しばし考える。

落花生は一度食べ始めたら止まりませんね。あーでもない、こーでもないと考を巡らせつつ、また落花生に手が伸びてしまう。それにしても、落花生に釣られて馬を買うなんて奴はいるのだろうか?

 

***** 2015/06/10 *****

 

 

 

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2015年6月 9日 (火)

せっかちさん

昔、セッカチセージという馬がいた。2008年のヒヤシンスSではサクセスブロッケンの3着。NHKマイルにも出ている。その特徴的な馬名の由来は「せっかち」なオーナーにちなむ。

Sekkachi 

私自身も「せっかち」と言われることが多い。まあ、自分でもそうだろうなと思う。

このブログでも、「発走ギリギリに競馬場に到着した」とか「レース後、ダッシュで駅に向かった」なんてことをしょっちゅう書いているので、皆さんもそう感じていることだろう。

なんでそんなに急ぐ必要があるのかというと、次の予定が詰まっているからであって、これが私のもう一つの問題「依頼や誘いをなかなか断れない」ということにも繋がる。

とにかく撮影でも飲み会でもホイホイと受けてしまうので、仕事を中断して別の二組と相次いで飲み会なんてザラ。その極致にあるのが、まったく別々のグループと、それぞれ“一緒”に北海道旅行をしたというエピソードかもしれない。

あらかじめグループBのメンバーには「先に現地入りしてる」と断った上で、往路はグループAと羽田で待ち合わせて出発。現地に着くや「別行動」を持ち出してAとはいったん別れてBと合流。Bと一緒に夜まで過ごして、夕食のジンギスカンまで済んだら、そこで「お先に」と退席。しかるのちにタクシーを飛ばしてAの夕食会場に合流して、この日二回目の夕食を楽しみ、果ては二次会(私にとっては三次会)に突入し、ヘロヘロになってBが待つ宿に戻るのである。

これじゃあ太って当たり前。精神的にも良いはずがない。しかし、近年になって、ドラスティックな変化が訪れた。昨年あたりから肝臓の数値が悪化したために酒を控えるようになり、さらに競馬場や旅行に行く機会も激減したのである。

たまの競馬場ではのんびり過ごしたい。安田記念の東京競馬場では最終レースが終わってもそのままスタンドに居座り、腰を上げたのは6月の陽もさすがに傾きかけた17時半頃。最近では駅で走ったという記憶もない。歳と共に自分の中のせっかちさんも存在感が薄れてきたような気がする。

急いで競馬場に行ったって、負けるレースがひとつ増えるだけ。そんな具合に、だんだん暇な時間が増えてゆくのだろう。若いころは「暇」が怖かった。歳をとるということは、その恐怖心が薄れゆく過程を言うのかもしれない。

 

***** 2015/06/09 *****

 

 

 

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2015年6月 8日 (月)

切れ味と底力

モーリスがミッキーアイルより前にいるぅ!

安田記念の出走17頭がいっせいにスタートを切ると、背後から悲鳴のような声が聞こえてきた。

モーリスを1番人気に押し上げたのは、後方一気の破壊的な末脚にほかならない。前走のダービー卿チャレンジトロフィーでも、前々走のスピカSでも、道中の位置取りは最後方。直線に向くなり前を一気に飲み込み、そして突き放して見せた。

その切れ味は、父スクリーンヒーローの祖母ダイナアクトレスを彷彿とさせるものがある。スプリンターズSでは並み居る牡馬を寄せ付けず、京王杯オータムハンデを1分32秒2の大レコードで独走した稀代の名マイラーから譲り受けたその爆発力こそがモーリスの真骨頂。私自身、そう思っていた。

それが昨日の安田記念は違ったのである。3角までに4番手。4角では3番手。直線坂下では早くも先頭を捉える勢いだ。

ああ…、大丈夫か?

背後の客の声はうめき声に変わっている。それでも坂を駆け上がるモーリスの脚は衰えることがない。ヴァンセンヌにクビ差まで詰め寄られたが、ゴール前でさらにもうひと伸び。着差以上の余裕を感じさせるゴールだった。背後の客の声は、今では喝采に変わっている。

Yasuda1

モーリスの武器は爆発的なスピードを繰り出す切れ味だけではなかった。早めに抜け出して、後続の追撃を我慢して我慢して凌ぎ切る。そんな底力溢れた持久力も、実はモーリスは兼ね備えていたのである。

切れ味の源泉がダイナアクトレスなら、彼に底力を与えたのは母系を5代遡って登場するメジロボサツの血ではあるまいか。

ちょうど50年前の朝日杯を勝ち、桜花賞ではワカクモ(テンポイントの母)から首、鼻差の3着。オークスでも2着と頑張った。そんなメジロボサツから広がる牝系にはメジロドーベル、メジロモントレーに代表されるタフな血が受け継がれている。相手が強化されてもなお勝ち続けるモーリスの底力の原点は、きっとこの母系にあるに違いない。

Yasuda2

ダイナアクトレスとメジロボサツ。日本競馬史に残る名牝が安田記念ウイナーの血統表に名を連ねた。特にダイナアクトレスは安田記念に2度挑戦して5着、2着とあと一歩だっただけに、オールドファンには嬉しい限り。半世紀前や四半世紀前の競馬が現代に繋がるからこそ、競馬はかくも面白いのであろう。

 

***** 2015/06/08 *****

 

 

 

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2015年6月 7日 (日)

風邪にカレーうどん

カレーに使われるスパイスは、そのほとんどが漢方薬にも利用され、風邪の諸症状にも効果的とされる。もともと漢方薬はインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」にその起源があるとされ、そういう意味では漢方薬とカレーの結びつきは当然と言えなくもない。

一方で風邪を引いた時の定番メニューと言えば、うどんという意見もあろう。昔、関西には「風邪をひいたら、熱いうどんを食べて寝て治す」という風習があった。それをネタにした「かぜうどん」という古典落語もある。だからなのか、以前はうどん屋に風邪薬が置かれていたことも。ともあれ、消化も良く、身体を内側から温めてくれるうどんをふうふうと食べれば、風邪などたちどころに治るはずだ。

それで、今日の昼飯は東京競馬場の『馬そば深大寺』の牛すじカレーうどんとした。風邪上がりの身体に、これ以上の薬膳はあるまい。

Udon 

カレーをまとったうどんが胃に到達すると、その薬効成分が荒れた胃腸を修復してくれる……ような気がしてくる。さらに、じわっと汗が滲んできた。これは気のせいではない。どちらもスパイスによる整腸作用と発汗作用のおかげ。ここのところ食欲が無かったので、一杯を食べきれるかどうか不安だったのに、あっと言う間に麺を平らげてしまった。

丼にはまだカレーだしがたっぷり残っている。

Dashi 

ふと、この『馬そば深大寺』にはおにぎりも売っていることを思い出した。

Onigiri 

鮭おにぎりを購入。

Onigiri2 

それを丼にどーん!!

Don 

鮭入り牛すじカレー丼の完成。いや、半分冗談でやってみたんだけど、これ美味いッスすよ。鮭もイイ感じだし、カレーをまとった海苔というのも意外にイケる。この期に及んでまさかの発見。次は明太子おにぎりでやってみよう。

最初は「一杯食べきれるかどうか」なんて言ってたのに、結果的に2人前を食べてしまった。そういえば、カレーのスパイスには整腸や発汗だけでなく、食欲増進効果もあったような気がする。ともあれ、これだけ食べられれば全快であろう。

 

***** 2015/06/07 *****

 

 

 

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2015年6月 6日 (土)

夏競馬、始めました

今日から競馬の暦は新年度。2歳競馬が始まり、3歳馬は古馬と対戦する。とはいえ、3歳限定のオープンレースは菊花賞まで9鞍用意されているから、正確に言えば未勝利馬と一部のトップクラスに限り3歳同士の戦いに出ることができる。中間層がことさら厳しい競争にさらされるのは、馬も人間もさして変わりはない。

この時期の条件級3歳馬にとってさらに厳しいのは、格上の4歳馬が降級してくることだ。例えば今日の東京10R・稲村ヶ崎特別(1000万条件)のメンバーを見渡せば、過半数の5頭が4歳馬。うち4頭は前走で同じ1000万条件を勝っており、残る1頭の前走は1600万条件で3着というもの。しかも大半がこのレースを狙って、ここまで待ったフシもある。

稲村ヶ崎特別に3歳馬の出走が可能となって4年目になるが、3歳馬が勝った例はまだない。だが、降級4歳馬相手にアッサリここを通過するような3歳馬が現れれば、それはすなわち相当の素質を秘めているということであろう。そんな期待を抱かせるのが、唯一出走の3歳馬・ヴェラヴァルスターだ。

Star 

前走の青葉賞(GⅡ)では、33秒9の脚を繰り出したが、2着タンタアレグリアにコンマ1秒及ばずの3着。惜しくもダービーの出走権に手が届かなかった。そのタンタアレグリアが、ダービーを2分24秒0で乗り切っての7着だったのだから、ヴェラヴァルスターにも相応の能力を期待したい。もしここを勝つようなら、来月のラジオNIKKEI賞はもちろん、秋の展望も大きく広がる。

しかし勝ったのは4歳牝馬のマローブルーだった。前走で同じ1000万クラスを勝ち上がった降級馬だが、同じクラスとはいえ連勝するのは簡単なことではない。ドゥラメンテでダービーを勝ち、明日の安田記念でも管理馬モーリスが1番人気に推されている堀調教師の管理馬だと思えば、この上のクラスでも好勝負必至であろう。

Blue 

注目した3歳・ヴェラヴァルスターは7着。戻ってきた田辺騎手は、敗因は分からないと言わんばかりに首をかしげた。ダービーを目指す過程で、目に見えない疲れがあったのかのかもしれない。だが、一昨年のこのレースでやはり2番人気で7着に敗れながら、次走のラジオNIKKEI賞を鮮やかに勝ったケイアイチョウサンの例もある。成長著しい3歳春だけに、油断は禁物だ。

かように、1000万条件戦でアレコレ盛り上がることができるのも夏競馬ならでは。東京競馬場ではあるけれど、肩の力を抜いて楽しみたい。

 

***** 2015/06/06 *****

 

 

 

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2015年6月 5日 (金)

半年に一度の決まりもの

半年に一度。安田記念の週とチャンピオンズカップの週。つまり日本ダービーの翌週とジャパンCの翌週に、決まって体調を壊す。性懲りもなく今回もやられてしまった。

日本ダービーと東京ダービーという大きなイベントのあとである。気付かぬうちに疲労が溜まっていたとしてもおかしくはない。初夏から梅雨へ。開催替わりは季節の変わり目でもある。そういう意味では、半年後のJCの翌週も同じこと。つまり競馬三昧で疲れているところに、季節変わりの体調の変化が、なんらかの病原菌の侵入を許すのであろう。

それなら用心しろよ!

そんなご指摘はごもっともだと思う。毎年同じことの繰り返しは、我ながら恥ずかしい。だから、今回はダービーウィークの酒席を一切断り、逆に毎日一本のビタミンドリンクを欠かさず飲み、浦和に行くのもさきたま杯の1日のみに留め、ダービー前夜は21時には就寝し、ダービー当日も17時には帰宅していた。むろん手洗い、うがいの励行は言うまでもない。なのに、やっぱり風邪を引いてしまったのである。情けない。いろんな努力が無駄だったと思えば、熱っぽい我が身の体温もさらに上昇する。

Goal 

それでも、ダービー当日にこういう症状にならなくて良かった―――。

ぼんやりした頭で、そんなことを考えながら「OS-1」を牛飲していると、少しは気もラクになってくる。今年もダービー当日の競馬場はもの凄い混雑。席のない筆者は立ちっぱなしの7時間余を過ごした。今日の体調ではとても無理。いやひょっとしたら、その無理が祟って現在の症状に至るのかもしれないが、仮にそうだとすれば、この風邪はダービーデーの代償として来年以降も甘んじて受けるしかあるまい。

今週から夏競馬がスタートする。みなさんも、暑さによる脱水などにはくれぐれもお気を付けください。

 

***** 2015/06/05 *****

 

 

 

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2015年6月 4日 (木)

エースたちのダービー

夕方まで降りり続いた雨が見事に上がり、幻想的な夕焼けがパドックの馬たちを照らし出す。まもなく第61回目の東京ダービーが始まる。

Padock 

出走馬が本馬場に姿を現すと、「久しぶりだな」という声がスタンドから聞こえてきた。その声の先にあるのは「胴青・赤山形一文字・袖白」の勝負服に身を纏った内田博幸騎手。シーチャリオットで2005年の東京ダービーを勝っている元・大井のエースは、5年ぶりの東京ダービー参戦となる。

Uchida_2 

久しぶりというほどではないが、この勝負服も。戸崎圭太騎手は栗東でフィエロの追い切りに跨ってから大井に駆け付けてくれた。彼もまた元・大井のエース。東京ダービーは通算4勝を誇る。

Tosaki 

しかし、勝ったのは川崎のエース・今野忠成騎手が手綱を取るラッキープリンスだった。羽田盃3着にもかかわらず9番人気とは、ファンも盲点を突かれたか。

Derby 

思い起こせば昨年5月30日の浦和1Rでデビュー勝ちを収めた世代の一番星。4戦無敗で鎌倉記念に挑む前までは、間違いなく世代トップの実力馬だった。その鎌倉記念でまさかの3着敗退。そこから紆余曲折を経てのダービー制覇である。関係者の喜びもひとしおであろう。

今野騎手は騎手デビュー22年目にして嬉しいダービー初制覇。2008年のダービーで1番人気のディラクエの手綱を任されながら、4着に敗れたあの苦い思い出をようやく振り払うことができた。いつだったか、川崎競馬場の七夕イベントで、他の騎手たちが「ケガをしませんように」とか「健康第一」といった無難な願いの短冊を飾る中、今野騎手の短冊には「ダービーを勝ちたい」と書かれていたことを思い出す。あの時「シャレになってないな」と笑った失礼を許して欲しい。ダービージョッキー・今野忠成の誕生である。

Konno 

そしてもうひとり。“エース”を超えて“神様”とまで呼ばれるようになったこの人のダービーは、またも2着という結果に終わった。34度目という騎乗回数も、9度の2着回数も、それはそれで大記録ではある。だが、神様はそんな記録を欲しがってはいまい。

Matoba 

ゴール直後の場内は歓声とため息が混ざり合った微妙な空気に包まれた。ダービーの女神は、なぜか神様には厳しい。その神様は「人生の宿題だな」と言い残して競馬場をあとにした。3/4馬身の大きさをあらためて思い知る。今年もダービーが終わった。

 

***** 2015/06/04 *****

 

 

 

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2015年6月 3日 (水)

新種牡馬たちの一年

昨年のJRAファーストシーズンサイアーランキングでリーディングに輝いたのは、2010年の“キングジョージ”を11馬身差で独走したハービンジャー。2歳サイアーランキングでも5位に入る健闘を見せたが、2歳の重賞タイトルには手が届かなかった。

Harbinger0 

期待外れという声が上がる一方で、古馬になって大成した父同様、真価発揮は明け3歳からとする擁護論の方が多かった。もとよりクラシックを意識して導入した種牡馬。2歳の成績だけで評価するのは時期尚早というわけである。ならば、ダービーが終わり、現3歳世代がデビューを果たしてちょうど1年となるこのタイミングで、改めて新種牡馬たちの成績を検証してみたい。

この一年間におけるJRA獲得賞金、およびJRA勝利数で共にトップだった新種牡馬は、やはりハービンジャーだった。昨年6月から127頭が42勝。ただし重賞はベルーフの京成杯(GⅢ)に留まる。特筆すべきはその1900mという平均勝ち距離と、ダートがわずかに3勝という点であろう。地方でも6頭がデビューしたが勝ち上がった馬はいない。すべての勝ち星を芝10ハロン以上でマークした父の特徴が、良くも悪くも産駒には現れている。JRAでの勝ち上がり率29.1%という数字を見ても、健闘というよりは苦労している印象だ。

JRA獲得賞金、JRA勝利数でハービンジャーに次ぐ成績を残したのは、高松宮記念連覇のキンシャサノキセキで、これまで65頭が31勝を挙げている。JRAの勝ち上がり率43.1%はハービンジャーを凌ぐが、特筆すべきは地方での勝ち上がり率65.0%で、これは短距離ダートの適性を存分に生かしていると言えよう。

Kiseki 

勝ち上がり率でそのキンシャサノキセキをも上回るのがアドマイヤオーラで、JRAでは15頭がデビューして7頭が勝ち上がり(46.7%)、地方でも21頭がデビューして15頭(71.4%)が28勝と、決して多くはない産駒が大暴れしている。しかも、先月はクロスクリーガーが兵庫チャンピオンシップを勝ってみせた。新種牡馬産駒のGⅡ勝ちは、この1勝のみ。返す返すも、アドマイヤオーラの急逝が惜しまれる。

Admire 

ハービンジャーに話を戻す。今年の3歳クラシック戦線は、天候にも恵まれて高速馬場になることが多かった。となれば、ダービーを2分23秒3の猛時計で駆け抜けたキングカメハメハやディープインパクトの産駒に分があったのも仕方ない。ヨーロッパの底力を伝えるハービンジャーには少々気の毒だった。

だがしかし、である。この世代のハービンジャー産駒の母を見れば、ダンスインザムード、ダイワスカーレット、レジネッタ、ハッピーパス、ディアデラノビア、シーザリオ、キストゥヘヴン、レーヴディソール、グレイスティアラ、コイウタ、チアズグレイス、ロゼカラー、オレンジピールと、綺羅星の如き我が国の名牝の名前がずらりと並ぶ。なのに、オークス、ダービーの出馬枠に、ついに1頭も送り込むことができなかった。これだけの母の力を借りておきながら、馬場を言い訳にすることはできない。

キングカメハメハのスピードやディープインパクトのキレに対抗するために、どういう騎乗をすれば良いのか。底力勝負に持ち込むにはどのようなレースを選択すれば良いのか。2世代目のデビューを前にした関係者は、よくよく思案すべきであろう。世界にその名を知る名馬の産駒を、まさかGⅢひとつで終わらせるわけにはいかない。

 

***** 2015/06/03 *****

 

 

 

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2015年6月 2日 (火)

七転び八起き

先週のこと。美味しい牛すじうどんを食べさせる店があると聞いて、浦和競馬場に向かう途中の西川口で途中下車。牛すじカレーうどんを食べさせる店は関東でも珍しくないが、牛すじうどんとなると、ちょっと数が少ない。駅から歩くこと2、3分。『七転び八起き』という看板が目に飛び込んできた。

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牛すじうどんも珍しいが、「七転び八起き」という言葉を店名に使うのも珍しい。思わず店主の生い立ちを想像したくなるが、実はこの店「ものまねSMAP」として中居正広さんのモノマネをされている方のお店だという。七転び八起きのモノマネ人生を歩まれてこられたのだろうか。うどんが茹で上がるのを待つ間に、人生について考えさせられる。

Padock 

先日行われた日本ダービーに、騎手人生16年目にして初のダービー出場を果たしたひとりの騎手がいた。嘉藤貴行騎手。33歳。デビューから手綱を取り続けてきたコメートと臨んだ初めてのダービーは、生涯忘れ得ぬレースとなったに違いない。

30歳を過ぎた多くの騎手たち同様に、彼の騎手人生もまた平坦な道のりではなかった。デビュー1年目に19勝をマークしたものの、減量特典がなくなると成績が伸び悩んだ。2010年の勝ち鞍はわずか1勝。引退、調教助手転身が頭を過ったのも無理はない。だが、11年9月の中山スーパー未勝利戦で転機が訪れる。馬にとってはあとの無い一戦。そこで挙げた勝利に、何ものにも変えられない喜びを感じたという。その年に7勝をマークすると、翌年から騎乗数が徐々に増え始めた。彼もまた七転び八起きの精神で、ダービーの舞台まで這い上がってきたのであろう。

Gate

ダービーの馬群が直線坂下に差し掛かった時に思わず息を飲んだ。なんと16番人気のコメートが、先頭に並びかけようかというシーンがあったのである。ダービー初騎乗の結果は5着。激戦を終えて検量室に戻り、調教師から肩を叩かれた嘉藤騎手は、こらえきれず大粒の涙をこぼした。どうかその涙を忘れないで欲しい。勝ったデムーロの涙もしかり。そこに人間のドラマがあるからこそ、ダービーは素晴らしい。

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『七転び八起き』の牛すじうどんは、これまた珍しいつけ汁スタイルであった。牛すじから溢れたエキスが染み出したつけ汁は濃厚で、うどんとの絡みも申し分ない。試行錯誤の跡を思わせる。もう少し麺が太い方が良いのではと思わないでもないが、もしそんな声が多いようなら、さらに試行錯誤を繰り返せばよい。それも七転び八起きであろう。

 

***** 2015/06/02 *****

 

 

 

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2015年6月 1日 (月)

名馬のエピソード

皐月賞と日本ダービーを圧勝し、史上23頭目の春クラシック2冠馬に輝いたドゥラメンテ。だが、皐月賞は賞金不足から除外される公算が高く、当初は青葉賞からダービーへという青写真が描かれていた。皐月賞の登録時点でジョッキーが決まっていなかったという2冠馬に似つかわしくないエピソードも、事情を鑑みれば致し方あるまい。

だが、グァンチャーレやシャイニングレイといった重賞ウイナーが次々と皐月賞回避を表明。16年ぶりにフルゲート割れとなったことで、皐月賞への出走が叶った。桜花賞を除外されて牝馬2冠を逃したミッキークイーンとは逆のパターン。競馬に“たら・れば”は禁句だが、もし皐月賞に出走できていなければ、当然ながら春2冠は達成されていなかったのだし、ダービーの行方もどうなっていたか分からない。

Dora2 

これほどの能力を持ちながら、思うように獲得賞金を積み上げることができなかった原因のひとつがゲートだった。昨年10月のデビュー戦は、ゲート内で暴れて2着。2戦目の未勝利で勝利を挙げたものの、やはりゲート難を露呈し、ゲート再審査の憂き目に遭う。

クラシックを展望するには大事な時期である。だが、陣営は気性の改善を図るべく放牧を決断。同期のエリートが朝日杯やホープフルSで賞金を稼ぎまくっているのを横目に、のちの2冠馬はゲート内に縛られる日々を過ごした。その華やかな血統を思えば、関係者にとっては歯がゆい冬だったに違いない。

Dora 

2月のセントポーリア賞は自身の復帰戦でもあると当時に、間近に迫ったクラシックを考えれば背水の一戦でもあった。そこで5馬身差圧勝の一発回答。折り合いを気にするあまり後方まで下げてしまった共同通信杯の取りこぼしは、ゲート練習に貢献してくれた石橋脩騎手ゆえに、声高に責めるのも憚られるが、結果的にデムーロへの乗り替わりを推し進めた側面も否定できない。

Mirco 

ゲートに縛られる日々、皐月賞の奇跡的なフルゲート割れ、そして名手への乗り替わり。そも、デムーロ騎手が昨年のJRA免許試験に合格したことも、ドゥラメンテ物語の始まりのひとつだった。歴史的名馬にはエピソードのひとつやふたつはあるもの。そういう意味では、ドゥラメンテは既に歴史的名馬の条件を備えているのかもしれない。

 

***** 2015/06/01 *****

 

 

 

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