« ジンクス | トップページ | リアライズリンクスの一年 »

2015年5月27日 (水)

ハイアーゲームの魂

「今年こそ青葉賞からダービー馬が出るかな?」

ダービー前になると、きまってそんな会話が交わされるようになって久しい。2002年シンボリクリスエス、03年ゼンノロブロイ、そして12年フェノーメノ。青葉賞のレベルが低いわけでは決してないのである。なのに、GⅠをいくつも勝つような名馬ですら、青葉賞を勝った直後のダービーでは揃って2着に敗れてきた。これを近年のダービーのジンクスとする声もあるが、青葉賞が重賞に昇格して22年と思えば、確かにジンクスと言えなくなくもない。

しかし、ひとつ間違えばこのジンクスは成立しなかった可能性もあることを、ここに記しておきたい。それがキングカメハメハの勝った04年のダービー。青葉賞馬はハイアーゲームだった。

この年の青葉賞でハイアーゲームが記録した2分24秒1という時計は、今も破られぬレースレコード。しかもその中身が凄い。前半の1200m1分12秒9の流れはスローに近く、普通ならレコードタイムが出るようなペースではなかった。中団に控えたハイアーゲームのラストの1000mは、58秒0-45秒7-33秒7。翌週のNHKマイルでキングカメハメハが記録した上がり1000mが57秒5-45秒9-34秒0だから、ハイアーゲームはマイル戦に匹敵するような猛ラップで2400mをまとめたことになる。

Higher 

しかしダービーは非情だ。ハイアーゲームはキングカメハメハを左前に見る絶好の位置でレースを進めたが、先行していたコスモバルクが4コーナーを回れず大きく膨れた影響で、キングカメハメハが外へ張り出してきた。ハイアーゲームがそのままの進路を取り続ければ、行き場をなくしたキングカメハメハは下げるしかない。と同時に自らのダービー制覇はグッと近づく。だが、ハイアーゲームの蛯名正義騎手は敢えて外に進路を取り、キングカメハメハとの真っ向勝負を挑んだのである。

結果はハーツクライにも差されての3着。だが舞台を問わずフェアプレーを貫く蛯名騎手の判断が無ければ、この年のダービーは後味の悪いものになっていた可能性は否定できない。

Cosmo 

ダービーでの悔しさはダービーで晴らす。種牡馬となったハイアーゲームは、2世代目の産駒からコスモナインボールを送り込んできた。おそらく最低人気。だが、すべて左回りで挙げた昨年の3連勝は、サウスポーとして名を馳せた父・ハイアーゲームを彷彿とさせるものがあった。父がもっとも輝いた舞台で、魂の走りを見てみたい。

 

***** 2015/05/27 *****

 

 

 

|

« ジンクス | トップページ | リアライズリンクスの一年 »

競馬」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ジンクス | トップページ | リアライズリンクスの一年 »